泣いても笑っても、もがいても最後の都市対抗になったNTT北海道。
会社の方針で休部になる。休部とは聞きばえは良いが、事実上の廃部。
エントモ自身が在部中にも休部ということは何回も話があがっていた。
チームが弱くなった、老齢化との理由が指摘されているが内情は違う。
クラブチームとはいえ、会社が「やめる」といえばその一言で潰れる。
目先経営者や、頑張れない北海道の管理者による結末。
クラブ経営に関しても、悲劇が生まれている現状がある。
長年やればやるほど、本人にとってはマイナス要素が多くなる。
第2の人生の方が長いので、
在部中にしっかりとした育成プランが不可欠。
野球だけしていれば、野球に集中したいとの考えは「×」
これだけ会社のメリットがあると明示しないで、続けたいは「×」
練習時間を長くすればすれほど自分の首を絞めていることに気づかなか
った。と、個人的に思う。
NTTも含めて、現在、プロ的に進めているスポーツ(野球以外含む)
で選手の為の育成プログラム(業務の)がしっかり成されている会社は
少ない。勤務時間は、雑用や未来展望のない業務をこなしているのが現
状。プロ野球もそうだけど、選手寿命が尽きた時に、いかに生きていく
かがスポーツ界において大きな課題となる。
まだまだ現場レベルが低い。この問題が解決できないと、企業的にも
「やめる」「メリットがない」に行き着く。
昔みたいにたくさんの人材を採用できない昨今において、
目先の人件費、人材の問題が企業的には大きな課題。
解消するためには、育成機関の充実、選手・組織の意識改革が鍵。
そのすべを持っていないスポーツチームは今回のように簡単に消える。
よって、今後は、消えていく。
サッカーもプロ野球も、着手しているようだけど実際は遅れている。
日本のスポーツが衰退しないよう、何か手を打たないといけない時期。
今日の試合、
NTT北海道としては負けたら事実上の全国の道が絶たれる。
先発はエース森広投手。言わなくてもやる練習の虫。
室蘭先攻で始まった。
小雨のぱらつく中、NTTの社員が多数球場に来ていた。
応援団も最後の声援をおくる。気合の入ったスタンド。
先頭の白川がサードライン際にゴロ。サードの高橋が横っ飛び。
必死感が伝わる。内野安打にはなったが、場内盛り上がる。
初回を切り抜け、NTTの攻撃開始。
先頭の船尾が、カウント1−3から「カキーン」
ライトに先頭打者本塁打。今大会、1次予選にて肉離れしたらしい。
一番のリードオフマンが大事な試合で本塁打。頼りになる選手だ。
彼は、新日鉄室蘭からクラブチームに移行する時に移籍してきた選手。
NTTにとっては欠かせないベテランになった。
二回、NTTの攻撃、2死1塁で船尾にまた回ってきた。
「カキーン」
なんとバックスクリーンに2ラン本塁打。
過去、NTTには春木さんという強打者がいた。
チームが「何とかして欲しい」と思った場面では
常に結果を出してくれた人。
現役を引退される試合では、打ち直し本塁打など伝説に残っている人。
この船尾の2発は、心に刻まれる本塁打になった。
二回終了、3−0NTTリード。
室蘭は、主軸投手の故障など響いて、投手陣が苦しい。
久々に室蘭を見たが、知らない選手がたくさんいた。驚き。
4回、室蘭の攻撃。
3・4・5番打者が連続ヒット。2点とって1点差。無死1塁。
強攻してしまった。3連続凡打で追いつけなかった。
室蘭にとっては、このイケイケの時に、
しっかり送れなかったのが分岐点。
嫌なNTTのムードに強攻策はNTTにとってみたら「ありがとう」。
結果論じゃなく、進め方に問題があった。
逆にNTTも同様の場面が多数あった。バントの場面で強攻。
結果的に良い方向にいったから、目立たなかったけどどうだろう。
力が均衡、もしくは相手が上回っている場合に関しては難しい。
バントで送るという行為は、流れや展開を考えれば大切な道具。
と、いうのも、相手が嫌がる(バッテリー)作戦なのだ。
強攻してくれる方が、バッテリーとしてはやりようがある。
バッテリーが意図して攻めれば、
ゴロを打たせて芽を摘むことができる。
強攻とは、大きなリスクを抱えた作戦なのだ。
奇襲や意外性の作戦として使うなら、効果は絶大だが・・・
船尾三打席目。0−3から一塁に痛烈な打球。
アウトにはなったが、心得ている。さすがベテラン。
0−3から動いたのは大きい。
今日は彼に神が降りていた。
ファールにはなったが、本塁打性のファールもあった
(ほんの数十センチ)
集中力がすごいね。大舞台で結果の出せる選手だ。
ん?でも自チームの東京ドームでは打てないけど、
補強じゃ活躍?(笑)彼には東京でまたプレーさせてやりたいなぁ。
9−3でNTTの勝利。
力に大きな差があった試合だった。
社会人野球は駆け引きがあって面白い。
レベルが高いので見ていて面白い。
(一昔前から考えれば、かなりレベルは低下しているけど)
室蘭は、守備位置での徹底がイマイチだった。
守備位置によるヒットもあった。細かい野球を突き詰める必要がある。
試合途中、死球連発で、選手らが詰め寄るシーン。
この位、「かけて」やっているのが都市対抗。
今日のNTTをみると、昔の都市対抗を思い出した。
憂愁の美を飾ってほしいNTT北海道。
50年の歴史を感じながら、選手は日曜日に決戦を迎える!
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