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平成18年07月4日  北海高校 vs 東海第四高校
        
この1戦は見逃せない。札幌の地区予選Dブロックの代表決定戦。
古豪同士の戦いになる。古豪ではあるが、監督は若い。30台の指導者の対決。
東海の監督は、エントモのNTT北海道時代の後輩にあたる大脇氏。同じ元捕手である。

先攻は東海、後攻は北海で試合開始。
東海は、右の本格派の茂木投手。体も大きく、130中盤の球速が武器。落ちる球もある。
北海は、左の軟投派の獅子内投手。小柄ではあるが、コントロールでかわすタイプ。

2回、北海は、4番プロ注目の板井君(二年生)がセンター前で出塁。
その後、四球を挟んで、バントで1死2・3塁。
ここで、茂木投手は、低めに球を集め三振。しかし、捕手が前に弾いてしまった。
すると、すかさず走者が本塁へ突っ込んできたが・・・

「アウト」

このプレー、
走者が手から滑っていった
手から回り込もうと思った瞬間に、走力が緩くなりアウトに。
ベースに対して真ん中に足からいけば、間違いなく余裕のセーフ。痛いミスがでた。
打者は振り逃げになったので、2死1・3塁と場面は変わる。打者は7番打者。

カウント2−1

えっ?なんで?
茂木投手が一塁へ牽制。それも大暴投。そして三塁走者が生還。北海1点先制。
なぜ投げたのだろう?しかもあんなに速い牽制を。ちょっと「?」な牽制。

3回、東海は、先頭の飯島君が四球で出塁。次打者がバント失敗。痛い。
チーム力が均衡している場合は、こういった細かいミスが命取りになる。
前の回に投手のミスで失点しているだけに、ここはきっちり流れ的に決めたかった。
結局、失敗した直後にヒットが出たものの、点数には結びつかなかった。

3回裏、面白い光景に遭遇。2番加藤君の打球は、すごいライナー。ライトに飛んだ。
ライトは迷わずに、ファーストに送球。アウト!ライトゴロ成立。
少年野球では良く拝見するプレーだが、良すぎた・・・

中盤、東海の打線は獅子内君を攻略できない。
チーム的に何かを徹底してという感じには見えなかった。
個人の技術や体は、東海の方が一枚うわてに見えたが、うまく機能していない。
大きな体の選手も、キレた動きには程遠い。コンディショニング等の問題もありそうだ。
NTT時代の後輩が現在の監督をしているが、
メンタリティ、野球メンタルを重視するべき。
素材をいかすためには、技・体以外ということをしっかり認識する必要がある。
しばらくは、厳しそうだな・・・の感。個人的に頑張ってほしいものである。

6回の東海の攻撃。
先頭の2番堂端君が、一塁方向にうまいセフティバント。
成功し、ようやく東海はチャンスを掴んだか、と思いきや・・・

「アウト」

の判定。は?たぶん、ジャッジは一塁ラインの内側を走ったからであろう。
ここで苦言。一塁方向のセフティで打者が一番前に立っていた場合は、どうしても
ラインの内側を走ってしまう。これはどうしようもない。
ルールでいけないというのは簡単だが、そこをきっちりジャッジするのはいかがなものか。
これが捕手が送りバントの時、一塁に送球しようとした瞬間に、内側を走り妨害したので
あれば、当然、それはアウトだろう。しかし、この場合は、投手も野手も取れなかった打球。
ルールで試合を止めるのは見栄えは良いが、
疑問の大きく残るジャッジ

死球へのジャッジについても同様のことが言える。
打者が逃げないで、ボールの判定が多すぎる。色んな解釈があるが、個人的にはこう考える。
技術的には、投手がそこに投げれないから悪い。死球は死球。
高校野球だから、フェアプレーに欠けるとの意見もあるだろう。
でも、それが野球。打撃技術的にも、逃げると、次回以降の自分の打撃に大きく影響する。
腰を引くと、次球以降の自分の振り方に影響してしまうのだ。
百歩譲って、死球じゃないとしよう。でも球審が「逃げなさい」はおかしい。
こういったジャッジが横行すれば、逆にバッテリー的にいえば、
いやらしい野球になる。
詳細は記載しないが、当たった当たらないでのジャッジではなく、見た目の球審の判断に
よっての可否は「×」。
学校の先生が審判をすること自体の問題になってくる。

東海は、このジャッジが大きな分岐点になる。
8回表、東海は北海内野手の失策から先頭打者を出す。
バントで送ろうとするも、獅子内君が、セカンドに思い切った送球。アウトにする。
終盤で、消極的にアウトをひとつ取りにいくところ、積極的に動いたのが素晴らしかった。

このプレーから試合は大きく動く。
8回裏、北海は1死から2番加藤君が初球のストレートをコンパクトに振り抜く。
ソロ本塁打となり、2−0とする。5番佐藤君もバックスクリーンに2ラン本塁打。
4点差とする。

北海は、
バントの守備機会で積極的に動いたおかげで、試合の流れを有利に動かした
常々言っているが、守備機会でも試合は動かすことができる。
特に相手が動いてきた時が大チャンス。バント、スチール、エンドラン・・・

9回、代打攻勢で三者凡退となった。
最終回の東海の代打が気になった。まだ一回あるのに、勝負を諦めたのか?
よく高校野球で見られる最終回の温情代打は、お勧めできない。
あくまでもゲームセットまで、諦めないことが本当の野球での教育。
温情で出させるのが、
「あきらめない」ということを教えることになるのだろうか?
野球を通して、どんな状況でも最後までやり抜き、諦めない心を培うのが野球。

と、思わせるもの、東海の3番打者、4番打者の中軸に代打を出したから。
最後の夏だけど、
出場できなかったのはそれまでの自分の努力が足りなかったから
本人も認識済みだろう・・・。
3・4番以上に「期待できたから」代打に送った。
と思いたい。そうあって欲しい。
チームの内情は計り知れないが、4点は諦める点差じゃない。
エントモ自身が、高校時代に9回5点差をひっくり返した。
その相手であったのが、東海大四だった。
野球は最後のアウトが完成するまで分からない。
勝てると思った瞬間に油断してマイナス方向にいくことが多い。

この試合で、バントの大切さを再確認。
そして、何よりも「諦めない心」を作ることが指導者にとって大切なことと感じた。