駒苫を撃破した広陵が予想どおりに上位進出してきた。
あのチームの強さは、投手力にある。打つ方は甲子園で日々進化している。
個人の想像力でグランドを駆け回る野球は、駒苫野球に近い。
序盤から広陵野村投手は計ったような投球・配球で佐賀打線を翻弄する。
分かってて打てないのか、天然で打てないのかは別として広陵ペースだ。
再三再四の好守で耐える。失点を最小限にしていた佐賀。
反撃の時が8回にくる。
新聞では、あの押し出しの1球がクローズアップされている。
個人的には「そりゃないな」社会人のゾーン、プロのゾーンだよな・・・と思う。
投手の角度からのみ考えると、連投で肉体的には限界を超え、そこに渾身の1球。
自信の1球が「そりゃない判定」野村投手の表情が変わる。
淡々と投げてた投手の顔が歪む。ここまでしたことのない表情。
それだけ、その時の1球の大切さが分かっている。ナイスな投手だ。
心が揺れる
次打者に満塁弾。真紅の優勝旗が手元から落ちていった瞬間だ。
審判は絶対。人間がやっていること。間違いはある。
その後の判定がまた悪かった。その高さを今度はストライクとジャッジ。
個人的に「かわいそう」と正直に感じる。
ミスはミス。
双方(投げた人、ジャッジした人)が今後大きな「ひっかかり」を持ちながら過ごして
いくに違いない。それだけ微妙なジャッジだった。
投手心理からすると、低めをボールといわれれば、無意識に高くなる。
それを痛打。あれだけ低めにきていたスライダーが浮く。
打った打者に女神が降りたのだろう。打者を褒めたい。
広陵の敗因は8回にないと感じる。
それまで、得点を重ねられなかったのに大きな原因がある。
展開からすると一方的な試合で後半までに10点入っていてもおかしくない。
それが出来なく僅差に持ち込み、そしてそういった状況を作ったことに問題がある。
この試合、守備力の大切さを痛感した。
守り抜けばチャンスがめぐり、そのチャンスをプラスの方向に転換できる。
しっかりとした野球(流れ)を積み重ねれば、強者にも勝てるという例だろう。
それにしても県立高校の優勝は素晴らしい。価値がある。
私学に勝てないと決め付けている公立が多い中、名前負けしている選手が多い中、
彼らの飛躍は、今後の教訓になるに違いない。
最後に・・・
最終回、林君がバントで三塁まで行って刺殺された。
暴走ではないと思う。打者走者がもう一歩引きつけて捕手よりに戻れば、
完璧に成立していたプレーだ。駒苫走塁にも触発され、彼らがやってきたスタイル。
そのスタイルで終戦を迎えたのだから本望だろう。ナイスなトライだった!
またこの甲子園でチャレンジしたくなった!そんな試合だった。
両チームおめでとう!
広陵 020000200 4 ヒット13
佐賀 00000005× 5 ヒット 5
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