ARARA - 21-42
FLOWER COMMUNICATION
(C) Copyright FLOWER COMMUNICATION. All Rights Reserved.
雲景のあららARARA
42ページ
あららARARA Web劇場ー名前の検索
「きぶしは好きよ」
「それなら、いらっしゃ〜い。それと乙女椿よ」
「乙女椿も好きよ」
「それなら、尚更いらっしゃ〜い」
「K先生がおっしゃっていたでしょう。大事なことを決める時には花を生けなさいって。
花を生けて、決めなさいって。だから、いらっしゃ〜い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お昼を一緒に食べましょう。いらっしゃ〜い」
「食欲がない」
電話を切ってからも身体が動かなかった。
今頃は、K先生の講義が始まっている頃だろう。教室の景色が浮かんでくる。
今頃は、クラスメートは、きぶしの枝取りをしているのだろう。
今頃は、乙女椿に取り掛かっている頃だろう。
花は何輪ぐらい付いているのかな?
教室にいきたいな〜。乙女椿を生けたいな〜。
雲景の目の前に、乙女椿が浮かんできた。左手をのばして枝を捕まえた。
右手には花鋏を持っている。
枝の根元に、花鋏を当てた。
和室の中に硬質の「パチン」という高い音が響いた。
見事な一回切りだ。
根元の汚れた部分は、切り離された。
<K先生、雲景はいま花を生けました。確かに活けました。花を生けて決めました>
雲景の膝が畳から離れた。
身体がとなりの部屋に移動した。
パソコンの電源を入れた。
<いつも更新の催促をくださるファンさま。雲景はいま心が乱れています。
腰が据わらないのです。カメラのレンズは、雲景の乱れた心まで映し出してしまいます。
花の更新は出来ないけれども、文字の花は活けられます。
いけばなが表現の一つであるのなら、文字の花を生けることも、雲景にとっては、いけばなです。
SS流に使われてしまった「塚口雲景」 の名前を、文字の花を生けて清めたいと思います。
いつも反発ばかりしていますが、本心は感謝しているのです>
続く(編集未完)
いけばな界とWeb界に、善き栄えあれ。