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平成19年10月13日 北海道東海大学旭川 vs 東北福祉大学
        

青森駅でのエントモ

試合前のルーティン

東海佐藤投手

結構寒かった青森

うーん!逆転された

ベンチで声援!!!
大学野球のお手伝いで、初めての青森に。前日の12日に入った。

北海道・東北地区大学野球王座決定戦である。
東海大学は、秋の北海道学生野球連盟で8勝1敗1分で優勝。
東北福祉大学は、仙台六大学野球連盟で10勝1敗1分で優勝。
東北の雄との戦いで心躍る。

前日のミーティングでは、やるべきことの戦略部分とメンタル部分を
話した。彼らは野球でいえば「エリート軍団」。こちらは特待制度も
なく、一流大学のセレクションに落ちた、いわば「雑草軍団」。一番
大切なのはメンタリティー。どうしても心の中で名前負けしてしまう
のが現状。ここをどう打破していくかが一番のポイントだ。

駒苫でやっているモティベーションのかけ方、ミーティングの中で、
いかにして劣等感を捨て、自分達がやるべきことに目を向けられるか
ということが勝敗を分ける。

試合前のプランもある。試合前の振る舞い方。これは企業秘密。
(聞きたい方は、秘密塾参加願います)

東海は絶対的エースの佐藤投手。
彼は、埼玉県大宮武蔵野高校から来ている投手だ。
三年生で140中盤の速球を投げる。

立ち上がり、制球が不安定。ここ数週間あまり良くない。
先頭打者を四球で出塁させる。バント失敗の後、盗塁刺殺。
東海にしては絶好の立ち上がりである。
その裏、先頭好打者荒川君が内野安打。ヘッドスライディング!
このヘッドも打ち合わせどおり。彼がチームにもたらすモメンタムは
大きい。バントで送る。しかし後続が連続三振で切られる。

相手投手は望月投手。大きな体で140キロの球を投げ込む。
しかし、スキがある投手で何とかなる。秘策もある。

2回福祉攻撃。
先頭4番打者がポテンヒット。次打者のバントの時に佐藤投手は捕球
してからセカンドに中途半端な踏み込みで送球を若干そらす。FC。
動揺収まらない直後のバントでも、捕手の指示、自分の感覚がミスマ
ッチし、連続FCとなる。無死満塁。

弱者の戦いとして、先制されると限りなく勝率は下がる。

そこで速球で三振。その後スクイズ外し、凡飛で無失点。
最大のピンチを切り抜ける。

試合が動いたのは三回。
東海攻撃、一番荒川君が死球で出塁し、二死二塁で頼れる三番西田君
。センターにタイムリーヒット。先制!その後、四番根本君がポテン
ヒットでつなぎ、五番萩原君、平凡なセカンドゴロで、セカンドが送
球をそらす、そして一塁手が慌ててベースから足が離れる。

な、なんと失策で二点目。

棚からぼた餅で二点リードで試合が進む。
魔の五回。ここまで佐藤投手は四球が2つ。内容はイマイチだ。
とにかくボールが多くて、自分の投球が出来ていない。
球審は「超激辛」。社会人の審判でもあれほどの狭いゾーンは少ない
。でも両チーム公平に取っていたのでいいのだが・・・
狭いことが速球派投手にはこたえる。特にスリーストライク目が厳し
い。このジャッジが後ほど大きな試合のアヤとなる。

五回福祉の攻撃。
一番アウトの取りやすい打者を四球で出塁される。
四球は絶対に良い方向にいかない。代打を三振に取るも、次の打者に
レフトオーバーを打たれる。ワイルドピッチで一点献上。
タイムリー、四球・四球、タイムリー、四球。
よく3点で収まった。この回4四球。
遅い球をと勝負どころでフォークの選択がない。配球の妙である。
いかに好投手でも、St・Srでは持たない。スライダーの制球も悪
く、こういった時は、臨機応変にパターンを変えていくことが求めら
れる。しかし劣勢での修正はなかなか難しい。

その裏、反撃が始まる!東海の雑草軍団が牙をむく。
投手は先ほど代打が出たので左腕投手へスイッチ。1死1塁から送っ
て2死2塁とする。右にスイッチして目まぐるしい継投をしてくる福
祉。しかし、萩原君がヒットでタイムリー、原君もヒット。外野がモ
タモタしている最中に萩原君が好走塁。二点追加。5−3とする。

前のチャンス、得点機もそうだったが、イケイケの時の「もう1本」
が欲しかった。たたみかけるチャンスだった。このイケイケ時の注意
事項もある。これをしっかり認識して望まないと流れは切れる。
(これも秘密塾ネタ)

