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江塚経営研究所


アウトソーシング
企業の経営資源には限りがあります。経営資源の不足する業務を外部の専門業者に委託するのが、アウトソーシングです     → ポイントは、①会社の「コア」の部分は外部委託しない      ②自社で人員を抱えて実施する場合のコストと外部コストとのバランスで決定する
1.アウトソーシング
 アウトソーシングとは、会社業務の一部を専門業者に外部委託することです。 かつて、専門性の高い情報システム業務を委託したのがその始まりであり、最近は専門業者の品質が高度化したこと、業務が複雑になったことなどで、幅広くその他業務にまで広がり企業活動の一般的なスタイルになりつつあります。  人材の揃っている大企業はともかく、一般的な企業はフルラインの人材を抱えることは不可能です。手薄な業務が多くなり、その業務は別部門が兼務するか、あるいは放置されることになります。そのような時、専門業者に外部委託することにより低レベルのコストでしっかりとした業務遂行が可能になるわけです。  ただし、あれもこれも外部委託というわけにもいきません。
2.活用のポイント(1)
・・・ 会社にとってコアとなる業務は外部委託しない
会社にとって中核となる業務(コア業務)は、コストが若干高くとも社内に残し、自社で遂行しましょう。  外部委託するときの業務的なデメリットは二つあります。ひとつは、会社のノウハウが委託先に流出してしまうことです。長年積み上げて他社を差別化してきた自社ノウハウを外部の専門業者が入手し、次からはその委託業者がライバルになる恐れがあります。  今ひとつは、自社内にコア業務を手がける人材がいなくなることです。コア業務は、自社の宝です。その宝の業務を外部委託してしまうことで、ノウハウ伝承が出来ないばかりか、万一委託業者がその仕事を放棄したとき、困ってしまいます。
3.活用のポイント(2)
・・・コストおよび信頼性で業者選びをしましょう
 まず、信頼できる業者を慎重に選定しましょう。十分に調査をした上で、複数の業者から提案書を取り寄せ、比較検討します。過去の実績および他社実例などもしっかりと調査しましょう。  次に、コスト検討があります。業者間の比較検討は、信頼性評価と同時に行います。もっとも大切なことは、自社で実施する場合のコストとの比較です。外部委託が必ず低コストであるとは限りません。自社内でたとえば「兼務」でやる場合、シルバー人材を雇用して実施する場合、パート化して行う場合、IT化する場合、などあらゆるケースでのコスト比較をします
 アウトソーシングは、脚光を浴びている施策です。しかし、安易な導入は、上記のように危険性があります。自社の経営資源と、会社の長期ビジョンに照らし慎重な対応が望まれます。