キンと冷えた、空気の中。

 淡く銀色に光る、上弦の月。


 それは、草木も寝静まるほどの静かな静かな夜で。


 外階段に、ふたりっきり。


 「ねぇ、ハク」

 「なんだい、千尋」


 千尋が笑って。

 ハクも、微笑む。


 今日一日の出来事を、一緒に語らう幸せな時間。

 幸せの、瞬間。


 暗くても、平気。

 寒くても、平気。


 ハクが傍にいてくれるだけで、こんなにも私の周りは温かいのだから。