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平成18年3月25日 旭川実業高校  vs 北大津高校
        
本日は、平成18年3月25日。

甲子園大会3日目。
旭川先発は天野投手。打たせて取る右腕。オーソドックなタイプ。
北大津先発は、背番号10の真田投手。クセのある左横からの軟投派。まっすぐは110キロ。

先攻の北大津は3者凡退。天野投手は絶好の立ち上がりをみせる。
後攻の旭川は、2番森部君死球、3番岩佐君四球で、1死1・2塁のチャンス。
2死から初球、捕手は外に大きく外れて構える。思いっきり一塁への送球が予測された。
案の定、一塁に投げる。暴投。二塁走者が生還。旭川待望の先取点。
北大津の捕手は、
無駄なプレーをした。タイミング的にも全く投げる必要はない。
1塁への送球は、通常、ランナーの動きを初球確認して、油断している走者に対しては刺しにい
くのが上等策。
初球からギャンブルするプレーじゃない。

旭川は、遅い左投手の攻略をいかにしていくか。
2回、旭川は、6番山川君から3連続ショートゴロ。右打者が左肩を開いて引っ張り込む。
一番悪い打ち方である。球を懐に入れ込んでインサイドアウトで逆方向に狙う。鉄則だ。
引っ張れるけど引っ張らない。チームバッティングに徹するべきだ。
遅い球を体全体で追ってしまう。そして時には詰まる。構え遅れが原因だ・・・。
自分のしたいことをするのではなく、相手が嫌がることをしなければいけない。

3回北大津の攻撃。先頭打者がセフティバント成功。次打者に送りバント。
今日二回目の送りバント。ちょっと旭川は簡単にバントをやらせすぎである。
相手打者にプレッシャーがない死に球を投げる。
簡単に相手に野球をさせてはいけない
2死2・3塁で天野投手は今日多投しているスライダーを右打者に選択。
その球種にサード&ショートの守備位置が悪い。三遊間で内野安打で1点献上。
球種の選択は間違っていない気がするが、
それに対する対策を練っていない。
ちょっとした考え方・意識で防げた失点である。

5回北大津、先頭打者が四球で出塁。相手に助けられバントで2封。
しかし、北大津は果敢に盗塁。その後2死から3番土井君が甘いストレートを三塁打。
いいだけスライダーで打ち取っていたが、みせ球のストレートが甘く入った。
均衡を破った。2−1で北大津リード。
5回まで旭川は1安打。凡打は、右打者の左方向のゴロがほとんど。工夫がない。

この試合、ちょっとドキドキしない。
遅い球をどうする、スライダー中心の投手をどうする、などの
攻め側の意図がない。
両チーム共通する部分だ。ただ、打って投げての展開に見える。
チームとして結束し、どう攻略していくか。
個人力じゃない高校野球の醍醐味が無かった。
春ということを差し引いても、しっかり野球を勉強するのが大事である。

9回、旭川は投手を北川投手にスイッチ。
先頭打者に二塁打を打たれる。この試合、バントで手堅くきていた北大津。
1球目強攻、ファール。「ん?」意外性か・・・。
でも勝っているし、意外性を考えてもバントのような気がする。
「変えるよね」、と思いきや、な、なんと強攻。フライでアウト。
流れを考えると、この回は
流れを相手にいかないような工夫が第一である。
しかし、結局、奇策で点が入らなかった。これは相手力量が上位だと致命的である。
そのまま、逃げ切ったが、通常、ああいう攻めをすると逆転される確率は高くなる。
9回裏に、1死1・2塁のピンチを迎えたのは、その影響だと考える。

「流れ」「展開」

二回戦以降、北大津は大切にして欲しい。
北海道のチームは本日2チーム出場したが、一気に消えた。
昔の北海道の野球を見ている感じがした。

「意図あり行動」「チームとしてのビジョン」「根拠のあるプレー」

野球は技術力とか個人力、よい選手がいるとかの話ではない。
どのようにして結果の出易い行動を最後までとり続けれるか。
これが重要。
全国で戦い抜けるチームは、まだ北海道に1つしかない。寂しいが現実だ・・・。