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平成19年03月27日 旭川南高校 vs 創造学園大附高校
        

昨年の甲子園の写真
春の甲子園。

北海道代表の旭川南と長野の創造学園が対戦。
両チームとも左腕のエースが中心となる守りのチームか。

初回旭川、2番打者が四球。その後牽制で誘い出されて走塁死。
当然、走ると予測してきてるところ、立ち上がりを焦りから憤死か。

創造のエース赤羽君。STは125キロ程度だが変化球が多彩。
右打者に投げるスクリューと、外に投げるフォーク。
攻略的要素は大きくあるものの、天然攻めのチームなら凡打の山か。
丁寧に投げていて、コントロールも良い。高めに浮かない投手。
たぶん、打たれる時は「高めに浮く」時だと感じる。

初回創造、1番林君が初球打つ。アウトだったが攻めの気持ちはいい。

旭川南のエース浅沼君。STは120キロ後半。大きなカーブが武器。
特にカーブは90キロ台で落差も大きい。
投げ出す足がインステップして、打者からすると「見づらい」だろう。
しかし、インステップは体が疲れてきたら悪さをする。
連投の時、ここって時の「1球」が不安である。

その浅沼君。2回ストレートを多目に組み立てる。
捕手の判断、投手の判断で「走っている」との感覚か。

3回旭川の攻撃。

四球・バント・3方向のゴロで、2死3Rとする。チャンスだ!
一番打者の田中君(左)は0−3となった。

0−3 ストレート Wait
1−3 ストレート バントの構えでWait
2−3 難しい変化球を引っ掛ける

ここで感じたこと・・・

もったいない。
赤羽投手は、変化球も鋭く高校生じゃなかなか打てない部類に入る。
好投手を攻略するためには「与えられたチャンス」にどれだけ積極的
に攻めれるか否か。結果は二の次。
自分から動くことが必要条件!

0−3からGOである。エントモならそうしている。
2回までの彼の投球を見て「好投手」と判断すべきだった。
好投手の0−3からの棒球を・・・。うーん、残念!

マウンドさばき、変化球の精度、ストレートの高さ、いい出来だ。
旭川の打者の見極めが悪い。
右打者は入りのスクリューと外フォークを開いてスイング。届かない。
右方向&打つポイントがしっかり明確ならば、ああいうスイングには
ならない。技術力じゃなく、徹底力に欠ける一面を見る。

そこを見ると、見極めがつきやすい。内も外も意識があると・・・
どっちかを消さないと、対応できない球種を要している赤羽君。

一方の浅沼君。
序盤はカーブが少なく組み立てているものの、中盤からカーブ。
いい感じの組み立てだ。

5回創造。5番の赤羽君がそのカーブを狙い打ち。
0死1Rでバントで送る。
バントの場面で浅沼君のスピードが5キロ〜7キロ落ちる。
バントのしやすい死に球になっている。決められる。
1死2Rで7番の配球に注視。

外のストレートを右方向にヒット。タイムリーだ!

ここでバッテリーとして気をつけるのは・・・
打者がどう考えているかを考えることである。
そこが想像できれば、組み立ても浮かぶ。

「右方向に!」

ほとんどの打者は考える。しかも右の7番打者。
すると、定石はインコースにストレート、引っ掛けさせる外の変化。
これが上策である。
ストレートを突っ込んで、外には引っ掛けさせる変化球の組み立て。
結果論じゃなく、配球的に自分なら悔いが残る組み立てだった。

7回旭川にチャンスが訪れる。
1死から浅沼君が四球。次打者に選択したのはエンドラン(?)
空振りしてスチール失敗の形になった。
守っている側からするとラッキーな作戦。
赤羽投手が投げているということで、バントで進められるとバッテリー
は、
プレッシャーがかかったに違いない。残念な攻撃だった。
相手が嫌がる作戦に徹するのも野球。

9回旭川に最後のチャンス。
先頭の田中君がセンター前にしぶとく落とす。バントで2進。

ここで・・・

初球、ターン牽制で挟まれた!!!

左投手で、機動力のあるチームに対し、必ずしてくる様子見。
相手の心理を読めなかった走者。痛恨のチョンボである。

結局、3安打、10三振、高校生活初の完封劇。創造が初勝利。

今日の感想・・・

両チーム、よくやった!高校生らしい投手戦だった。
両投手とも持ち味を十分に発揮していたように感じる。
けど、攻略的要素がかなりあった。できるできないは別。
「どう崩していくか」は伝わってこなかった。
一発勝負では、調子や感覚ではなかなか成果は出ない。

今日一番素晴らしいと思ったのは、赤羽投手の右への外フォーク!
おしゃれだな!!!と感じた投球でした。次の二回戦に期待する。
試合後の赤羽投手のインタビューもよかった!
周囲を称えるトークは気持ちがよかった。

さぁ、北海道の旭川南。
夏に向けて更なる飛躍を期待する。まだ春。三年生には夏がある。
これをよい経験として捉え、次にむけて頑張って欲しい。
結果への反省じゃなく、「どう考えなければいけなかったか」が重要。

打撃に関しては構え遅れが目立つ。技術的アプローチも必要だろう。


旭川南  000000000 0
創造学園 00001000× 1