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平成18年07月4日  札幌日大高校 vs 札幌光星高校
        
札幌支部の決勝、札幌日大と札幌光星の試合を観戦。
札幌日大は、前監督の時は結構通っていた。が、今は監督が変わられてから疎遠。
最近の彼らの試合を見ると酷評ばかり続く。能力があるのに全く歯車がかみ合っていない。
野球は技術力だけじゃ勝てないのは明白。チーム的に、ひとつの目標に全員が向いているか。
これが大切なのに・・・

光星の試合は初めて見る。どんな試合運びをするのか楽しみに観戦するとしよう。

日大先攻で試合が始まった。両校とも全校応援だ。力が入っている。
気温は25℃近く上がってきた。麻生球場は、日差しを遮るものがないので丸焦げ必至。
今日の先発は、日大黒滝投手。140の速球が武器。バリエーションを考えるとまだまだ。
プロ注目の記事が先行しているが、現時点の力では難しい。
素材的には申し分ないが、今現時点での入団は本人にとってもかわいそうと感じる。

光星の先発は、柳原投手。右サイドから結構良い球を投げている。
ストレートはシュート回転し、打者の工夫が攻略の条件か・・・。

先頭の中屋君・佐藤君・間取君が三者三振。柳原投手は絶好の立ち上がり。
ここで、左打者が3三振。工夫が全く見られない。「はまるな・・・」と直感。

その裏、光星は先頭の岡田君が四球で出塁。ここで光星の取った作戦は、強攻・三振。
結果云々じゃなく、相手が好投手なのに送らずに強攻。

首をかしげる。
強者への奇襲ならば、無いこともない。でも、普通に策無しで三振。意味が分からない。
しっかり送るべきところで送るチームが最近少ない。
何をイメージし、何の組織力を持って、どういうプランで試合をしているのか見えない。
そんなチームが増えている。野球という競技の特性をしっかり把握しなければいけない。

「調子野球」

不確定なもの(調子)に頼る野球は弱い。しかも確率的にもっとも悪い野球。
野球は確率のスポーツをいう人もいる。それを無視して戦うことのリスクは、このホーム
ページの愛好者であれば、気づいているに違いない。

先頭の四球から、三振・5ゴロ・三振。初回無得点。流れが悪すぎる。
二回、案の定、日大は、1死から三連打で2得点。
左打者が逆方向にヒット2発。悪くない内容のつなぎの野球。やるな日大。
でも、ここからが続かない。この回は、もっと大量点が取れた。
スチール失敗が余計だった。動かなくていい場面で動いて失敗。
相手が勝手に崩れてくれるところで、立ち直る原因を与えてしまった。
相手内野手の失策もあったが、攻めきれない。痛恨の2点どまり。

3回裏、光星の攻撃。
先頭が黒滝君から初ヒット。黒滝君を見ると、コントロールが悪い。
力みからだろうか、上体が開いて早く倒れる投げ方になっている。
当然のごとく、右打者のインコースには投げ切れない。しかも変化球の曲がりも早過ぎる。
いつもならキレのある変化球を振らせるのだけれど、光星打者のバットが止まる。
2点ビハインドで、続く打者。ん?強攻・ファーストゴロ。
ここで、一緒に見ていた人と顔を見合わせる。お互いが同じことを考えている。
次打者四球、続く三番太田君がレフトにヒット。
レフトが、消極的な動き。待って取ろうとしている。

・・・

イレギュラーバウンドで転々とする。その間に2者生還。2−2同点。
積極的守備をなぜしないのか?やるべきことをしっかりやれていない日大。

4回表、日大は1点を取る。その裏、光星は1死から死球で出塁。
8番打者なので、送ると思いきやまたもや強攻。ボテボテの投手ゴロ。
黒滝君が焦って、一塁に大暴投。野球に失策はつきもの。

えっ?

カバーリングがいない。転々とする間に走者生還。唖然とした。野球が甘い。軽い。
続く2死1・3塁で、スチールした瞬間に捕手はセカンドへ送球。
三塁に首ひとつ振らずに投げる。当然のごとく狙っている三走がホームへ。
中途半端なカットをして、走者をホームに入れてしまった。軽い・甘い。

ま、いいだろう。
しかし、声を大にして言いたいのは、このシーンだけじゃないこと。
カバーリングが全くされていない。適当に走っていたり、はなから走らない。
いつから日大の野球は、こんなになったのか?180度昨年と違う。
カバーリングは、どのチームでもやろうと思えば出来る。
何も選手に150キロ投げろとか、東京ドームのバックスクリーンに入れろとか言って
いるのではない。誰にでも出来ることなのだ。

4−3で光星が逆転に成功。

5回終了し、日大打線は三振10個。
左打者の三振が7個。柳原君が飛び切りの球を投げているということではなく、
日大打線がおかしい。腰を引いて逆方向という意識が全く無い。

苦言で終わりそうなので割愛しよう。
結局、試合は5−3で光星が勝利。
両チーム内容は「×」である。バントをしない光星、カバーをしない日大。
見ていて野球が荒くて、ドキドキしない試合だった。教訓のひとつにはなる試合。

「こうしちゃいけない」

という典型的な試合。スタンドに観戦していた人は、そう思っていたに違いない。
日大の夏は終わった。終わるべくして終わった。
人は言うだろう、この試合が番狂わせだって。そうは思わない。
やるべきことをしっかりやらないと、野球は勝てない。そんなスポーツ。
春勝ったとか、良い投手がいるとか、足の速い選手がいるとか。
そんなのは勝つ絶対要素にはならない。ひとつの要素なだけ。