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平成18年06月26日  札幌清田高校 vs 恵庭北高校
        

清田新井投手

恵庭佐々木投手

元祖人間ブラスバンド
清田が初めてやったって
知っていました?!
千歳市民球場にて、高校野球夏の大会、地区予選が開かれた。
夏の大会は今回が初めての観戦。早いものでもうこの時期だ!
札幌の最高気温は26℃の予想。
車を走らせ、千歳に行くと札幌の暑さが全くない。
距離的には近いのに、こうも温度差があるのか・・7・8度は違う。
球場に着くと、半袖では寒い。震えながらの観戦となった。

清田高校は、我が母校。
かれこれ20年前に卒業したのだが、ユニホームは同じ?!
久しぶりの母校の観戦。試合前に校歌を歌っていて懐かしかった。
清田高校の現在の監督は、田口さん。
当時、自分が1年生で田口さんは3年生。
あと二回勝てば甲子園までいった一番強かった時代の主将。
l公立高校ではあるが、人数は結構多いチームだ。
その中でも、いかにして競争し意識をぬるま湯から熱湯に変えていくか。
意識の向上なくして、チームの飛躍はない。

一方、恵庭北高校は、臼井監督率いるチーム。
臼井さんは、近年知り合った方だが、熱血な指導者だ。
数年前はグランドにも足を運んだことがある。

さて、試合は、恵庭先攻、清田後攻で行われた。
清田の先発は、新井君。遅いカーブとスライダーを織り交ぜる。
ストレートは125ぐらい。勢いより制球タイプか。
恵庭の先発は、佐々木君
。同じような感じではあるが、
投げ方に特徴がある。腕の使い方が変則。打者にとっては少々見づらい?

初回、恵庭、試合直後の初球、一番打者の山口君がライトにヒット。
試合開始後の動きにくいとこではあるが、積極的に打っていった。

投手は、
「無難に自分有利に」と思いがちなので初球は大チャンス。
よって、積極的に動いた山口君が素晴らしい。
その山口君を2番打者がきっちり送る。WPが絡み、1死三塁。
3番打者のショートゴロの間に生還。1点先制した恵庭。
この1点が終盤まで重くのしかかる・・・

恵庭の佐々木君は、立ち上がりからスイスイいっている。
二回清田の打者は外野寄りの内野フライで
全力疾走しない。
フライでガックリくるのは分かるが、まだインプレー中。
アウトが確定になってからガックリするなら分かるけど、
二塁まで到達できる走塁が欲しいところだ。
相手はその走塁で焦り落とすこともある。
走塁にスランプなし!

5回、恵庭、先頭打者が出塁。清田は先頭打者を5機会で3出塁。
苦しい展開が続く。四球で、無死1・2塁にして2番打者を迎える。
「点数入りそう・・」と思いきや、バントの時にサードへ封殺。
投手の思い切ったフィルディング。その後守備も盛り立てる。
セカンド後方の打球で、セカンドが背面キャッチ。
プロでも難しい飛球。アクロバットキャッチでピンチを凌ぐ。

こうなれば、通常は、清田の流れになっても良いものだが、
佐々木投手が丁寧なピッチングで清田打線を6回まで1安打。
両チームきびきびとした動きで、見ている人に心地よさが広がる。


7回裏、清田はチャンスをつかむ。
1死から、5番吉田君がライトオーバーの三塁打。
1死3塁で、同点のチャンス。恵庭内野陣はマウンドに集まる。
次打者の6番後藤君の前の打席の三振が気になる。
あまり良い内容じゃない見逃し三振。本人も悪いイメージだろう。
早いカウントで追い込まれる。
スライダーを開いてスイング。右方向に飛球イメージが基本だが・・
2−1に追い込まれる。監督のサインは「スクイズ」。
良い選択だったと思う。
しかし、投球は低めのスライダー。一番やりにくい球が来た。

「ファール」

万事休す。スクイズ失敗でアウトとなった。ヘッドが落ちる難しい球。
偶然だろうが、バントの時の心得、バッチリ合わさった投球。
本当に強いチームであれば、この失敗を次打者がカバーするのだが、
なかなかそうもいかない。この回無得点。清田にとっては無念。
でも、まだ1−0で来ている。まだ二回ある。

しかし・・・

野球とは心のスポーツ。心の動きが体の動きに大きく左右する。
チャンスで最後に凡退したのは、投手の新井君。嫌な予感・・・

ピンチの後の先頭打者。これが大きく試合を左右する。
カウントを悪くする新井君。心の動きが現れたか・・・。
新井君は、良い変化球を持っているが、制球に難があった。
投げ方を観察すると、かかとに体重がかかり体の使い方はドア。
この辺が
制球を乱す原因に違いない。

0−3にしてしまい、1−3からヒットで出してしまう。
バントでしっかり送り、1死2塁の絶好のチャンスを迎えた恵庭。
四番打者にバントをした臼井監督。5番打者が奮起する。
右中間に三塁打。待望の2点目。大きい2点だ。
精神的にがっくりくる失点に違いない。
選手が余計な先読みをするであろう失点。
案の定、三塁手が牽制時によそ見。牽制の球が転々と転がる間に1点。
ここから、堰を切ったように恵庭打線が猛攻を仕掛ける。

タイムリーの雨あられ。一挙8得点の猛攻。
失策気味の判断ミスもあったが、勢いを止められない清田。
怒涛の攻撃の最中に清田内野陣を観察。
やはり、前の回みたいな声のかけかたがなくなっている。
大波に飲み込まれた状態になる・・・

8得点取られたが、最小限に抑えられたに違いない。
ちょっと「糸が切れた凧」みたいにかわいそうだがなっていた。

しかし、後輩よ。
我ら先輩は、過去


9回5点差を6点とってサヨナラ勝ちした経験


がある。
それも格上と見られていた私立の古豪、東海第四高校にである。
野球はゲームセットまで終わらない。何が起きるか分からないのである。
でも、自分達が先読みして「厳しいかな」「難しいかな」と思えば、
逆転する可能性は「0」になる。
相手は勝ったと思う。そこに活路があるのだ。
悲しいかな、この試合は9−0の8回コールドで幕を閉じた。

今日は、改めて
「心の動き」が野球に占める割合が高いことを知った。
1歩間違えば、どっちが勝っていたか分からない展開。
恵庭高校は、最後までスキがなかった。お見事。
臼井監督の尽力の賜物だろう!

負けてしまった清田。ベンチ前で泣いている姿が印象的だった。
「俺は3年間、やり残したことはなかったのか」
「悔いの残らないプレーができただろうか」

様々な思いがよぎるだろう。

人間は唯一過去を悔いることが出来る動物。
その失敗の経験を、次回に活かせる。
後輩よ、この失敗を今後の人生に活かせ!人生はまだまだ長い・・・