観戦日記トップへ戻る
平成19年07月17日 北海道栄高校 vs 函館工業高校
        

健闘を称える

大差で函館に軍配

校歌斉唱

無念栄のスタンド
夏の高校野球、注目の対戦を見に円山球場へと足を運んだ。

栄は、春辞退して久々の公式戦となった夏の大会。
好投手浜崎君を擁し、昨年の春以来の甲子園にチャレンジ。
北海道外の選手も多く、いつも上位に食い込んでくる学校だ。

函館工業は、春の大会で全道大会で準優勝している。
駒苫に敗れたが、久々に函館地区に勇気と元気をもたらしてくれた。
横手から投げる本庄君はなかなか打ちづらそう。

函館が先攻で試合が始まった。
先頭の瀬渕君がヒットで出塁。打ち方を見ていると雰囲気のある打者だ。
バントで送るも後続を断つ浜崎投手。まずまずの立ち上がりか。

栄は、好打者新城君から。初球攻撃で果敢に攻める。
本庄君は軟投派。うまくかわして抑える。僅差の勝負になりそうだ。

二回、試合は動く。
函館は、5番の岩本君がライト前にヒット。先頭を出してしまう浜崎君。
次打者のバントで、焦り失策をしてしまう。そして送られ1死2・3塁。
函館はスクイズを試みるも失敗!2死になった。
浜崎君は、少しほっとしたに違いない。2死までこぎつける。
ここで、9番本庄君がレフトに二塁打。先制する。

「この場面でたたみかけれるか・・」

固唾を飲んで見守る。
すると一番好打者の瀬渕君がライトに2点タイムリー。函館が3点先制!
力的には、栄が上ではないかとスタンドなどでは囁かれていた。
しかしその声をはね返す先制劇。素晴らしい2死からの攻撃だった。

その裏1点でも返したい栄。
先頭打者がヒットで出塁し、エンドランなどで進塁させる。
しかし、後続が詰まって凡打。サイドスローにやられている。
栄の打者を見ると、
「詰まりやすい打ち方かな・・」と思えた。
全員ではないが、エントモ的詰まる打ち方に見えた。
多くは語らないが、速球投手、変則投手には少し弱そうに見える。

函館3回。
先頭打者が内野失策で出塁。三回連続で先頭打者を出してしまう栄。
四球を挟み、タイムリーが出る。4点差になる。
球場内がどよめく。

浜崎投手のエンジンがかかってこない。
いつもの投球ができていない。スチールもされている。
少しセットが遅いようだ。タイムも40’〜50’かかってる。
捕手も焦り、セカンドに良い球を投げれていない。大きな課題だ。

焦りが失敗を呼ぶ・・・

バント失敗など、細かいミスが重なってきた栄。
しかし、3回に大きなチャンスをつかむ。
1死1・2塁でサードゴロ。どう見ても5−4−3のゲッツー。
しかし三塁手は何を思ったのか、捕球し三塁ベースを踏もうとした。
そこで、三塁ベースに早く目をやりすぎた。目きりが早かった。
落球。流れるように捕球しセカンドに投げれば終わっていた。
4点を追う栄にしてはラッキーなチャンスだ!1死満塁。

栄の打線は、1番新城君、3番の佐々木君(左)が軸になる。
その佐々木君に回る。満塁で、右横投手に左好打者。

「栄はここだな」

初球ボールの二球目。
詰まった!セカンドゴロで併殺。万事休す。
本庄君は見方のミスをカバーする。
差し込んでゴロを取ったバッテリー。素晴らしい攻防だった。

結局、一点を返したものの、函館工業の完勝!
序盤で、函館が勝ちそうな予感がした。
栄の打者のタイミングの合わせ方、浜崎君の調子・・・
起爆剤になる選手が、流れを変える選手が出てこなかった。
初戦は固くなる。難しい。

選手が平常心でどんな展開でも動けるようにするのは難しい。
危機管理とは、一番最悪の状況に対して思慮することである。
その展開になった時に焦らないように考えておく必要がある。
投手も一緒だ。ベストの調子で投げれることは少ない。

想定すること!

できればマイナスの方向に行って欲しくない。
だから考えたくもない。しかし、そこを見つめることも大切だ。
負けるとしたらこんなパターン・・想定することは大切。
もし万が一それが起きても「想定内」なら傷口は最小限にすむ。
野球以外でも応用できる考え方だ。


栄はまたこの敗戦で大きくなっていくことだろう。


函館 031001001 6 ヒット11、2失策 
栄  000100000 1 ヒット 7、2失策