ARARA - 21-89

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雲景のあららARARA
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あららARARA Web劇場ー名前の検索



2011年11月24日。連絡係りからメールがきた。
  
  みなさま、こんにちわ。

  明日、11月25日(金)は○○ばなLABOです。
  講師に○野○○さんをお招きします。
  いけばなライブパフォーマンスの映像鑑賞、Q&A、ディスカッションを
  予定しております。

  ○澤さんは欠席です。
  

おや、うれしいではないの。
翌日の晩、こころも軽く勉強会のドアーをあけると、教場の中央の机のうえには
映像機が準備してあった。
なんと、なんとした。
うっふぁ〜〜、○澤さんがスクリーンに近い一番前の席に陣取っているではないか !
欠席のはずではなかったの?

今晩の講師の花道家○野○○は○月流に席を置いていた。
職業としていけばな人であるためには、流派のなかで仕えるか、飛び出して
個人の世界を創りあげるしかない。爆発してしまった○野は流派の中にいられない。
その後の破壊と再生をくりかえす表現活動の激しさは、他の者の追従を許さない。
変化を求める華道家やフラワーアーティストと共に「花いけバトル」を展開して
平成時代に前代未聞の独特な創造の波をつくりあげている。
自ら弾丸となった体当たりの活動は「これからどこにいく?」と注目される花道家だ。
将来どこに着地点を求めるのだろうと一部のいけばな人たちから関心を持たれている。

雲景は不思議な世界に身を置いている。
いままで経験したことがない奇妙な世界だ。
家元の○澤さんはSS流の検索侵入のトラブルを解決しようとしないで出席する。
勉強会は、○澤さんの参加を許している。
○澤さんの行動は、社会人として余りにも常識から外れている。
勉強会の対応は理不尽だが、ここで爆発してしまったら雲景のほうが危険に晒される。
正義とは環境によっては必ずしも勝つという保障がない不条理をふくんでいるから怖い。
学生時代に観たベケットの不条理演劇と重なってきた。

夕暮れの田舎道に一本の木が立っている。舞台装置はそれだけの簡素なものだ。
男がゴドーがやってくるのを待っている。
「ゴドーを待つんだ」
男はただ待ち続けている。
ゴドーはやって来ない。
待ち合わせが、今晩なのか、それとも他の曜日なのかも怪しくなってくる。
噛み合わないピントがずれた会話が展開する。

ひたすら待ってもゴドーはやって来ない。
同じことが舞台で繰り返される。
ゴドーが何者であるのかも分からない。
男たちの口もとから出る意味不明の言葉は深遠な哲学だと読むには滑稽すぎる。
いや、この滑稽さこそが真理を突いた哲学なのだろうか。

サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』は脈絡のない戯曲だ。
Web劇場も不条理劇のように最後まで辻褄があわない舞台になってしまうのだろうか。

文字の花を生け続けていれば、誰かが気がついてくれる。
塚口雲景の花のまえで誰かが足を止めてくれる。
他人の名前を利用する検索侵入は「悪だ」と唱えてくれる人が必ず現れる。
その時をひたすら待ち続けているのに、足音は聞こえてこない。
雲景はやって来るはずのないゴドーを待ちわびる男の姿のようだ。

Web劇場から離れられたらどんなに楽だろう。
それなのに、何かの大きな力が雲景にはたらきかけてくる。
雲景に課せられた使命であるかのように、雲景をパソコンの前にすわらせる。
苦行のような毎日だ。

勉強会はあいかわらす口止めのヴェールで不祥事を覆っている。
○澤さんは来ないでほしいと願っているのに、やって来る。
雲景にしか出来ない役割が天から与えられているのなら天の指図に従ってみようと思う。
ピエロであろうと愚かであろうとも構いはしない。
勉強会の沈黙のヴェールの中で、雲景も沈黙する。

ゴドー(Godot)とはいったい何者なのだろう。Godだろうか?
男のもとにゴドーはやって来なかった。

雲景のところにGod はやって来ると思っている。文字の花を生け続けていれば、
いけばなの神様は、Web劇場を依代(よりしろ)にして降りていらっしゃる。
ベケットの不条理の舞台『ゴドーを待ちながら』にも一本の木があった。
作者がアニミズムを信じていたかどうか判らない。けれども不条理劇の中に自然の祈りを
一本の木に託していたのではなかろうかと思ってしまう。ねぇ〜、ベケットさん。

待っていよう。Web劇場が依代になる日を待つのだ。


                     続く(編集未完)
                     いけばな界とWeb界に、善き栄えあれ。
                     
Web劇場解明のためにメールの引用をご容認ください。
どる
づく