ARARA - 21-71
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雲景のあららARARA
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あららARARA Web劇場ー名前の検索
今晩の勉強会はおかしな雰囲気だった。
全員が○澤さんの退会をねがう雲景の気持ちを知っている。
そこに本人の○澤さんもいる。
懇親会に移っても変だった。
懇親会でのU家元先生は、元気がない。個室の横に並んだ長いテーブルの中央に座っている。
お顔が晴れないのは、昨晩、雲景が送ったメールを読んでくれたからでしょう。
「指定」は的を射ている、と書いて送った。
SS流の家元はテーブルの一番奥にすわっている。
テーブルを挟んだ向かいのメンバーに話しかけていた。
U先生にお上手に説明できた安心感からなのでしょう、強気になっているようだ。
雲景に悪いことをしたと思っていれば、遠慮の色が態度ににじみ出るものだが、その気配もない。
検索侵入にはかかわりのない人物になりすましていた。
無罪のお墨つきをU先生からもらって、白星を勝ちとったように、雲景の顔を見た。
その視線の強い動きに、雲景の触覚が働いた。
○澤さんには隠れた援軍がいる・・・?
采配人は、どういうわけか雲景に愛想がいい。ことさら陽気にふるまっているようにみえた。
この一件は簡単には、解決できそうにないかもしれない。
いつもなら、いけばなに関連する話で盛り上がる懇親会なのだが、どこかぎごちない。
雲景の目の前には何やら薄いヴェールが立ちはだかっているようだった。
雲景を除いた全員が、規約改定の話は禁句というヴェールを被っている。
沈黙のヴェールを透かしてみえる会員の表情は、雲景に反感をもっているようにも見えなかった。
ロビーでの場面を思い出した。まさか・・・くち止め・・・?
メンバーの誰かが陰でなにかの采配をふるっているのでしょうか ?
変だ!
規約改定の話をもちだそうと何回も思っているのに、タイミングが掴めない。
今日はそのために来ているのだ。
「悪は悪だ」 と叫ぶ人がいなければ、いけばな界の進歩はない。
若い人たちに敬遠されるのが落ちでしょう。いけばな人口の年齢層が逆三角形に構成されて
倒れそうな昨今、若者たちの参入が激減しているのは、いけばな人の責任だ。
将来をみすえた意見を持っていなければ未来が細る。
地団駄を踏むほどに悔しい思いをしているのに、「規約改定のお願い」の話は、ふんわり
ヴェールに覆われて、疎外されているのは雲景だった。
会員は、長年の修練の間には、多少なりの辛酸をなめ尽くしている人々だ。
問題が提起されている今、自分の意見を自由に言ってほしい。
年齢とか、会員年数の長短にかかわらず、平等の立場で発言できることが、勉強会に参加して
いる最大のメリットなのですよ。
続く(編集未完)
いけばな界とWeb界に、善き栄えあれ。