今日の第一試合は、道南の雄、函館有斗高校と、北照の戦い。
朝早くから、円山球場にお客さんが集まっている。
高校生の一生懸命プレーする姿に魅了されているのだろう。
会社をさぼって見にきているスーツ姿の会社員もちらほら。
今日は日差しが強くて、数日前の雨模様がうそのような一日。
北照先攻で始まった試合。
函館の先発は、絶対的エースの吉田君。いい体をしている。
球速は常時130前半だが、コントロールが良い投手だ。
初回、内野の失策で出塁を許し、4番植村君との対決。
遅い球を引っ掛けさせる好投。
北照の先発は、プロ注目の植村君。快速球が武器だ。
先頭を切った後に、連続死球でピンチを迎える。
ここで、4.5番が凡退。くれたチャンスをものにできなかった。
同じような実力同士の試合は、相手のミスにつけ込めるかが左右する。
もらったチャンスを活かされば流れは大きくくるし、
チャンスをものにできなければ、逆に相手に流れがいく。
二回北照。
先頭の5番米倉君が初球のカーブを引っ張って二塁打。
しっかり送りたいところ。しかし、バントが小フライとなる。
痛いバントのミス。
練習では簡単にできるだろうが、プレッシャーがある時、普段どおりに
することは難しい。普段の練習の仕方が大きなポイントになる。
後続が絶たれ、流れは函館に傾く。
二回函館。
不用意に投げたカーブを渡部君がレフトに二塁打。
1死ながら大きなチャンスを得る。2死になり9番岩崎君が四球。
2死1・3塁で、植村君はスライダーを引っ掛けてしまった。
ワイルドピッチで3塁ランナーホームイン。函館1点先制。
2死からだったので痛い失点だ。
植村君は、初回から142キロを計測するなど、まずまずの走り。
しかし、細かいコントロールに課題が残り、適度に荒れている。
三回函館。
先頭の2番遠塚谷君が内野安打で出塁。またもやチャンス。
しっかり送りたいところ。
初球、北照守備陣は、ピックオフプレーを仕掛ける。
1・3塁手がホームに走ってセカンドが一塁に入るパターン。
すると走者が飛び出し、捕手からの送球に刺殺。
久々にひっかかるのを見た。函館にとっては大きなミス。
たたみかける場面で、自ら失速。こりゃ痛い。
吉田投手を観察すると、コントロールが安定しているので、連打を
食わない。130前後だけど、しっかり投げ分ければ抑えられる。
北照打線は、引っ掛けることが多く、思うようにいかない様子。
北照は守備のミスから、近年チャンスを逃してきた。
今日も、内野のミスが出てしまう。消極的ミスが原因だ。
内野がミスをしても今日の植村君は、踏ん張った。
函館のまずい攻撃にも助けられたが、なかなかの成長ぶり。
7回まで1−0で函館がリードしていて、8回北照の攻撃。
先頭には今日2三振の谷内田君が打席に入る。
過去2打席の内容は、あまり良くない。
簡単に2ストライクと追い込んだ。パターン的にはスライダー。
もちろん、吉田君もスライダーを選択。
すると・・・
「ボム」
スライダーが抜けて、背中に当ててしまった。痛恨の死球。
ここで、考えられるのは、
1・8回というイニングで球数的に疲労がきている回だった。
2・雰囲気のない打者に対し、追い込んで油断した。
3・三振狙いで、力みから開いて投げて抜けてしまった。
2−0から勝負であの場面問題はないが、「空振り」をイメージする
のではなく「引っ掛けてゴロ」をイメージすると違う結果だっただろう。
この死球が、この試合を決めてしまった。
あと6人。油断しやすい8回。乗り越えればなんとかなるものの、
山場は8回に来たのだった。
もらったチャンスをしっかり送り、1死2塁。2死までいく。
ここで、一番北照の吉田君は、初球をレフトに逆らわずにヒット。
同点となる。
ここで止めたいところだったが、「1点で逃げ切ろうとしていた」ので、
投手の気持ちの切り替えがつかない。植村君も好投し、1点を取りづらい
状況の中、バッテリーは「しまった」の気持ちが大きかっただろう。
案の定、入り方が今までと違った。
2番市橋君は、三塁打にて逆転。連打・連打・・・
5連打で5連続タイムリー。一挙5得点。
好投していた吉田投手は、ファーストストライクを叩かれていた。
打たれた後は、甘くなりやすく、打たれるべくして打たれていた。
5−1北照勝利。
甘い球を逃さなかった北照打線。我慢比べに勝ったという感じ。
函館は、うまく進めれば勝てた。
終盤のセオリー、カウントのセオリー、打たれた後のセオリーが分かって
いれば勝てたと思う。大波に流されない方法を身につけなければ、
もう1歩先にはいけないと思う。
ひとつの死球から、勝利をものにした北照。次の試合は王者駒苫。
良い勝負になるのではなかろうか。
北照は、ミスのない試合をしなければ王者に跳ね返されるだろう。
夏の北海道大会も終盤に差し掛かった。
どこのチームが、甲子園に乗り込むのか・・楽しみだ!
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