ARARA - 21-86

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雲景のあららARARA
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あららARARA Web劇場ー名前の検索



雲景にとっても面白いと言えるのかどうか可笑しな事があった。
SS流の検索侵入がはじまった一月の末に、采配人のKaから電話があった。
「メールいってる?」
「来ていますよ」
・・・おっ、ほっ!  おいでなさったか・・・
雲景の直感がピンと働いた。
連絡係りから勉強会の訂正メールが入っていた。

  送信日時:2011年1月27日 11:50

  >スミマセン!
  >LA○○の開始時間を間違えました。

  >28日(金)19:00〜 です。

  >よろしくお願いします m( _ _ )m

同日の10:13AMのメールは「18:00〜 です」となっていた。毎月の
勉強会は19時からに決まっているから単純な入力ミスである。
連絡係りからの宛名をみれば全員配信になっているので、時間訂正の件は全員が
分かっている。Kaがわざわざ電話を入れてくること事態が可笑しな事だった。
余計なことをすると思ったが、この電話は、時間の訂正を理由に雲景のようすに
探りをいれるのが目的なのだと感づいていた。

一月はSS流の検索侵入に苦情をいれていた。
SS流と雲景との間で解決することを望んでいたので、采配人にも勉強会代表の
U先生にも伏せていた。○澤さんが相談しないかぎり、KaがSS流とのトラブルを
まだ知らない筈だ。
雲景の直感は、Kaは知っている、と察した。
SS流とKaとの間には緊密な関係がある。会話を続けながらKaがトラブルの話を
持ち出すのではないかと待っていたが、最後までその事に触れなかった。

「みんなにでんわしている」
Kaは言い訳がましくいった。みんなに電話することでもあるまいに。
雲景もことさら平静を装って元気よく答えた。
「メールは届いているから大丈夫ですよ」

翌日の晩、勉強会が始まるすこし前に雲景がドアーをあけて教室に足を踏み入れると、
出席者全員が○澤さんを取り囲んでいた。雲景の姿をみると慌てて飛び散った。
ちりぢりに飛ぶ姿は人間花火のように綺麗だ、などと関係ないことを連想した。
仲間が散ったあとには、椅子にすわった○澤さんが一人取り残されていた。
Kaは○澤さんから三つ・四つはなれた椅子に急いで腰掛けながら、気まずそうに
雲景に愛想笑いをみせてその場を取り繕った。そのほかの仲間たちの表情は硬い。

のちのちの勉強会になって、雲景の直感が当たっていたと証明したのはKaである。
「違う話をして相手のようすをみる」
教室で言っているKaの声が聞こえた。その言葉は雲景に投げているようだ。
距離は3メートルほど離れていた。
顔をみると薄く笑っていた。身体の正面は雲景のほうを向いていたが、目線は斜めに
逸らしている。してやったりと密かにほくそえんでいるその顔は、雲景がまんまと
引っかかったと得意げであった。底の見え透いた振る舞いはばれるものだ。
・・・違う話をして雲景のようすを探ろうとしたのは、気づいていましたよ・・・


                     続く編集未完)
                     いけばな界とWeb界に、善き栄えあれ。
                     
Web劇場解明のために、メールの引用をご容認ください。
どる
づく