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平成18年07月21日  北照高校 vs 函館有斗高校
        

植村投手(北照)

吉田投手(有斗)
今日の第一試合は、道南の雄、函館有斗高校と、北照の戦い。
朝早くから、円山球場にお客さんが集まっている。
高校生の一生懸命プレーする姿に魅了されているのだろう。
会社をさぼって見にきているスーツ姿の会社員もちらほら。
今日は日差しが強くて、数日前の雨模様がうそのような一日。

北照先攻で始まった試合。
函館の先発は、絶対的エースの吉田君。いい体をしている。
球速は常時130前半だが、コントロールが良い投手だ。
初回、内野の失策で出塁を許し、4番植村君との対決。
遅い球を引っ掛けさせる好投。

北照の先発は、プロ注目の植村君。快速球が武器だ。
先頭を切った後に、連続死球でピンチを迎える。
ここで、4.5番が凡退。くれたチャンスをものにできなかった。
同じような実力同士の試合は、相手のミスにつけ込めるかが左右する。
もらったチャンスを活かされば流れは大きくくるし、
チャンスをものにできなければ、逆に相手に流れがいく。

二回北照。
先頭の5番米倉君が初球のカーブを引っ張って二塁打。
しっかり送りたいところ。しかし、バントが小フライとなる。
痛いバントのミス。
練習では簡単にできるだろうが、プレッシャーがある時、普段どおりに
することは難しい。普段の練習の仕方が大きなポイントになる。
後続が絶たれ、流れは函館に傾く。

二回函館。
不用意に投げたカーブを渡部君がレフトに二塁打。
1死ながら大きなチャンスを得る。2死になり9番岩崎君が四球。
2死1・3塁で、植村君はスライダーを引っ掛けてしまった。
ワイルドピッチで3塁ランナーホームイン。函館1点先制。
2死からだったので痛い失点だ。
植村君は、初回から142キロを計測するなど、まずまずの走り。
しかし、細かいコントロールに課題が残り、適度に荒れている。

三回函館。
先頭の2番遠塚谷君が内野安打で出塁。またもやチャンス。
しっかり送りたいところ。
初球、北照守備陣は、ピックオフプレーを仕掛ける。
1・3塁手がホームに走ってセカンドが一塁に入るパターン。
すると走者が飛び出し、捕手からの送球に刺殺。
久々にひっかかるのを見た。函館にとっては大きなミス。
たたみかける場面で、自ら失速。こりゃ痛い。

吉田投手を観察すると、コントロールが安定しているので、連打を
食わない。130前後だけど、しっかり投げ分ければ抑えられる。
北照打線は、引っ掛けることが多く、思うようにいかない様子。

北照は守備のミスから、近年チャンスを逃してきた。
今日も、内野のミスが出てしまう。消極的ミスが原因だ。
内野がミスをしても今日の植村君は、踏ん張った。
函館のまずい攻撃にも助けられたが、なかなかの成長ぶり。

7回まで1−0で函館がリードしていて、8回北照の攻撃。
先頭には今日2三振の谷内田君が打席に入る。
過去2打席の内容は、あまり良くない。
簡単に2ストライクと追い込んだ。パターン的にはスライダー。
もちろん、吉田君もスライダーを選択。
すると・・・

「ボム」

スライダーが抜けて、背中に当ててしまった。痛恨の死球。
ここで、考えられるのは、
1・8回というイニングで球数的に疲労がきている回だった。
2・雰囲気のない打者に対し、追い込んで油断した。
3・三振狙いで、力みから開いて投げて抜けてしまった。

2−0から勝負であの場面問題はないが、「空振り」をイメージする
のではなく「引っ掛けてゴロ」をイメージすると違う結果だっただろう。

この死球が、この試合を決めてしまった。
あと6人。油断しやすい8回。乗り越えればなんとかなるものの、
山場は8回に来たのだった。

もらったチャンスをしっかり送り、1死2塁。2死までいく。
ここで、一番北照の吉田君は、初球をレフトに逆らわずにヒット。
同点となる。
ここで止めたいところだったが、「1点で逃げ切ろうとしていた」ので、
投手の気持ちの切り替えがつかない。植村君も好投し、1点を取りづらい
状況の中、バッテリーは「しまった」の気持ちが大きかっただろう。
案の定、入り方が今までと違った。
2番市橋君は、三塁打にて逆転。連打・連打・・・
5連打で5連続タイムリー。一挙5得点。
好投していた吉田投手は、ファーストストライクを叩かれていた。
打たれた後は、甘くなりやすく、打たれるべくして打たれていた。

5−1北照勝利。
甘い球を逃さなかった北照打線。我慢比べに勝ったという感じ。
函館は、うまく進めれば勝てた。
終盤のセオリー、カウントのセオリー、打たれた後のセオリーが分かって
いれば勝てたと思う。大波に流されない方法を身につけなければ、
もう1歩先にはいけないと思う。

ひとつの死球から、勝利をものにした北照。次の試合は王者駒苫。
良い勝負になるのではなかろうか。
北照は、ミスのない試合をしなければ王者に跳ね返されるだろう。

夏の北海道大会も終盤に差し掛かった。
どこのチームが、甲子園に乗り込むのか・・楽しみだ!