試合開始前の恒例
香田監督が投げる(練習)
挨拶を終え、決戦だ!
最終的な指示
試合開始!
大魔神 田中投手
好投手 植村投手(北照)
147キロ!
試合終了!田中君完封
1安打が目立つ
あとひとつ、アルプスに!
疲れたでしょう〜
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朝8時半に円山に到着すると、約800名の行列。
やはり本日が、この南大会の天王山ということを知っている。
開場を30分早め、9時には門が開いた。
人づてに聞くと、最前列の人は、朝4時頃から並んでいたらしい。
恐るべし・・・
試合前の展望はこうだった。
駒苫が万が一苦戦するパターンは、ロースコア。これしか考えられない。
田中投手が万全な状況で、大量点は考えにくい。
北照が先攻を取った。
北照が、じゃんけんに勝って先攻を取ったなら素晴らしい。
駒苫が勝って後攻か。どっちなんだろう・・・
田中投手の初球、145キロ。今日も腕が振れている。
先頭打者への3球目、147キロ。
先頭打者から、トップスピードで投げれる選手は少ない。
気持ちの部分が腕の振りを左右する。
その気持ちの持って行き方が、普通の選手じゃない、怪物だ。
どんな速い球を投げる投手でも、大事な本番では調子を崩す。
その原因を理解しない、そこを見ない投手に未来はない。
心技体が徐々に融合してきた田中投手。末恐ろしい気さえする。
先頭打者を三振。2番打者に死球、そしてバント成功。
いきなり4番植村投手とガチンコ勝負。
カウント2−3までもつれ、最後に投げ込んだのは渾身の内直球。
「見逃し」
手が出なかった。コースは入っている。ジャッジはボール。
あれは真後ろから見ていたが、ストライク。手が上がって良い球。
あれを取らないと、ハッキリいって投手が死ぬ。
しかし、その不利なジャッジにもめげずに、5番米倉君を三振。
ピンチを迎えたが、攻める投球で切り抜ける。
1回裏駒苫の攻撃。
植村君も、141キロの初球で、調子の良さが伺える。
しかし、先頭から制球難を露呈する。岡川君に四球。
二番の三木君には、バントのやりづらい球を投げ込み失敗させる。
ワイルドピッチで無死2塁に進塁させるも、3者凡退に打ち取る。
北照は、チャンスの後のピンチを凌いだということで、流れに押し
流されるのを防いだ。投手戦の予感。
2回以降両投手が持ち直す。
4回、北照は5・6番の二死からの二連打でチャンスを掴むが0点。
田中投手は、140中盤の球をビシバシ投げ込む。
個人的な目では「大きな課題」も見つかる。
明記しないが、これを修正しないと、夏の甲子園では厳しい。
植村君は、田中君を上回る6個の三振ショー(4回まで)。
緊迫した試合になってきた。駒苫はまだノーヒット。
5回表北照の攻撃。
こういった展開では、ひとつのミスが致命傷になる。
9番柏君のショートゴロに、三木君が反応する。
難しい打球。流れ的に失策できない展開。
その状況下で、さばいたことは試合を動かす要因になる。
ついに試合が動いた。
5回裏駒苫の攻撃。
6番三谷君が四球。しかし、鷲谷君が送れない。
バントのミスが目立つ駒苫。近年を考えると珍しい。
駒苫に流れが来ないかな・・・と思った瞬間に、北照のミス。
植村君がワイルドピッチで一挙三塁まで進塁を許す。1死三塁。
駒苫は絶好のチャンスをもらった。このチーム、相手のミスは逃さない。
8番山口君が、左中間真っ二つの三塁打。待望の1点。
その後、スクイズを外して、植村君も踏ん張る。
今日の投げ合いを見ると、延長再試合もあるかなと思わせる前半。
中盤の良い所で1点入る。田中投手にとっては、1点で十分か。
大きな山は、6回に来ると思った。
この回を乗り切れば、今日の調子なら何とかなりそう。
山だと思った理由は、二つある。
・2点目のスクイズが外されて、北照に流れが動きかけている。
・5回終了でグランド整備が入りしばしの中断後の立ち上がりだから。
この二点を考えると、駒苫にしてみれば、注意しなければいけない。
6回表北照。
先頭の2番市橋君を、サードゴロに打ち取る。
これは、大きい!先頭打者を許さないのが鉄則。
1死から、大きなプレーがあった。
3番の岡田君がライトオーバーの打球。一塁を回って二塁へ。
駒苫は、いつもやっているリレーでセカンドに送球。
ロスのない中継は、いつもやっていること。
北照の岡田君が二塁を回った時に、少しオーバーラン。
セカンドでタッチアウト!大きなプレー。
田中君からの初の長打を無駄にしてしまった。
