転勤の話

ここ半年の間に、転勤の話を2度ほどいただいた。

二つとも郵政局から。
ひとつは、○○部○○課から。もうひとつは、ある新施策の駒として。

でも、断った。
私は、あと一年は給与がやりたい。
このまま給与を離れるのは、中途半端なまま投げ出すようですごく嫌だったから。
やっと、給与が面白くなりかけてきた時期だったから。

一つ目の話をいただいたとき、ものすごく心が揺れた。
なんていっても『郵政局』。
行こうと思っても、いけるところではない。
私とういう人材をとってくれるとは光栄なことであると思ったからだ。

ある会に参加したときに、目をつけられたらしい。
その話が来る前、課長が郵政局からの電話でとても困っていた。
その電話が、まさか私に関わってくるとは思ってもみなかった。

その電話のやり取りは、なんとなく聞こえてきて、でも、何のことを話してるのかさっぱりわからなかった。
まさか、その電話の渦中のひとが私だとは思ってもみなかった。
電話を切って、課長が私に言った。

『○○さん(ワタシのこと)証明写真とか持ってるか?』と。
あいにく、私は、手元に写真は置いてなかった。

変な電話の直後に、私の写真をくれと言う総務課長。
不審思う私。
ワタシの頭の中は『?』でいっぱいだった。

なんか変なことしたかな?
処分を受けるようなことしてないし、やましいことなんかしたっけ??
考え付かない。
人と変わってることしてると言えば、このHPを開いてることぐらい。
でも、職場では秘密だし。足がつくような書き込みとかは注意してるつもりだし。
この段階では、まだ、異動の話だってことを知らなかったから、ものすごく余計なことを考えてしまった。

ポラロイドで写した顔写真を送ることになり、別室に連れて行かれ、写真をとられた。
結局その写真は、送らなくてもいいことになり、自分の手元に戻ってきましたが。。。。

最初の電話を切ってから、土日をはさみ、課長がまた、電話でやり取りをしている。
電話を切り、しばらくして、私を別室に呼んだ。

異動の話が来ている。郵政局の○○部○○課から。
言いにくそうに、でも、単刀直入に課長は言った。
そういうところがこの課長はいい人だと思う。

課長的にはとても言いにくい話だと思う。
なぜかと言えば、私自身がやっと給与というものを自分の裁量でまわせるようになってきて、総務課全体がやっと良い雰囲気になってきたところであるし、私が抜けた場合、うちの総務課では、給与をできる人がいない。ってのもある。まあ、いずれは私も出ることはあるのだし、誰かがやらなきゃいけなくなるのだろうけれど、給与は、そう簡単に引き継げるものではないのだ。
そして、これは最近知った話であるが、そこの課へ行った場合に自分がどんな立場になるかってことも知ってたんだと思う。

一通りの話を聞いたうえで、私は言った。
『このお話に対して、ワタクシに選択権はあるのですか?』と。

課長は言った。
『あなたには、選ぶ権利があるよ』と。

『いつまでにお答えすればいいのですか』
と私。選択権は私にもあるようです。

一通りの話を終え、結論は明日まで待ってもらうことにした。
家に帰り、よく考えた。この時期、給与事務は、ある意味ピークを迎えており、ものすごく忙しかったが、それでも、心の中に占めるこの異動の話は大きかった。

私に相談をできるような郵政局の知り合いはいない。
でも、ある人に相談をした。

『そこで期待されてるものが、単なるお飾り的なものなのだとしたら今やっている給与のほうが、やっと面白くなってきたところなので断ろうと思ってます。』と。

その人は、行ったほうが言いという。
ものすごく心が揺れた。

翌日、課長に断ろうと思った。
でも、自分から課長に声を掛けなかった。
実際のところ、すごく心が揺れていたからだ。
課長から与えられた、返答期限であるその日は、何の返答もせずに過ぎてしまった。

そのあくる日、私は、課長へ声を掛けた。
与えらたれた期限に返答をしなかったのは自分なのだから、課長に決めてもらいたいと。
ずるい返答の仕方だとは思った。
でも、自分では決められなかった。

課長は、よく考えろといった。
あなたのことなんだからと。

結局、私は、断ることにした。
写真の話がネックになって。
自分の実力で採ってくれるのではないことを知っていたので、断った。
ほんとかどうかはしらないが、顔とかそういうので、セレモニー要員やイベントコンパニオンの感覚でのお話なんじゃないかなって思ったから。

かなりあとになって、ある人から聞いた。
あの部署は、綺麗な人を集めているんだよと。もちろん一番は、秘書係だけれど。
賞状交付や接待なんかのときに必要だから。
あなたがそのレベルにあると認められたってことだよと。
でも、行かなくってよかったんじゃないかと。
行っても、何か実力があって引っ張ってもらっているわけじゃないから、2年ぐらいですぐ次の子はいってくるし、使い捨てだよ。
いずらくて退職しかなくなっちゃうよと。
それに、トップが替わったら、また好みも変わるから、お払い箱になる可能性もあるよねと。

(2002.8.9)

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