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平成18年05月18日  駒大苫小牧高校 vs 鵡川高校
        

駒苫左腕岡田投手

駒苫スタンド

鵡川右腕松村投手

久々に見る駒苫対馬投手

ピンチに集合する駒苫

平成の怪物はスタンバイ

駒苫田中君は終始一塁

室蘭に聞きなれた校歌

春の高校野球北海道地区予選。
本日は、室蘭市にある新日鉄室蘭球場にて行われた。
エントモにとってこの球場は懐かしい思い入れのある球場である。
社会人時代19歳の時に、当時の監督からこの新日鉄球場でチャンスを頂く。
一発回答で、そのもらった初打席にジャパンだったアンダースローの有名投手
からレフトポール際に本塁打。忘れもしない一発だ。

社会人時代晩年に室蘭シャークスに補強で行ったとき、この球場でお世話にな
った。寒い土地ではあるが、熱い人間の集まる室蘭。その地で今日は観戦。

駒苫と鵡川ということで、「混むだろうなぁ・・」と予測。
第一試合の10時開始だったので少し早めに札幌を出る。
安全運転で行ったので、着いたのは30分前。駐車場は当然満員御礼。
室蘭の体育館側に停めれたので駐車しダッシュ。パチンコの開店みたい(笑)

球場も1500〜2000は入っている。平日午前中開催なのにすごい。
札幌支部予選と違い、入場料金300円(札幌は500円)
駒苫の先発は、大魔神田中君かなぁ・・と思いきや左の岡田君。
鵡川は、右のエース松村君が先発。
鵡川先攻、駒苫後攻で試合は始まった。

初回鵡川、駒苫岡田投手は2番田中君に長打を打たれピンチ。
2死1・2Rまで攻められるが、なんとか抑えた。ふむふむ。
岡田君の投球を見ていると
様々な課題がみえてきた。夏まで時間はある。

初回駒苫、一番の三木君が痛烈なヒットで出塁。
ここからが圧巻の攻撃になる。
3番中澤君、4番本間君、5番田中君が三連打でタイムリー。
あっという間に3得点。打者の
「懐が深い」
相手投手とすれば、ちょっと抑える難易度が高い打者が揃っている。

二回鵡川、この回先頭の蛯子君がレフトに本塁打。
次打者、猪狩君がポテンヒット。スイッチが入ってきた鵡川。
ん?次打者が送る気配がない。え?スチールして刺殺。
その後2連続四球。岡田君が本来の投球がなかなかできていない。
1番佐藤君がセンターに痛烈なライナー。ん?センターランナー飛び出し。
ライナーでダブルプレー。アウトカウント間違えたかな・・。
それにしても一気にいける展開だったので惜しいチャンスを逃した鵡川。

四回鵡川、先頭が出塁した。ん?打たせている。強攻だ。
どうだろう。采配云々はそこそこの考え方ではあるが、相手にプレッシャー、
相手が嫌がる展開では全くない。これが田中投手なら送るのかな?

野球って将棋に似ている。
いきなり「王」は取れない。ちょっとずつ駒を動かし相手に圧力をかける。
最後に周囲を固め、一気に攻める。戦には「時」が必要なのである。


5回鵡川、また先頭が出塁。もう書かなくても同じ。打たせる。
結果的に無死満塁になったが、これは結果。ここで香田監督は、岡田君から
右腕対馬投手にスイッチする。
球速は、本来の140キロには届かないが、130キロ前半から中盤。
ここを内野ゴロダブルプレーにとり、1失点で切り抜ける。

鵡川の松村投手は、初回こそ打たれたものの、その後はのらりくらりかわす。
130キロちょいかな。ストレート、ドロンカーブ、スライダーだろう。

七回鵡川、先頭打者が死球で出塁。
2−3でビハインドにも関わらず強攻。外野フライ。
打者も送ろうという姿勢に欠けている。
しかし、その後連続長打で2得点。逆転に成功する。
駒苫にしてみれば、あと3回ある。
彼らの行動や言動に耳を傾けた。

「・・・」

焦っていない。ここまでは鵡川のリードで7回まできたが力の差を感じる試合
運びである。選手が焦っていない。どっしりと構えている。
この時点で、「あっ、ひっくり返すな駒苫」と思った。

その裏の七回駒苫、先頭の三木君が涼しそうにライト前ヒット。
しっかりと次打者が送る。すると、余裕を持って打球処理に降りてきた投手が
一塁に大暴投。
セカンドで刺すという降り方じゃなかった。
点数差は勝っていても守備の機会に「攻める気持ち」がなければ

女神は逃げる!


駒苫は、効率の良い攻めで得点を重ねる。鵡川は守備で細かいミスの連発。

「勝てるかも」のメンタル的な動きがプレーに現われているように思えた。
スキルだけじゃなく、野球メンタルも大切である。
なんの根拠もない気持ち、勢い・・・これだけでは勝てない。

結局3得点し駒苫が6−4に逆転。落ちついている駒苫。
八回駒苫の守備、ここで
今日一番のプレーを見た。
1死1Rで途中出場の竹内君がサードにいた。
勢いが死んだ打球が飛んできた。通常なら大事に一塁に投げる。
しかし、彼はその打球に対しチャージし、セカンドでギリギリで封殺。
この辺がレベル高い。途中出場の選手だが、アピールしようと攻める守備。
これが駒苫の強さの秘訣か。
上の野球にいけば普通のプレーだが、高校生ではなかなか見れない。
今日観戦した甲斐があったな・・・と思わせるプレーだった。

試合は6−4で駒苫が勝利。
この点差をみれば「危なかったな駒苫」「いい試合」
と思うに違いない。しかし実際に球場で見ていると「差」は感じた。
危なげない勝利だろう。課題も浮き彫りになった。
これは技術の課題じゃなく、メンタル的・駆け引き的な課題。
全国へ再挑戦するチームとして、今からつぶしておかないといけない課題。

監督は肌で感じて気づいているに違いない。
田中投手以外の2枚目・3枚目を意識しての大会であろう。
経験しながら勝って行く。今までの駒苫野球だ。

春の大会は、どこで負けるか分からないが結果重視じゃないのでOK。
夏に向かってどう選手を鍛えていくか。チームを作っていくかが肝心。


これから夏の期間、約1ヶ月程度ある。
その使い方が非常にどのチームも大切になってくる。
さて、今回のチームはどこまで進化するのだろう。楽しみだ・・・