中堅科訓練 後期のこと


早いもので、研修所に入所してからあっという間に2ヶ月が過ぎました。

残暑が厳しいころは、もうクーラーの季節も終わっていて、研修所の一番近くのコンビニでアイスを買ってきて食べる日々。汗がすごくて辛くって、寝汗をかいていても朝シャワー浴びたくても、好き勝手にはお風呂にも入れないわけで、こんなとき、寮生活の不自由さを実感してました。

しかし、時は移り変わり、季節はもう冬に近づいております。とにかく、寒いんです。とても。集中暖房だから真冬になんなきゃ暖房入れてくれないの。風邪引く人続出。『貼るホッカイロ』が必需品でした。

ここまで過ぎると研修所での暮らしも、生活の一部となり、別になんとも思わなくなります。

相変わらず、提出物は多いし、特別講話レポートを作成するのにも時間はかかるけど、なんとなくコツみたいなものもつかめたし。まあ、何とか暮らしてます。お風呂上りのよく冷えたビールとか、冷蔵庫がないので飲めませんが、って、その前に、寮での飲酒はご法度なのですけれど。

忙しい研修の合間に、呑み会開いたりして、って言うよりも、元いた部会の先輩たちが、『新任総務主任訓練』や『新任局長代理訓練』などで研修に来てたりして、何とか都合をつけて先輩たちが開いてくれる呑み会に参加したりしました。でも、役員をやっていた自分は、打合せなどで後から参加することが多かったですね。

で、研修中にはらがったったことはいくつもあるのですけれど、そのひとつ。『クリエイティブ研修』に来てた人たちが馬鹿騒ぎして近隣の方々から
苦情が寄せられたのですが、私たち中堅科生がやったことになってて詰問されたりしたこと。(恕)


さてさて、修了に近づくと、いやおうなく、各種試験も迫ってきます。これが意外に疲れます。土曜日曜に試験がおこなわれるから。でもね、まあ、何とかなるもんですね。

彼氏彼女がいる人は、会う時間を作るのが大変だったようですが。研修所中は会う時間もほとんど作れなくて、破局するカップルも結構います。出会いがあれば、別れもあるのは当然なのでしょうけれど。でも、会えないってのは一番辛いことですね。


そして11月には、曙際。

うちのクラスは焼きそば担当で、みんなで交代で焼きそばを作ってました。それ以外に、曙際の一番の見所、『MR.レディ MS.ダンディ コンテスト』への力の入れ方がすごかった。

その題名のとおり、男性が女装、女性が男装をするのです。ばかばかしいと思いました??でも結構面白かった。うちのクラスは、美しさを追及することにして、計画を立てました。コンセプトは、美人姉妹。OLのお姉さまとその妹の女子高校生にその彼氏って設定で。

みんなから500円ずつ徴収して用意したもの、、、、それは。。。。27センチの白のハイヒール・ロングヘアー(栗毛)のかつら・江角まきこ風ショムニの制服(超ミニ)・ストッキングLサイズ。クラスの女性人の総力を結集して仕上げた美しい顔は、かなりいけてました。足とか、もう、すごく綺麗で、だんだん腹が立ってきたぐらいでした。(^_^;)


もう、研修も佳境に入ってきています。受けなくてはいけないSA試験なども全て終了し、研修生活も残すところ一ヶ月をきりました。別れのときが近づいてきたわけです。

『これから、どうなるのか』ものすごく大きな不安が襲います。

だって、考えてもみてください?

普通の異動なら、特定局の人は特定局にしか動かない。普通局なら自分の元いたところとおんなじ様なところに異動しますよね。当然例外があるとしても、ある程度予想はつき易いわけです。でも、中堅科訓練では、そういったことはわからない。その年の郵政の方針によって違う。

訓練入る前に、先輩たちから聞いた話を総合すると、希望していないのに特定局に決まった人もいるし、希望してないのに法人課へ決まった人もいる。もちろん希望通りだったと言う人もいる。

人事だけは、自分の手にあるわけでないから、不安でしょうがない。

希望調書には
第一希望 総務課
第二希望 法人郵便営業課
第三希望 郵便計画

と書いた。これはいつごろ出したんだっけ?もう、記憶が定かではない。何で、特定局って書かなかったかって言えば、あたりはずれがものすごく大きいところだと思ったから。なぜか、漠然と総務への憧れみたいなものがあって、総務を第一希望にした。



