鵡川といえば、強打がイメージされる。
岩駒の相性で北海道で親しまれている駒大岩見沢は、ヒグマ打線。
両チーム、カラー的には「打」のチームである。
細かい野球より、豪快に打ち勝つ野球。
水ものといわれる打線に頼るのは、なかなか難しいところだ。
岩駒は、優勝候補の一角、札幌第一を破って勢いにのっている。
その原動力になったのは二年生投手の白崎投手。
右の長身から投げ下ろす球は威力があり、角度もある。
鵡川は、初戦に函館工業を僅差で下し、継投で勝ちあがった。
二番手の左腕藤島投手が完璧な火消し。
1回表岩駒、三番打者が内野に高いフライ。
ん?走らない。がっくりきて抜いて走っている。いいのかそれで?
1回裏鵡川、先頭の佐藤君が内野失策で出塁。
2番打者バントのそぶりなし。そして四球。
鵡川の野球は、打て打て野球。もう見ていて慣れてきた。
3番打者無死1・2塁で強攻。驚きません。結果併殺。
もらった無死の大きなチャンスを逃す。驚きません。
2回表岩駒、1死から二塁打で出塁するものの、投ゴロで飛び出す。
どうも岩駒、走塁がしっかりしていない。大きな課題だ。
打つ野球をとやかく言うつもりはないが、走ることはやろうと思えば、
どのチームでも出来る。一生懸命に走れば、相手も慌ててミスをする。
走塁の判断も試合の中では、大きなウェートを占める。
その後、死球をもらい、一番渋谷君が二塁打。先制した。
岩駒の白崎君は、真上から130前半の切れのある球を投げ込んでいる。
(この日のマックスは、135キロ)
微妙なコントロールはないけど、たての変化と横の変化を使う投手だ。
4回表岩駒、先頭打者がレフトに大きな当たり。
1塁ベースを回った時に「ガッツポーズ」。えっ?頭越えただけだよ。
ワンバウンドでフェンスに当たった。余裕で二塁に到達したが、
インプレー中にガッツポーズ。理解出来ない。うれしいのは分かるけど。
次打者の白崎君が左中間に連続二塁打。
また2塁ベース上で「ガッツポーズ」。
鵡川野手がリレーの途中なのに、終わってもいないのにガッツポーズ。
プレーが終わってからなら分かる。まだ終わってないのに・・・閉口。
ガッツポーズ自体は悪くない。
表現を表に出すこともチーム的には必要な時もある。
でも、プレー中は論外。
この後、二死から2塁走者がヒットで帰って来れない。
走塁が甘い、甘すぎる。シャッフルも甘いし、意識も甘い。
あれじゃ、1本のヒットで帰って来れない。本日三回目の閉口。
このプレー以外にも、「ガッツポーズ」インプレー中に。
多すぎて書ききれない。一緒に観戦した人と目が合う。
みな、スタンドは同じような感覚だったに違いない。
5回表岩駒、先頭がヒットで出塁し、バントで送りチャンスを広げる。
二死から7番吉田君が今日3本目の長打を右中間に放つ。
二者生還し、4点目が入った。
鵡川の外野は、右中間から三塁にリレーしているのにカバーしていない。
両チームカバーリングを見ていると、甘く、していないことも多い。
もしリレーや送球が乱れたら、即得点という守備ぶり。
もう少し、細かい野球をしていかないといけないと感じた。
鵡川打線は、4回まで2併殺。送るという文字など存在しない。
5回初めて強打野球が実を結んだ。1死からタイムリーで2点。
なおも・・・って時に今日3つ目の併殺。スタンドでは罵声が飛び交う。
5回終了、4−2で岩駒がリード。
ちょっと予想しない展開になった。白崎君の荒れ球をとらえきれない。
大味な試合になった。2点差なので、ワンチャンスで逆転できる。
終盤、7回岩駒は惜しい攻撃があった。
先頭打者を出塁し、次打者がバスター、サードライナーで併殺。
その直後に三塁打。野球ってこんなもんだ。
8回も、バントで送れずにチャンスをつぶす。
鵡川は、8回裏にチャンスがめぐってきた。
二死ではあるが、二死1・3塁のチャンス。岩駒の守備体型を見た。
2点差なので同点ランナーの1塁が大きなポイントになる場面。
バッテリーは、牽制もしないでフリーパスで盗塁される。
ここは、二塁ランナーと勝負する場面。
スコアリングポジションに進めると、一打同点になってしまう。
どうしても避けたい場面で、何も手を打たない。なんで?
結局後続は断たれたが、疑問の残る守備だった。
逆に鵡川は、ここ1本が出なかった。
鵡川は、内野ゴロでアウトになった打者走者が全力でベンチに戻る。
「元気」「全力疾走」は素晴らしく思えた。
鵡川の二番手左腕、藤島君はマックス135キロ。
しかし、常時120後半。かかと体重になっている分、力が伝わらない。
フォーム修正し、変化球の精度を上げれば、秋の目玉か・・・。
4−2で岩駒が逃げ切った。
両チーム、もっと点数が入ってもおかしくない展開だった。
荒い攻めと、攻めきれない打力でロースコアのゲームになった。
野球に、失策はつきもの。
その失策を予測して、守備はカバーリング、攻撃は全力疾走。
これができるかどうかが、ステップアップできるかどうかの試金石。
ちょっと荒さが目立った試合であった。
岩駒は、勢いがある。第一・鵡川を撃破してベスト4。
次戦は、同じくのっている札幌光星との戦いである。
勢いが両チームあるが、緻密なプレーの積み重ねをするチームが
勝ち上がってくるに違いない。色々な意味で楽しみな1戦になる!
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