五回終了5−3東海リード。

ここまでで考えるのは、点を取られすぎ。本来の佐藤投手だと取られ
ても1点。そんな投球がどのレベルにも出来る投手。しかし制球が悪
く今日は「変え時だな」と思う。展開的には勝てる展開なのでこちら
が積極的になれば問題はない。投手継投も積極的に変えることだ。劣
勢になり、傷口を広げてから変えることは誰にでもできる。選手を信
じ継投していく臨機応変が大切だ。

六回、佐藤投手は四球を出しながら抑える。しかしゆうに100は超
えている球数。イエロー信号だ。ブルペンを見ると、投げさせたい投
手がマウンドで準備をしていない。
七回、四球で2番打者を出塁させる。限界だ。ここで一瞬迷う。バン
トで来ると思いきやスチールできた。予選で一番盗塁が多い二番打者
だったので、注意するべきだった。しかしバッテリーはストライクを
取ることに一杯で気が回らない。盗塁後にライト前ヒット。
無死1・3塁のピンチを迎える。ここで必要な考え方は、相手エース
が降りているので、同点までOKという開き直りだ。投手が細川投手
にスイッチ。タイムリーを打たれ、二死2・3塁となる。打者は7番
打者。これは間違いなく敬遠が上策。ここで勝負に出る。

次打者勝負しない。なぜ?

2−2からの外の渾身の速球は「ボール」の判定。
いやいや、違う違う。次打者勝負です。現役の時に(捕手)惜しい球
の後に「もう1球」で同じ球種コースを選択するとかなりの確率で甘
くなる傾向がある(アマチュアだけだと思うけど)エントモ講演でも
口をすっぱく言っていることだ。

同じ球を選択して、結局センター前2点タイムリー。
防げた失点だ。勝負しなくていい打者に対し、勝負し絶対してはいけ
ない配球を選択する。失点するべくしてした点だ。

その裏にチャンスが来る!
先頭の根本君がDB、三振後、DB、そしてライトにヒット。
1死満塁。こういった時に「積極的に攻める・動くことが大事。

初球・・・

ど真ん中ストレート・・・沈黙

二球目、外の難しい球空振り、そして高めのツリ球空振り三振。
代打、2−3までいくものの、見逃し三振。

動くところで動けない。いっていいところで振り切れない。
これは心の中の話だ。この瞬間思った。
「まだまだエントモイズムが浸透していない」動くのは選手。動けな
い理由は、自信のなさが一番の原因だろう。来る球を見据えて動くと
いう結果を気にしない「やるべきこと重視」の心がないといの一番で
動けないことになる。

8回、野球の神様はまだ東海に微笑もうとしている。
1死から四球。三点差なのに走者が牽制死。ありえないアウト。
結局次打者の三塁打は単発で終わった。

終戦。

4−7で負けた。今年の駒苫もそうだったが、終盤に追いつかれての
敗戦。今後、エントモイズムの中で「弱者の戦い」進化バージョンを
作成しよう。いかにして・・・これ以上は記すまい。


最後に一言


東海4年生。よく頑張った。春にキャンプに行って以来、髭とか挨拶
礼儀、鞄の向き、野球以外のことで様々なことを言い続けてきたエン
トモ。社会に出て必要なことを、「ま、いいか」の考え方じゃなく発
信し、それに答えて変わってきた選手達。

当たり前のことができれば、野球も変わる!

肌で感じた一年だったに違いない。プロに進めるのは一握り。でも、
真っ直ぐに野球に取り組み、5年ぶりにリーグを制覇し東北にまで進
出し東北の雄と互角以上に戦えたのも事実。今後の人生の糧にして欲
しい。

残った選手。まだまだこれからやることが満載。変わったようで変わ
っていないかもしれない。人間、芯から変わると窮地に立とうが何で
あろうと動じない心が手に入る。来年まで普段の生活から見直すこと
が必要だ。本当に日本一が取りたいのなら、それなりの日本一の行動
が求められる。野球だけ・・・じゃボロがでる。

来年も彼らの挑戦に乗ろうと思う。夢へのチャレンジは楽しい。ワク
ワクする。時には残念で落ち込むこともあるが、すべては人生の修行
、研修である。またじゃじゃ馬の子供たちと来年を過ごしたい!

そうそう、予断ですが、相手監督が「考える野球」を読んでいるとの
こと。いろんな所で読まれてますなぁ〜

東北福祉 000030310  7 ヒット10 失策3
東海旭川 002020000  4 ヒット11 失策0