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<夏に最後の大会となる選手たちへ・・・>
 
中学・高校・・・、この夏が最後の大会となる選手は全国に何人いるだろう。
この夏を最後に野球を離れる人もいると思う。
「最後は自分の納得する試合をしたい」
誰もがそう思う。しかし、最後まで納得して引退していったものは一握りである。
高校野球で、負け知らずで引退するものは、全国で1校のみである。
しかし、敗戦しても「納得出来る負け」はあると思う。
全力を出しきって負ける。これはどうしようもない。
それが全力であると仮定すれば、その全力がそれまでにしか出来なかった2年半を悔いるべき。
その試合は悔いるべきではない。
終わってみて初めて一日一日の大切さを知る。人間終わってから振りかえるのは得意である。
2年半後に振りかえるのではなく、一日一日の練習を振りかえれるチームは強い。
そんなチームが甲子園なり、中学であれば全国大会に行くことだろう。
野球には失敗がつきものだ。失敗は経験。悪いことではない。
野球は失敗を重ねる競技である。野手であれば7割凡退しても好打者と評価される。
守っていてエラーをする。その後が大切だ。
人間完璧は無い。人間のやる事にミスはつきものである。
それを分かっていながら、投手は野手のミスを心の中で許せない。
人のミスを自分のプレーで補ってやる。すると、いつか自分の窮地に人は助けてくれる。
エラーした選手は、心の中で恥じている。誰かが手を差し伸べるだけでその選手は救われる。
その救われた選手は、次に大きな恩返しをしてくれる。
しかし、手を差し出さないチームは、その選手は死んでしまうしその次も無い。
野球はそんなもの。
 
最後の夏を迎えたチームに必ず言う言葉。
「選手は試合を読むな!読むのは監督の仕事だ。選手は自分たちに出来る目先のプレーに徹しよ」
勝っているチームは、「勝てる・いける」と思った時点で負けへの道を進んでいる。
負けてるチームは、「やばい・追いつけない」と思った時点で、負け確定である。
試合を第三者的立場で考えるのではなく、
そのプレー(目の前のプレー)を大事にしていけばよい。
野球は精神的なゲームである。
感情を押し殺し、普段のプレーをそのまま出す事に徹すれば道は開ける。
野球に神様は必ずいる。
普段の練習からまじめに努力し頑張った選手には、最後に微笑む。
不真面目に野球をしてきて、「最後の夏に力を・・」は都合が良い。
自分を信じろ。今までやってきたことを信じよう。
 
「納得」
 
甲子園に出て一回戦で負けて納得して幕をおろすのも、地区大会一回戦で負けて幕をおろすのも
自分に納得出来るプレーが出来たなら、
同じ「納得」である。
今回、ひと区切りとなる選手達には、そういった試合になるよう祈る。
最後のアウトを取られ負けを確定してから泣け。
アウトを宣告され、ゲームセットまで全力で闘おう。最後までもがけ。
その仲間達は一生の宝となる。


作成 エントモ