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平成18年08月15日 駒大苫小牧高校 vs 青森山田高校
        

今日も球場で観戦

よっしゃ!

岡田投手が先発!

中盤で練り直し!

田中君も打で貢献

本間君もハッスル!

芸術的本塁打!

みな、大興奮!

すごい死闘。歴史的逆転!

校歌二回目

監督も感慨深げ

また甲子園で試合できる!
南陽工業から数日。
1回戦は勝ったものの、課題も多く見つかった。
田中投手を筆頭に、野手のメンタル的なことを含め課題は多い。
野球とは「一致団結」「一体感」がなければどんなに力があっても、
勝利することは難しくなる。
言葉では4文字、3文字で片付けられる。
しかし、実行するのは非常に難しい・・・。

田中投手の復調は、チームにとっては生命線。
でも、それ以上に周囲の力が大切だ。
野球は、ひとりでやるものではない。9人でやるのでもない。メンバー18
人だけか?そうでもない。野球部員、周囲の方々、応援してくれる人、
すべての方々が一緒になって戦う。戦い方は様々でも、
同じ方向を向けば、
大きな力は絶対に出る。過去二年で学んだことだ!

青森山田は、光星学院を破って甲子園に来た。野田投手を中心に、機動力を
活かし、監督の戦術も臨機応変で掴みようがない。レベルの高いチームだ。
その山田は1回戦で延岡学園を「今大会初完封勝利」で勝ち上がってきた!
よく観察すると、レベルがかなり高い。一番の近藤選手、大きな体をしてい
る中西選手、そして一番気になったのは6番本田選手。手強い・・・

野田投手、観察すると、切れの良いスライダーが大きな武器。
駒苫打線は、あのスライダーで苦戦するかも・・

駒苫今日の先発は、岡田投手。
調子も上がってきて序盤から飛ばしたいところだ。
岡田投手が投げた初球、125キロストレート空振り!試合が始まった!
先頭の好打者近藤君を内野フライに抑え、その後、三人で終える好投。
初甲子園のマウンドにしては堂々とした振る舞い。
バックネット裏から目を細めて観戦。

試合が動いたのは2回。
青森、先頭の4番松本君が2−1と追い込まれて四球を選ぶ。
四球は、野球では良い方向にいかない。打たれたほうがいい・・・。
大東君が確実にバントで進める。青森の形が出来た。

好打者本田君。駒苫にとっては厄介な打者。
甘いストレートを左中間に二塁打!1点先制する。
その後、ヒットを打たれ、スクイズ失敗を誘うも、走者2人。
二死ながら嫌な展開。9番の野田君に回ってきた。
近めのストレート・・・「カキーン」

レフトスタンドに吸い込まれる。3ラン本塁打。4点先制。
動揺した岡田投手は、死球・内野安打で無念の降板。
二年生投手菊地投手にスイッチ。ピンチを切り抜ける。

駒苫もその裏2回。
二死から鷲谷君が、ライトに本塁打。すぐ後に取り返すのはすごい。
北海道大会から好調を維持している鷲谷君。

しかし、青森の勢いは止まらない。3回も猛攻が待っていた。
内野安打で先頭を出し、バントで送る。その後、またもや本田君。
一塁強襲のタイムリーヒット。5点目。
さすがに、香田監督も我慢できずに、田中投手をマウンドに送る。
バントを決められ、二死2R。その後、ポテンヒット打たれる。
痛恨の6点目。6−1の駒苫ビハインド。

青森4回、先頭が四球。バント&ワイルドピッチで1死3R。
3番中西君が、強烈なライナーの外野フライで犠牲フライ。7点目。
一方的な展開になってきた。田中投手からも得点を重ねる青森。

この辺で北海道民は
「今年は無理かな・・」と思い始めただろう。
しかし、駒苫は背負っているものが違う。岡田君&菊地君も必死に
なってチームの為に何とかしようと頑張った。田中投手だけに頼らずに
一体感を持ち始めた。反撃の狼煙は、劣勢でも上がろうとしている!

