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平成19年08月22日 広陵高校 vs 佐賀北高校
        
駒苫を撃破した広陵が予想どおりに上位進出してきた。
あのチームの強さは、投手力にある。打つ方は甲子園で日々進化している。
個人の想像力でグランドを駆け回る野球は、駒苫野球に近い。

序盤から広陵野村投手は計ったような投球・配球で佐賀打線を翻弄する。
分かってて打てないのか、天然で打てないのかは別として広陵ペースだ。

再三再四の好守で耐える。失点を最小限にしていた佐賀。
反撃の時が8回にくる。
新聞では、あの押し出しの1球がクローズアップされている。
個人的には「そりゃないな」社会人のゾーン、プロのゾーンだよな・・・と思う。
投手の角度からのみ考えると、連投で肉体的には限界を超え、そこに渾身の1球。
自信の1球が「そりゃない判定」野村投手の表情が変わる。
淡々と投げてた投手の顔が歪む。ここまでしたことのない表情。
それだけ、その時の1球の大切さが分かっている。ナイスな投手だ。

心が揺れる

次打者に満塁弾。真紅の優勝旗が手元から落ちていった瞬間だ。
審判は絶対。人間がやっていること。間違いはある。
その後の判定がまた悪かった。その高さを今度はストライクとジャッジ。
個人的に「かわいそう」と正直に感じる。
ミスはミス。
双方(投げた人、ジャッジした人)が今後大きな「ひっかかり」を持ちながら過ごして
いくに違いない。それだけ微妙なジャッジだった。

投手心理からすると、低めをボールといわれれば、無意識に高くなる。
それを痛打。あれだけ低めにきていたスライダーが浮く。
打った打者に女神が降りたのだろう。打者を褒めたい。

広陵の敗因は8回にないと感じる。
それまで、得点を重ねられなかったのに大きな原因がある。
展開からすると一方的な試合で後半までに10点入っていてもおかしくない。
それが出来なく僅差に持ち込み、そしてそういった状況を作ったことに問題がある。

この試合、守備力の大切さを痛感した。
守り抜けばチャンスがめぐり、そのチャンスをプラスの方向に転換できる。
しっかりとした野球(流れ)を積み重ねれば、強者にも勝てるという例だろう。
それにしても県立高校の優勝は素晴らしい。価値がある。
私学に勝てないと決め付けている公立が多い中、名前負けしている選手が多い中、
彼らの飛躍は、今後の教訓になるに違いない。

最後に・・・

最終回、林君がバントで三塁まで行って刺殺された。
暴走ではないと思う。打者走者がもう一歩引きつけて捕手よりに戻れば、
完璧に成立していたプレーだ。駒苫走塁にも触発され、彼らがやってきたスタイル。
そのスタイルで終戦を迎えたのだから本望だろう。ナイスなトライだった!

またこの甲子園でチャレンジしたくなった!そんな試合だった。
両チームおめでとう!

広陵 020000200 4 ヒット13 
佐賀 00000005× 5 ヒット 5