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平成18年09月24日 NTT北海道 vs JR北海道
        

北海道最後の試合

エース森広

大活躍の山内

ベテラン船尾

NTTベンチ上の応援

乱闘一歩手前

大逆転に歓喜

諦めない!!!
社会人野球日本選手権大会の北海道代表決定戦。
今大会で廃部を表明しているNTTの北海道最後の試合。
50年の歴史を閉じる。
過去、エントモも現役時代、他チームの終わりを見てきた。
大昭和製紙白老が無くなり、新日鉄室蘭、拓銀も破綻し、最後には王子
製紙苫小牧も無くなった。途中サンワード貿易が新星のごとく登場し、
あっという間に去っていった。
この先、数十年は社会人野球が活発になることはないだろう。
NTTも瀬戸際で踏ん張ってきたが、今日が幕引きとなる。
16年間お世話になった野球部がなくなるのは、寂しい限り。

今日の相手は、JR北海道。
都市対抗で苦汁を飲まされている相手。
夏は、NTTが勝ちを相手に渡してしまった感じでの敗退。
今回は、最後のリベンジなるかという試合になった。

JR北海道の都市対抗の全国大会の試合を見た。
成熟されていないチーム、チームとしての形がまだ出来ていないと思った。
昔の5強時代を思い浮かべると、程遠い。
全国では、しばらく勝ちきれないなと思う内容だった。
様々なところから選手をとり、若い力のある選手を採用しているけど、
大事な試合で、その力を発揮する状況になっていない。
それはなぜか?たまたま発揮できないのか?違う。
メンタリティーな部分が成熟していないのだ。
技術力だけでは勝てないのが、社会人野球。

見た目、練習で打っている。本番打てる保障はない。
速い球を投げる。本番で打者を抑える絶対的条件ではない。


ようは、本番で必ずコンスタントに活躍できるメンタル、手法を持ち合わせ
ていないから調子野球で負ける。テンションだけでは勝てない世界だ。
それが社会人野球。

試合が動いたのは2回。左のエース神田投手からNTT4番山内が本塁打。
2−3のカウントからうまく右手でねじ込んだ本塁打。
今大会、本塁打を量産している山内。打撃の神様が降りているか・・。

3回NTT。
無死1、2塁から船尾がバントで送り、柿原が犠牲フライ。2点目。

NTTエース森広も調子は悪そうだけど、それなりに投げている。
ピンチは4回裏にきた。
1死満塁。ここで考えられないプレーが起こった。
打球は低いライナーで、セカンドに飛ぶ。
セカンドは、一度捕球したが、落として一塁に送球。
一塁手はダブルプレーだと思い、マウンドに球を転がす。
その球を審判が拾い上げる・・・。
JRの走者もダブルプレーだと思い、三塁走者もホームベースを踏まずに
ベンチに戻る。すべての人たちがダブルプレーと思い、両チームベンチに
引き上げる。

が、しかし・・・

審判団が集まり、協議している。
そして、話し合った後に、「1点を認め、2死2、3塁から始めます」。
と球審がアナウンス。な、なんで?
確かに、ホームも踏んでいないのに得点されるのはおかしい。
NTTベンチから罵声が飛ぶ。どう考えてもおかしい。
マイクで説明しているが、ルールブック何点何に書かれている何項を摘要
し、得点を認めますのアナウンス。

観客に納得するような説明じゃない。そのルールブックを読めよ!
でも、結局、2死1、3塁での(1得点)開始になった。


その後、流れはNTTからJRに傾く。
5回JR。
先頭打者が出塁し、次打者がバント。森広がセカンドに投げない。
聞くところによると、前の試合などで、フィルディングでミスっている
らしい。アウトのタイミングだったが、セカンドに投げなかった。
いや、投げれなかったのか・・・案の定、その後得点を許す。
こういった試合では、過去を振り払って積極的に攻め続けなければ、
プラスに転じない。スタンドから見て、なぜ投げない?と思った。

6回NTTの攻撃。
死球からチャンスを掴む。
社会人野球は、「命をかけた戦い」大袈裟ではない。その位の覚悟で
ぶつかっている。死球を当てられたら、投手に詰め寄る。
何個も死球を当てられると乱闘になりかねない。
そのアクションで投手も微妙に心が揺れる。
若い投手ほど揺れる揺れる。勝手に自滅しているJR投手陣。
捕手も若く経験がない分、展開で投手に指示が出来ていない様子。
投手が良い球投げても、操る捕手に問題がありそうだ。
判断力、配球、洞察力・・・すべてがアベレージ。
東京ドームでも、一発を浴びていたが、あり得ない配球で打たれていた。

7回JRの攻撃。
死球と皮切りに、JRも反撃開始。
一気に4得点し、4−6と逆転に成功。NTTはあと2回の攻撃がある。
今夏の試合を見ていると、8、9回は揺れる。試合が動く時。
諦めないチームは、この回に逆転している。
特に最終回の3つのアウトは、一番試合の中で難しい。

8回に一点返して、5−6。最終回に託すNTT。
50年の歴史をここで幕を閉じるのか、大阪まで繋ぐのか・・・。

9回NTTの攻撃。
考えられないプレーが連続する。
まずは、先頭のセカンドゴロを、失策。何の変哲のない打球を失策。
高校野球なら分かる。社会人でのあの失策はない。あり得ない。
船尾が送って、一打同点にする。当然の策だ。
その後、内野安打。そしてまたセカンド方向のゴロ。

・・・

セカンド送球が、ねっぱって失策。あり得ない失策。
山内が右中間にヒットし、後藤が満塁本塁打。一挙7点。ミラクル。

選手が一丸となって、諦めない泥臭いNTTの野球をやりきった。
球場は歓喜に包まれる。憂愁の美を飾るNTT北海道。
球場に足を運んだNTT関係者、野球部OB、社員が抱き合う瞬間。
胴上げでは、すべての選手がひとりひとり空を舞う。
そして、今までの苦労を労うような時間が過ぎた。

NTTよ、大阪で暴れてこい!
会社に対しての様々な思いは、今日でお仕舞い。
野球が出来なくなることに対して、何を言っても始まらない。
これからの大阪は、自分達が楽しむことを第一にやればいい。
本気野球を楽しみ、そして心に刻むことだ。
11月中まで、心の整理をしながらその時を迎えればよい。
ベテラン勢、若い選手、みな一緒。楽しんできて欲しい。
そして最後には「やりきった!」という笑顔で終えて欲しい。
勝ち負けはどうでも良い!

それにしても、企業チームでこれから牽引していかないといかないJRに
課題は多い。必死感が伝わらない。これはどの試合を見ても感じること。
テクニックじゃなく、テンションでもない。
何が足りないのか考える時期だろう。
技術を向上しても勝てないと感じた。
どうすればそれを補えるか・・。自分達で気づかないといけない。
残るJRに頑張って欲しい。北海道社会人野球の火を燃やし続けなくては!
その使命感を胸に飛躍して欲しい!!!

NTT北海道の北海道での歴史に幕を閉じた。
もう北海道で戦うことはない。
円山球場で様々なドラマが繰り広げられた。
例をみない逆転劇、プレーオフに強かったNTT、拓銀との死闘・・・。
始まったものは、いつかは終わるもの。

その終わりを喜びで終えられたのは素晴らしいことだ。
NTT野球部に感謝。


NTT北海道 011002017  12
JR 北海道 000110400   6