駒苫の反撃が始まったのは、6回から。
甲子園での大逆転劇の始まりだ。ここは甲子園。円山じゃない。
その大舞台での逆転劇。この展開で誰が予測できただろうか?

6回駒苫。
中澤君がライトに二塁打。今日二本目のヒット。振れている。
4番本間君がセンター前に転がす。1点。7−3になった。
三谷君も右中間に、うまく追っ付けて打った、お手本の打ち方。
7−4、三点差。

7回駒苫。
二死から三木君がライトに二塁打。つられたように中澤君が左中間に。
7−5、二点差。つまってきた。何かを期待させる流れ。
駒苫に一気に流れかけているが、青森も踏ん張る。
田中投手から8回2本のヒットで1点返す。8−5

8回駒苫。あと6個のアウトをどう使うか・・・。
前の回に、野田投手は内野ゴロでダブルプレーに。一塁まで全力疾走。
この走塁が、自信のコントロールを乱す。先頭の田中君に四球。
三谷君凡退、鷲谷君ヒット、山口君2点タイムリー、小林君タイムリー
一挙三点!8−8、奇跡の同点。下位打線で追いついた。

9回青森。
先頭の近藤君が、レフトに二塁打。先頭打者が出る青森。
バントで進められて、2死までこぎつけるものの、
田中君の初球チェンジアップを大東君が仕留める。9−8青森。
誰しもが、「この1点は痛い」と思ったに違いない。

エントモ自身、甲子園で観戦していたが、周囲を気にせずにここまで
くると球場で立ち上がっていた。そして、彼らの活躍に涙する。
初めて、人がやっている野球を見て泣いた。
昨年、一昨年の優勝でも泣かなかった。でも、今回の頑張りには泣けた。

9回駒苫。
選手は諦めてない。
監督も選手を信じ、選手も仲間を信じ、選手は自分
を信じて
の9回。ここから奇跡は起こった。
1死から中澤君が、プロ顔負けの同点本塁打。
この本塁打を、宿舎に帰ってからビデオで確認したが、すごい神業。
少し腰を後ろに引いて、スペースを作って、内からバットを出している。
二回やれっていっても無理。あの場面で、あの甲子園でやる神業。
打撃の神様が、彼に、駒苫に降りてきた瞬間だ。
2死になり、誰もが「延長戦」を意識したとき(相手も思っただろう)
田中君が、センターに打ち返す。2死1R。
6番三谷君が、左中間に大飛球。田中君が一気に生還。サヨナラだ!
田中君のスライディングを見ると、直線状に一気に体を張っての走塁。
自分が投手ということを忘れて、必死な走塁。
一気に感情を爆発させる駒苫。優勝した時のような歓喜。
球場も、終盤、何かを期待しながら、徐々に盛り上がる・・・。
それに答える駒苫の野球。もう、涙が止まらなかった。

試合を冷静に振り返ると、
駒苫のプレーのハイレベルぶりが目立つ
例えば、投手がセカンドに牽制した瞬間に、捕手は三塁に走る。
ファーストは、ホームベースに走る。カバーリングが徹底している。
そういった細かい野球の積み重ねが、彼らの野球。
香田監督も出来ることを徹底するといった野球。出来るようで出来ない。

選手の個々の失敗を、皆でカバーし合った試合。
前の試合では、バラバラになりかけていた駒苫。一気に一体感が戻る。
甲子園では、臨機応変にチームを進化させていかないと天下は取れない。
技術力だけじゃ勝てないのが野球。また、目のあたりにして学んだ。

みんなすごい。田中投手もまだまだだけど、148キロと復調。
今日の試合で、青森山田は、強くなると思う。絶対に強くなる。
この悔しさは、代々語り継がれるだろう。
これだけは言える。過去2年も含めて、かなり力のあるチームだった!

感動をありがとう。感謝、感謝、感謝。