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平成18年07月25日 駒大苫小牧高校 vs 札幌光星高校
        
夏の甲子園、北海道予選。今日が最終日。
駒大苫小牧高校と、札幌光星高校が甲子園への一枚の切符をかけて激突。
これまでの戦い。両チームとも、凌ぎを削っての決勝戦。
駒苫は、準決勝で北照高校と熱戦。光星は、駒大岩見沢との接戦を制した。
王者駒苫と、ミラクル光星。どちらも素晴らしいチームの対決だ。

争点は、光星が駒苫田中投手を打ち込めるか。
光星の柳原投手(サイドスロー)を駒苫打線は打ち返せるか。この2点だ。

初回光星は、1・2番を簡単に取られ、3番太田君がセンターにクリーンヒット。
札幌円山球場に来ている24000人の観客が、「おー」と盛り上がった。
田中投手は、連投にも関わらず、140キロを軽く超える速球で4番打者を三振。

初回駒苫は、1番岡川君が、ライトに三塁打!逆らわない打撃でスタート。
2番の三木君の内野ゴロの間に、先制。二人で1点あげる電光石火ぶり。

勢いは止まらない。
駒苫は、好投手柳原君に襲いかかる。
サイドスロー攻略のお手本みたいな打撃。4回までに6得点。完全に駒苫ペース。
柳原君は、前日までの球威は影を潜めたが、好投手に変わりはない。
駒苫打線が上をいっているという印象。

昨夏の優勝の立役者のひとり。鷲谷君もようやくスパーク。
二打席連続の本塁打。気合が打球に乗り移ったような気がする。
結局、11−1の大差で甲子園を決めた駒苫。4年連続の出場を決めた。

今日の田中投手。前の試合の課題を修正する素晴らしい投球。
いくつ三振取っただろう。三振よりも内容が連投にしてはまずまず。
この全道大会で「課題」は浮き彫りになったので、甲子園ではまた大きなことをしてくれそう。
春の甲子園を出場辞退してから、数ヶ月。
監督以下、選手は大きく揺れた数ヶ月だったに違いない。
あまり強いと周囲の風当たりも強いことだろう。
その逆境の中での、4年連続甲子園。全国制覇に匹敵する快挙である。
素直に、その成果を称えよう。甲子園でも活躍を期待する。

一方、甲子園まであとひとつに迫った札幌光星高校。
地区予選で札幌日大を撃破し、波にのり、数々のチームと激戦を戦ってきた。
「やればできる」ということを証明してくれた。
一生懸命にする姿、グランドを駆け抜ける姿、共感を覚えるシーンも数多くあった。
また、柳原投手の力投も素晴らしかった。
サイドスローから、135キロのキレのある球、そして大きく曲がるスライダー。
田舎の中学から、勉強と野球を両立しに札幌へ出てきた。
最後の夏に、これだけの活躍。今後の人生に大きく役立つ何かを学んだに違いない。

今大会、野球の質の「濃淡」が目立った。
うまい下手ではなく、一生懸命に頑張るチーム。
ある程度技術は他より秀でているけど、一生懸命じゃないチーム。
野球を通して何を学んでいるか、考えさせられた大会でもあった。

この夏、北海道は白樺学園と、駒大苫小牧が甲子園へと駒を進めた。
2校以外の三年生は、高校野球を引退した。
この夏、その三年生達は納得して去っていったであろうか?悔いはなかったか?
この苦い経験を今後の人生に役立てて欲しい。

駒大苫小牧高校!甲子園でも大暴れして欲しい!!!