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平成18年10月15日 駒大岩見沢高校 vs 旭川南高校
        

北海道の秋の陣も今日で最後。
高校野球秋の大会は、駒苫が不在の中、乱戦模様でスタート。
力量上位と思われた北海高校が初戦で散る波乱。
新チームでも主力が残っていた北海道栄も敗退。どこが勝ってもおかしくない。
決勝に残ったのは、駒大岩見沢と、旭川南。

旭川南は、以前、学校に足を運んだことがある。
小池監督が体調不良で体にムチ打って頑張っていたのを思い出す。
「子供達のため」という姿勢に感銘を受けたのを覚えている。

この大会、一試合も見れなかったが、今日テレビ観戦ということで実現。
初回、両チームの投手を見ると、「おっ、いいね」と感じた。
旭川南の投手は、左腕で「見づらそう」な投げ方。腕が遅れてくる。
打者にとっては速く見えているに違いない。しかもカーブは大きい。好投手だ。
立ち上がりを見ていると、高めに球が浮いている。
ここをしっかり岩見沢は対応できていなかった。
高目をブンブン振って、相手投手を楽にしていた。
目線を下げて、組織的に攻略すれば結果は違ったような気がする。

岩見沢の投手は、背番号11。
ストレートのキレとスライダーが武器の投手。
この投手も球が高い出だし。「危ないな・・・」と思いながら見ていた。

三回試合が動く。ワンチャンスを岩見沢がものにする。
ストレートが多かった序盤、そのストレートを、1・2・3で打ち返された。
岩見沢が1点先制。
その直後、旭川は、2死から足を絡めた。1・3塁から重盗。
岩見沢の捕手が、ストライクの判定にこだわり自分のキャッチングに意識が集中。
その間に、DSを敢行した走者に対し、セカンドに投げてしまった。重盗成功。
あのタイミングで投げたらノーチャンス。
打者は4番だったので、スチールされても、くさいところついて5番勝負でもOK。
事前の頭の整理が出来ていなかったのだろう。一発勝負、予測・予想は大切だ。

重盗が成功し同点で、2死2塁。バッテリーに余裕がない。
4番打者にまともにいって痛打。タイムリーを浴びる。2−1旭川逆転成功。

4回、岩見沢は先頭打者が出塁。大チャンス。
そこで、走者はエンドランか何かでスタート。打者は空振り。
すると、走者は諦めて2塁に滑らない。スタンディングでアウト。
滑れば色々なことが起きるのに、諦める走者。見て愕然とした。考えられないプレー。
結局得点ならず。このプレーが旭川を勢いづける。

4回、旭川は先頭打者がセンターオーバーの二塁打。大チャンス。
バントの場面だが、ファールで失敗し、2ストライクに追い込まれる。
小池監督は、下手なバントより進塁打を選ぶ。
ここで、投手はエース白崎投手。ここで目を疑う・・・。

守る立場からすれば、セカンド方向への打球は、最悪。
配球を観察していたが、考えられない配球をする。
遅い球をインコースに投げるバッテリー。目を疑った。
打者がファールを重ねて事なきを得ていた。それでも、インコースに変化球を要求。
カーブを行くなら外が定石。左打者にとっては外から回ってくるカーブを9方向に
打つのは至難の業。近めはイージーだ。その球を選択している。おいおい・・。
粘って最後に選択した球。

インコース真っ直ぐ。

はい、簡単に一塁ゴロ。進塁打。ベンチは大喜び。
1死三塁で、内野ゴロの間に1点。防げた失点だ。もったいない。
この序盤の1点が岩見沢の焦りに繋がる。

ボールを振り出す打線。途中から効果的に旭川投手も変化球を使い出してきた。
岩見沢としたら2点差しかないのに、限りなく遠く感じる2点だっただろう。
結局、3−1で旭川南が勝利。

両チームの投手は好投手。しかし、持ち球の使い方に大きな課題が残る。
白崎投手、いいねカーブが。あのカーブは伸ばして欲しい。大きな武器だ。
打線は、両チームとも課題は山積みだ。
打ち方や待ち方、まだ秋なので来春までスキルアップが必要だろう。

優勝監督インタビューで、小池監督は、

「明日からまたすぐ練習です」

場内の笑いを誘っていた。選手も苦笑い。
旭川南高校おめでとう!念願の甲子園だったに違いない。
小池監督も体調不良を押しながら、子供達のために頑張っている。
やはり素晴らしい指導者の下で、苦労が報われる光景はいいものだ。
心からおめでとうと言いたい。

岩見沢は、惜しくも敗戦。でも、この悔しさをバネに頑張って欲しい。
人は失敗から、敗戦から大きく変わっていく。だから今がチャンスだ!