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平成18年07月22日  鵡川高校 vs 駒大岩見沢高校
        

鵡川村上投手

敗戦後の鵡川の涙

岩駒、久々の4強か・・
鵡川といえば、強打がイメージされる。
岩駒の相性で北海道で親しまれている駒大岩見沢は、ヒグマ打線。
両チーム、カラー的には「打」のチームである。
細かい野球より、豪快に打ち勝つ野球。
水ものといわれる打線に頼るのは、なかなか難しいところだ。

岩駒は、優勝候補の一角、札幌第一を破って勢いにのっている。
その原動力になったのは二年生投手の白崎投手。
右の長身から投げ下ろす球は威力があり、角度もある。

鵡川は、初戦に函館工業を僅差で下し、継投で勝ちあがった。
二番手の左腕藤島投手が完璧な火消し。

1回表岩駒、三番打者が内野に高いフライ。
ん?
走らない。がっくりきて抜いて走っている。いいのかそれで?

1回裏鵡川、先頭の佐藤君が内野失策で出塁。
2番打者バントのそぶりなし。そして四球。
鵡川の野球は、打て打て野球。もう見ていて慣れてきた。
3番打者無死1・2塁で強攻。驚きません。結果併殺。
もらった無死の大きなチャンスを逃す。驚きません。

2回表岩駒、1死から二塁打で出塁するものの、投ゴロで飛び出す。
どうも岩駒、
走塁がしっかりしていない。大きな課題だ。
打つ野球をとやかく言うつもりはないが、走ることはやろうと思えば、
どのチームでも出来る。一生懸命に走れば、相手も慌ててミスをする。
走塁の判断も試合の中では、大きなウェートを占める。
その後、死球をもらい、一番渋谷君が二塁打。先制した。

岩駒の白崎君は、真上から130前半の切れのある球を投げ込んでいる。
(この日のマックスは、135キロ)
微妙なコントロールはないけど、たての変化と横の変化を使う投手だ。

4回表岩駒、先頭打者がレフトに大きな当たり。
1塁ベースを回った時に
「ガッツポーズ」。えっ?頭越えただけだよ。
ワンバウンドでフェンスに当たった。余裕で二塁に到達したが、
インプレー中にガッツポーズ。理解出来ない。うれしいのは分かるけど。

次打者の白崎君が左中間に連続二塁打。
また2塁ベース上で
「ガッツポーズ」
鵡川野手がリレーの途中なのに、終わってもいないのにガッツポーズ。
プレーが終わってからなら分かる。まだ終わってないのに・・・閉口。
ガッツポーズ自体は悪くない。
表現を表に出すこともチーム的には必要な時もある。
でも、プレー中は論外。
この後、二死から2塁走者がヒットで帰って来れない。
走塁が甘い、甘すぎる。シャッフルも甘いし、意識も甘い。
あれじゃ、1本のヒットで帰って来れない。本日三回目の閉口。

このプレー以外にも、「ガッツポーズ」インプレー中に。
多すぎて書ききれない。一緒に観戦した人と目が合う。
みな、スタンドは同じような感覚だったに違いない。

5回表岩駒、先頭がヒットで出塁し、バントで送りチャンスを広げる。
二死から7番吉田君が今日3本目の長打を右中間に放つ。
二者生還し、4点目が入った。
鵡川の外野は、右中間から三塁にリレーしているのにカバーしていない。
両チーム
カバーリングを見ていると、甘く、していないことも多い。
もしリレーや送球が乱れたら、即得点という守備ぶり。
もう少し、細かい野球をしていかないといけないと感じた。

鵡川打線は、4回まで2併殺。送るという文字など存在しない。
5回初めて強打野球が実を結んだ。1死からタイムリーで2点。
なおも・・・って時に今日3つ目の併殺。スタンドでは罵声が飛び交う。

5回終了、4−2で岩駒がリード。
ちょっと予想しない展開になった。白崎君の荒れ球をとらえきれない。
大味な試合になった。2点差なので、ワンチャンスで逆転できる。

終盤、7回岩駒は惜しい攻撃があった。
先頭打者を出塁し、次打者がバスター、サードライナーで併殺。
その直後に三塁打。野球ってこんなもんだ。
8回も、バントで送れずにチャンスをつぶす。

鵡川は、8回裏にチャンスがめぐってきた。
二死ではあるが、二死1・3塁のチャンス。岩駒の守備体型を見た。
2点差なので同点ランナーの1塁が大きなポイントになる場面。
バッテリーは、牽制もしないで
フリーパスで盗塁される。
ここは、二塁ランナーと勝負する場面。
スコアリングポジションに進めると、一打同点になってしまう。
どうしても避けたい場面で、何も手を打たない。なんで?

結局後続は断たれたが、疑問の残る守備だった。
逆に鵡川は、ここ1本が出なかった。
鵡川は、内野ゴロでアウトになった打者走者が全力でベンチに戻る。
「元気」「全力疾走」は素晴らしく思えた。

鵡川の二番手左腕、藤島君はマックス135キロ。
しかし、常時120後半。かかと体重になっている分、力が伝わらない。
フォーム修正し、変化球の精度を上げれば、秋の目玉か・・・。
4−2で岩駒が逃げ切った。

両チーム、もっと点数が入ってもおかしくない展開だった。
荒い攻めと、攻めきれない打力でロースコアのゲームになった。

野球に、失策はつきもの。
その失策を予測して、守備はカバーリング、攻撃は全力疾走。

これができるかどうかが、ステップアップできるかどうかの試金石。
ちょっと荒さが目立った試合であった。
岩駒は、勢いがある。第一・鵡川を撃破してベスト4。
次戦は、同じくのっている札幌光星との戦いである。
勢いが両チームあるが、緻密なプレーの積み重ねをするチームが
勝ち上がってくるに違いない。色々な意味で楽しみな1戦になる!