ARARA - 21-74
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雲景のあららARARA
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あららARARA Web劇場ー名前の検索
さみしいな〜。
いけばなは人間の命をいけるほどに真剣で、人生を表現するほどに素晴らしい美術で
あるのに、人間がいけばなに集うと、どうして寂しいことがおこってしまうのだろう。
寂しすぎる。
毎日が、来る日も来る日もさみしかった。
『いけ花は世界に誇る日本の美術である』 と思えば思うほどに、寂しさが募ってくる。
「や、やめてくださ〜い !」
雲景は、自分が叫ぶ大きな声で目が覚めた。
心臓が破裂しそうな位に高鳴っていた。夢を見ていた。
町田の方面から紙がひらひらと飛んでくる。
その紙は雲景のパソコンの画面にす〜っと吸い込まれる。
黒い衣装を着た魔女が 「ソ〜レッ!」 っと、掛け声をかけていた。
魔女が遠くに離れている町田から雲景のパソコンを指差して、円形に右腕を大きく振ると、
A4サイズの紙がひらひらと飛んできて、雲景のパソコンのなかに吸い込まれていくのだ。
魔女の声が 「ソ〜レッ、ソ〜レッ」 っと、高くなって、人差し指を立ててこちらに振る腕がだんだん激しくなると、ひらひら舞ってくる紙はどんどん早く飛んできて、しまいには連なった帯状に
なって雲景のパソコンの画面の中に消えていく。
「やめてくださ〜い」。 叫んで、両手でパソコンのスクリーンを塞いだ。
それでも紙は指の間をするりと擦り抜けて、パソコンの中に、すい〜っ、すい〜っ、と吸い
込まれて消えていくのだ。
SS流ブログの頁だった。
黒い衣装の魔女の顔を確かめた。あっ!その顔は !
夢だ。
SS流の検索侵入が始まってから、雲景の心臓がときどきおかしくなった。
ドキドキする。
身体を横にすると、心臓の存在をさらに意識した。
左側を下にして寝ると、心臓の鼓動が激しく鳴った。上半身までが上下に波打つようだ。
動悸は喉のほうまで響いてくる。
上向きに寝ると少し納まった。
とうとう・・・やられたか、 心筋梗塞か ?
次に襲ってきたのは、ダッチロールだ。
身体がふらふらする。道路を真っ直ぐに歩けない。
尾翼を不安定に旋回させて飛行する、墜落寸前の飛行機のようだった。
自分では真っ直ぐに歩いているつもりなのに、身体が斜めに進んでしまう。
いったん止まって、進行方向を立て直して歩き出しても、又蛇行する。
道路では、走っている車に身体が向かってしまうので危険なときもあった。
平衡感覚が失われている。
脳梗塞か ?
雲景のこころに恐怖が走った。
SS流やWebに殺されてなるものか !
このまま泣き寝入りしたのでは、死ぬに死にきれない。
SS流をいさめようと強気になっているものの、負けているのは69歳の体力だった。
ストレス梗塞は恐ろしい。医者では治せない。
続く(編集未完)
いけばな界とWeb界に、善き栄えあれ。