千歳市民球場にて、高校野球夏の大会、地区予選が開かれた。
夏の大会は今回が初めての観戦。早いものでもうこの時期だ!
札幌の最高気温は26℃の予想。
車を走らせ、千歳に行くと札幌の暑さが全くない。
距離的には近いのに、こうも温度差があるのか・・7・8度は違う。
球場に着くと、半袖では寒い。震えながらの観戦となった。
清田高校は、我が母校。
かれこれ20年前に卒業したのだが、ユニホームは同じ?!
久しぶりの母校の観戦。試合前に校歌を歌っていて懐かしかった。
清田高校の現在の監督は、田口さん。
当時、自分が1年生で田口さんは3年生。
あと二回勝てば甲子園までいった一番強かった時代の主将。
l公立高校ではあるが、人数は結構多いチームだ。
その中でも、いかにして競争し意識をぬるま湯から熱湯に変えていくか。
意識の向上なくして、チームの飛躍はない。
一方、恵庭北高校は、臼井監督率いるチーム。
臼井さんは、近年知り合った方だが、熱血な指導者だ。
数年前はグランドにも足を運んだことがある。
さて、試合は、恵庭先攻、清田後攻で行われた。
清田の先発は、新井君。遅いカーブとスライダーを織り交ぜる。
ストレートは125ぐらい。勢いより制球タイプか。
恵庭の先発は、佐々木君。同じような感じではあるが、
投げ方に特徴がある。腕の使い方が変則。打者にとっては少々見づらい?
初回、恵庭、試合直後の初球、一番打者の山口君がライトにヒット。
試合開始後の動きにくいとこではあるが、積極的に打っていった。
投手は、「無難に自分有利に」と思いがちなので初球は大チャンス。
よって、積極的に動いた山口君が素晴らしい。
その山口君を2番打者がきっちり送る。WPが絡み、1死三塁。
3番打者のショートゴロの間に生還。1点先制した恵庭。
この1点が終盤まで重くのしかかる・・・
恵庭の佐々木君は、立ち上がりからスイスイいっている。
二回清田の打者は外野寄りの内野フライで全力疾走しない。
フライでガックリくるのは分かるが、まだインプレー中。
アウトが確定になってからガックリするなら分かるけど、
二塁まで到達できる走塁が欲しいところだ。
相手はその走塁で焦り落とすこともある。走塁にスランプなし!
5回、恵庭、先頭打者が出塁。清田は先頭打者を5機会で3出塁。
苦しい展開が続く。四球で、無死1・2塁にして2番打者を迎える。
「点数入りそう・・」と思いきや、バントの時にサードへ封殺。
投手の思い切ったフィルディング。その後守備も盛り立てる。
セカンド後方の打球で、セカンドが背面キャッチ。
プロでも難しい飛球。アクロバットキャッチでピンチを凌ぐ。
こうなれば、通常は、清田の流れになっても良いものだが、
佐々木投手が丁寧なピッチングで清田打線を6回まで1安打。
両チームきびきびとした動きで、見ている人に心地よさが広がる。
7回裏、清田はチャンスをつかむ。
1死から、5番吉田君がライトオーバーの三塁打。
1死3塁で、同点のチャンス。恵庭内野陣はマウンドに集まる。
次打者の6番後藤君の前の打席の三振が気になる。
あまり良い内容じゃない見逃し三振。本人も悪いイメージだろう。
早いカウントで追い込まれる。
スライダーを開いてスイング。右方向に飛球イメージが基本だが・・
2−1に追い込まれる。監督のサインは「スクイズ」。
良い選択だったと思う。
しかし、投球は低めのスライダー。一番やりにくい球が来た。
「ファール」
万事休す。スクイズ失敗でアウトとなった。ヘッドが落ちる難しい球。
偶然だろうが、バントの時の心得、バッチリ合わさった投球。
本当に強いチームであれば、この失敗を次打者がカバーするのだが、
なかなかそうもいかない。この回無得点。清田にとっては無念。
でも、まだ1−0で来ている。まだ二回ある。
しかし・・・
野球とは心のスポーツ。心の動きが体の動きに大きく左右する。
チャンスで最後に凡退したのは、投手の新井君。嫌な予感・・・
ピンチの後の先頭打者。これが大きく試合を左右する。
カウントを悪くする新井君。心の動きが現れたか・・・。
新井君は、良い変化球を持っているが、制球に難があった。
投げ方を観察すると、かかとに体重がかかり体の使い方はドア。
この辺が制球を乱す原因に違いない。
0−3にしてしまい、1−3からヒットで出してしまう。
バントでしっかり送り、1死2塁の絶好のチャンスを迎えた恵庭。
四番打者にバントをした臼井監督。5番打者が奮起する。
右中間に三塁打。待望の2点目。大きい2点だ。
精神的にがっくりくる失点に違いない。
選手が余計な先読みをするであろう失点。
案の定、三塁手が牽制時によそ見。牽制の球が転々と転がる間に1点。
ここから、堰を切ったように恵庭打線が猛攻を仕掛ける。
タイムリーの雨あられ。一挙8得点の猛攻。
失策気味の判断ミスもあったが、勢いを止められない清田。
怒涛の攻撃の最中に清田内野陣を観察。
やはり、前の回みたいな声のかけかたがなくなっている。
大波に飲み込まれた状態になる・・・
8得点取られたが、最小限に抑えられたに違いない。
ちょっと「糸が切れた凧」みたいにかわいそうだがなっていた。
しかし、後輩よ。
我ら先輩は、過去、
9回5点差を6点とってサヨナラ勝ちした経験
がある。
それも格上と見られていた私立の古豪、東海第四高校にである。
野球はゲームセットまで終わらない。何が起きるか分からないのである。
でも、自分達が先読みして「厳しいかな」「難しいかな」と思えば、
逆転する可能性は「0」になる。
相手は勝ったと思う。そこに活路があるのだ。
悲しいかな、この試合は9−0の8回コールドで幕を閉じた。
今日は、改めて「心の動き」が野球に占める割合が高いことを知った。
1歩間違えば、どっちが勝っていたか分からない展開。
恵庭高校は、最後までスキがなかった。お見事。
臼井監督の尽力の賜物だろう!
負けてしまった清田。ベンチ前で泣いている姿が印象的だった。
「俺は3年間、やり残したことはなかったのか」
「悔いの残らないプレーができただろうか」
様々な思いがよぎるだろう。
人間は唯一過去を悔いることが出来る動物。
その失敗の経験を、次回に活かせる。
後輩よ、この失敗を今後の人生に活かせ!人生はまだまだ長い・・・
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