いろんなことがあったこの訓練も本当に修了が近くなってきた。

不安がものすごく大きい。自分はいったいどこへ行くんだろう。この先どうなるのだろう。でも、そんなことを考える余裕もないぐらい、終了時テストが、立て続けにおこなわれた。また、別れを惜しんで、クラス会もした。

修了一週間前、部長より内示をいただいた。新しくできた5号棟で。

自分の番がくるまで、別室にて控えていて、一人ずつその個室に入る。ものすごく緊張する。自分のこれからの進路。どんな道が描かれたものなのか。見当もつかない。緊張のし過ぎで、めまいがする。とうとう自分の番が来た。ノックをし、部屋に入る。部長より名前を読み上げられ返事をする。

内示 ○○局 総務課勤務を命ずる

読み上げられる。内示は、口頭にておこなわれるだけなのだ。続いて部長がおっしゃった。『○○さん、希望通りでしたか?』と。私は、うまく答えられなかった。『ある部分では希望通りでした』としか。私が希望した通り総務課に決まれたのだから、運がよかったのだろう。でも、これから、どうなるのか?不安でいっぱいだ。

教室へ戻ると、みんなそれぞれに複雑な表情をしていた。みんなにどこへ決まったのか聞いて回る。私を含め、総務課が圧倒的に多い。これからどうなるのだろうか。。。。

月曜日が指定休暇だった。これは、内示を受けてから決まるまでの間に、自分のこれから働く先を、自分の目で確かめてこいよっていう教官の心遣いだったのかもしれない。土曜日に家に戻り、自分のこれからの勤務先をネットにて調べたりした。

月曜日、新しい勤務先を見に行った。なんだかずいぶん田舎にあるなって印象を受けた。家からは遠かった。



訓練も修了まで、一週間をきった。最後のクラス会をやった。呑みすぎて立てないぐらいだった。友達に寮室まで送ってもらった。いろーんなことが、思い出されて、これからのことがすごく不安で、お酒がすすんだからだった。

最後の一週間は、いつもよりずっと特別講話の量が多かった。一日に4本とかあって、レポート書くのが辛かった。最後の5日間、眠る時間はほとんどなかった。レポートを仕上げること、そして、夜通し、寮室の人とかと話とかして過ごしたりもした。ものすごくいろんなことがあったねって。


修了式前日だったか当日だったか、、、記憶がもう定かではない。最後の修了時スピーチ『研修終了にあたって』というお題でスピーチをおこなった。このメンバーに出会えたこと、苦楽をともにしたこと、いろんなことが走馬灯のように、頭の中を駆け巡り、涙が止まらなかった。

泣くまいと思っても止まらなかった。この4ヶ月、いろんなことがあったと。いいこともわるいこともひっくるめて、いい思い出になったと。

何よりも、この大変さを共有できる友人ができたのが、この訓練の最大の成果だったのではないだろうか。
・・・そう思えた。

修了式の日、その日のうちに荷物をまとめ、寮を出なければならない。荷物をだいぶまとめてはいたが、4ヶ月も住むと、これだけの荷物があったんだと、改めて部屋の中を見回してしまった。段ボール箱三つではとても納まりきらなかった。明日、車で取りに来ることにしよう。C館の倉庫へ置いておくことにした。

部屋は6時ごろまでに出なければいけない。名残惜しくて、なかなか立ち去れなかった。でも、もう終わったんだ。

研修は辛かった。
すごく苦しかった。
本当に大変だった。

でも、最高に楽しかった。あっという間だったな。これからどんな生活が待っているのだろう。多分、中堅科修了生と言うことで、管理者は過剰な期待をかけるだろう。逆に、他の人々は、研修上がりの使えないやつが入ってくる、としか見ていないだろう。

前途多難だな、そう思った。


最後に。

異動のときは、いつだって、別れがさびしく感じるんですよね。でも、仕事はじめてからで言えば、わたしは、中堅科を修了するときの別れが、一番つらかった。

訓練の修了後、降り立った駅のホームで一人になり、いままで、『ばいばい』っていったことなかった(寮に帰るから)メンバーに、さよならって言ったとき、涙が止まりませんでした。(2002.8.9)



未見の我への飽くなき挑戦

4ヶ月の長期に渡って行われた、全寮制の長く苦しい研修の終わりに、事務局長より頂いた、これから巣立つ中堅科訓練生への『はなむけの言葉』

これから遭遇するであろう、いろいろなことへ思いをめぐらせたとき、未知なる物への恐怖にくじけそうになったこともありました。たくさん聞いた研修講義のなかでも一番心に残った言葉でした。(2002.8.24)