■ 言葉の持つ力

総務課にきてから、言葉の持つ力や言い回しについてすごく考えるようになりました。

お客様と直接接していないからなのか、総務課の上の人たちは、ものすごく威圧的な言い方をします。命令口調であったり、やって当然ってニュアンスが言外に匂ったり。すごく言い回しが下手だなって思うのです。

それで、他の課の人が快く動いてくれると思うの?
同じことを言うのでも、言い方が違えば、人を怒らしてしまうことって結構あると思わない?
卑屈になる必要は無いけれど、どうせ伝えるのなら、その人が一番動いてくれそうな、話し方を考えるべきじゃないの?

そのほうが、事務が効率よく進むのだから。


にっこり笑ってお願いしに行けば、書類が早く出してもらえるのなら、愛想笑いだってするし、きれいに化粧して行ったほうが、協力してもらえるんなら、それぐらいどうってことない。

それで、自分の仕事が効率的に進むのであれば、そんなことぐらいどうってことないんだもの。書類を提出させなければ次の作業に進めなくて困るのは自分自身なのだから。

きちんと説明して、納得してもらえば、だれだってきちんと応対してくれる。だって、そうすれば自分の利益につながるのだから。

それが、とりあえず、この書類をもってこいって結果だけいうのであれば、納得してないから書類も出さないし、反感しか起きないと思う。

なぜ、その書類が必要なのか、どうして、この日までに出さなければいけないのか、きちんと説明するのは、自分が知っていなければできないけれど。

でも、見ているとそういうふうに対応する人、意外と少ない。自分がそんな風に言われても、きちんと動くか考えたらいいのに。

うちの上司がよく言います。
『キンポウ(勤務時間報告)なんてそんなにやることないだろ』
『支給事務だってすぐ終わるだろ』と。

あのね、確かに過去この作業をやっていましたよね。でも、その当時と今は、まったくちがうでしょう?新処理システム導入前のことを基準にして話されても困るのです。きちんとやろうとすれば、ものすごい時間がかかるのですよ。どんなに腕が良くても。自分の仕事に対して誠実にやろうとすれば、やっぱり時間はかかると思う。それだけのプライドを持って仕事してるんだから。給与に関しては誰にも負けないって、そういう気持ちでやってたから。自負があるから。

いろんな場面で、人の心をつかむ言い方って、やっぱりあると思うのですよ。

同じことを言うのでも言い方一つで、120%の力でやってくれるかもしれない。逆もまたあるでしょう。

自分の言い方が、その人の次の作業の能率や完成度を方向付けるのだとしたら、やっぱり、気持ちよく自ら進んでやってもらえるような言い回しとか考えないと。

だれだって、一生懸命やってる作業を馬鹿にされたりしたら、いい気はしない。自分の目にしたことだけや、自分の経験だけで判断してはいけない。

客観的な事実を公平に見なければ。

多少やったことがあるからって、それが全てじゃない。
いろんなバリエーションがあって、そして、時代と共に変化していくのだから。

やったことのある仕事に関しては、口を出したくなるのが人間だと思う。知っているのだという自負もあるのだと思う。

だからこそ、なおさら口を出しちゃいけないんだと思うのです。取扱は、日々変わっているから。

その当時は、それが正当であったとしても、今は、違う場合が多いんだもの。実際の担当者がやっぱり一番今の取扱に詳しいんだもの。

当たり前のことであっても、言い方一つ。もうちょっとうまい言葉で、相手に伝えられないのかなって思う。

同じこといわれるのでも、ものすごい腹が立つ。反感しか生じない。

私も反省する点はいっぱいあるけれど、でも、言葉の使い方は、ずいぶんうまくなったと思うよ。この数年で、職員さんたちといっぱい渡り合ってきたからね。
(2003.6.1)

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