それにしても、駒苫の守備(捕る以外の動き)は徹底して鍛えられている。
選手が練習で、考えるプレーを常に実行する。
それがこういった試合で、当たり前のようにでる。驚きより納得。
4番植村君に対し、力んだ分、制球が甘くなり芯を捕らえられる。
しかし、内野安打で終わり、この危ないイニングを0で乗り切る。
北照ヒット5本と、駒苫ヒット1本。得点は、1−0駒苫。
駒苫が、持ち前の守備で、守りきっている展開だ。
終盤、香田監督のうまさも目立つ。
こういった均衡したゲームでは、いかにしてスコアリングポジションに
走者を進めるかが大切。強攻策は、あくまでもレア。
スチール・エンドラン・バント・バントエンドラン・・・
カウントによって様々な進塁策があるが、それをうまく操っていた。
両投手を観察してみよう。
田中投手は、この試合、気合入りまくりでほぼ140台のストレート。
前回の試合では、148がマックスだったが、今日は147。
でも、その147を連発している。終盤になっても球速は落ちない。
ドラフト1位で消える選手は違う・・・
植村投手は、抑えてはいるが、彼のベストじゃないと思った。
真後ろからの観戦だったが、甘い球が結構ある。
球速も130後半がアベレージ。植村君が良いというより、駒苫打線が、
打ち損じているといったほうがしっくりくる。
しかし、打ち損じをさせているひとつの要因は、植村君の気持ちか。
気持ちの入った投球は、甘い球でもなかなか打てないもの。
エントモ自身の数々の経験を思い起こしても、「気持ち」というスパイス
は投手にとって、大きな武器になる。
スピードガンの数値じゃなく、指先にどのように力が伝わるかが大切だ。
8回裏駒苫の攻撃。
先頭の山口君に対し、植村君はストレートの四球。悪い癖が出始めた。
9番小林君が、二球連続バントファールの後に3バントの成功。
ようやくバントが決まる。すると面白いもの。
野球ってつくづく流れを感じる。
流れって色々な解釈があるけど、投手にかかるプレッシャーっていうの
が大きな要素。「ワンヒットで1点」これが頭に描がかれるだけで
投手のコントロールが微妙に狂ってくる。
だから、近年、強攻する監督が多いが、この辺の「プラス材料」が理解
できないのだろう。投手・捕手出身じゃない方には分からないかな・・
投手にかかるプレッシャーだけじゃなく、捕手へも圧力はかかる。
配球が変わったり・・・様々な変化が出てくる。
(あまり、秘策を公開するといけないので、ここまで)
1死2塁から、四球・ワイルドピッチ・四球で1死満塁。
大きなピンチを招く北照。3番中澤君を迎える。
サードライン際に痛烈なゴロ。捕ればダブルプレーだった。
ここで、痛いミス。近年、北照は痛い守備のミスに泣かされてきた。
今日の試合も、手痛いところで出てしまった。
野球は失敗のスポーツ。失策は仕方がない。
しかし、勝負になると、ミスしたほうが負ける場合が多い。
2点追加。3−0。
今日の田中君にしてみれば、1点で十分なところ、3点は安全圏。
8回になっても147を計測。平成の怪物君。
9回表、北照最後の攻撃。
先頭の植村君を本日二つ目の四球で歩かせる。
野球は最終回が一番難しい。
心の揺れと、体の疲れがピークなのと、失点要素が多い回だ。
サードの三谷君のところに難しい打球が行くがジャックルしてもアウト。
守備の差が垣間見れた瞬間だ。守り抜いた試合。結局3−0終戦。
牽制ミス、守備的ミス、ワイルドピッチ、走塁ミス、これらに泣いた北照。
ミスがなければ、延長再試合になったかもしれない。
でも、好ゲームだった。今大会一番の好試合。
北照も悔いがないといえば嘘になるだろうが、ある程度納得かも。
134球。田中君が完投勝利。ひとりで投げ抜いている南大会。
課題・修正点も見えた試合だったので、収穫ありか。
春の不祥事で悔しい思いをしてから、まだ数ヶ月。
ここまで、チームが結束して試合が出来るものか。頭が下がる思い。
また、監督以下スタッフも、それなりの目に見えないぷれっしゃーと
戦っているに違いない。でも、それを払拭するかの快進撃。
改めて敬意を表するとともに、今年もあの感動をもう一度!
今日の観客は1万をゆうに超えている。
北海道の野球ファンは、明日の熱戦も期待している。
相手は、札幌光星高校。ミラクルで勝ち上がったチーム。
駒苫のシナリオは、まだ道半ば。今年の夏はどのような夏になるのか・・
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