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平成18年3月26日 京都外大西高校  vs 東海大相模高校
        
本日は、平成18年3月26日。

甲子園大会4日目。
春の甲子園は、いつも雨で荒れるのだが、ここまで若干の雨はあったものの順調に消化。
今日は、昨年の夏、北海道の駒苫と決勝戦で当たった京都が出場するので観戦。
昨年から新チームになり、どのようなチームに変貌をとげたのか興味深く観戦。

京都といえば、昨年は1年生の本田君と、2年生の北岡君の二枚看板投手が特徴的。
両人のどちらかが先発すると思いきや、左腕の大野君が登板。新戦力。
東海は、背番号11の長谷川投手が登板。
両チームの監督は若く30中盤の監督さん。
京都の上羽監督は、自分の記憶が正しいならば社会人野球出身の方ではないかな・・。
以前、全国大会で対戦し俊足の選手だったような気がする。

先発は、共に背番号1ではないが、レベルの高い一戦になりそうだ。
ここ数試合、観戦しているものの「駆け引き」など見て取れず欲求不満になっていたところ。
京都先攻で始まり、京都打線はファーストストライクを果敢に打ちにいく。
積極的なのは、非常に良いことだが長谷川投手の遅い球に翻弄され、フライが多い。
テレビを見ていると、要所で監督が捕手にサインを送り、ベンチから配球していた「?」。
長谷川君はストレートは、130キロだが、腕の振り、緩急の使い方が上手。
コントロールもなかなかのもので、京都打線にチャンスを与えない。

一方、東海は、初回、左投手の大野君に襲い掛かる。
先頭の田中君がセンター前にヒット。その直後に、左投手でマウンドは外さずに偽投牽制。
ボークを取られ、無死2塁からのスタート。バントで送られ内野ゴロであっさり失点。
しかし、大野投手を観察すると、なかなかの好投手。
左腕の特色であるインコースのクロスの球が良い。
カーブも100キロを切り、まっすぐは130中盤のスピード。夏はまだ出そうだ。
パームも投げて、「はまれば」結構な投球をしそうだ。

京都といえば、昨夏は
「継投」が注目された。
今日も、4回、1死1・2塁の場面で、北岡投手に交代。早めの継投だ。
弱いチームは、試合が決した後に交代する場合が多い。
甲子園で勝ち抜くためには、思い切った「継投策」がポイントになる。
継投で必要なのは「決断力」である。その監督の手腕が問われる場面でもある。



北岡君の交代後の立ち上がりに注目した。
4球連続の緩い球、そして1球挟んで、また緩い球。緩い球で難を逃れる。
北岡君は、
ランナーがいなくてもタイミングを外そうとクイックなど駆使する。
シンカー、シュート系の球もあり、なんとなく打席に立つと知らないうちに打ち取られる。

6回、5回終了後のインターバルの後、京都は先頭の北岡君が死球で出塁。
京都らしい死球。ああいう野球は大好きです(笑)
バントして二進。その後、タイムリーヒット。
これまで早打ちで東海長谷川投手にやられていたが、遅い球を狙いだしてきた。
「狙っているな」と思わせる各打者。軸にしっかり残しコンパクトに打ってくる。
ちょっと遅いくらいだったかな。早めに全員で攻略するべきだったが・・。

6回同点に追いつき、その裏、東海は2死1・2Rとチャンスを得る。
ここで京都は、本田投手にスイッチ。京都らしい継投策。
監督の思惑とは裏腹に、本田君の投球が上ずる。
直後に、高めにストレートを連発し、ストレートの四球。
2死満塁でも定まらないストレート。変化球を投げる余裕もない。
一所懸命に、「ストライクを取る」ことにアップアップだった。
置きにいった高めの棒球を「パコーン」とタイムリー。痛恨の二失点。

観察すると、最初は「ツーシーム投げてる?」と思いきや、どうやら指にかかってない?
ような気がした。もしくは本当に置きにいっているかどちらかかな。
かかる球と、かからない球の差が大きい。意識して投げているなら良いが、違うかな・・。
時折投げる100キロを割るスローカーブや特殊球など、制球はイマイチだった。
この日は、上体が流れコントロールもつかず、本来の投球ではなかった。

「コンディショニング」

非常に難しいなと思わせる試合だった。
昨年は、アウトローへの制球が絶妙で、分かっていても打てなかった。
今日は単調で、今後への課題が明らかになったに違いない。夏は怖い存在だ。

6回2点差とされた直後の7回、京都は絶好のチャンスを勝ち取る。
先頭の京都のおかわり君、4番の吉田君が痛烈な二塁打。
得点してもらった後に良くある「投手心理」が作用したに違いない。
しかし、次打者の時にバントするも、スタートが悪すぎた。余裕の三塁タッチアウト。
この走塁が、この試合の流れを大きく動かした。
流れがきかけた京都。数球後にはまた相手に戻してしまった。痛恨。

東海は8回1死から、この日80球5安打の長谷川君から背番号1の高山君が登板。
早めの継投であったが絶妙なタイミングでの交代。
ピンチ交代するのではなく、ランナーがいない状況で代えてやるのがベスト。
高山君を観察すると、ストレートは130中盤、遅いカーブにスライダー・・・。
右肩が開かずに投げるので、打者は思ったよりスピードは感じるはず。好投手。

結局、東海が4−1で京都を振り切った。

この試合、
監督同士の駆け引きが面白かった。
また、
遅い球を両チームの捕手は工夫して配球し、相手強力打線を乗らせなかった。
両チームとも、しっかり
事前の準備をしているなという印象を受けた。
夏にこの両チームが出てきた時には、上位進出は必至か。
でも、夏の予選、神奈川・京都を勝ち抜くのは大変だからなぁ。でも強いですね。

京都は、打線に課題が残った。技術的問題ではなく試合の進め方だ。
よって、すぐに建て直しはできると思う。

今日の試合は面白かったなぁ〜