Gallery 7-23

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どる
花材:  栗 唐胡麻 モンステラ
花器: まどか
三栗(みつぐり)の 中にむかへる 曝井(さらしゐ)の
たえず通はむ そこに妻もが

                                          万葉集 第9巻 1745  高橋虫麿歌集
万葉集の花: 三栗(みつぐり)
現代名:     栗(くり)
山水にささやく
栗はブナ科の植物です。
『本草網目啓蒙』(江戸時代) によると名前の由来は、
「和名抄 皮色黒し 故に名く」 と書いてあるそうです。
梅雨のころ、穂状の白い花が咲きます。
日本の山野に自生する芝ぐりは、縄文時代の遺跡からも発掘されているそうですので、早い時期から食用にされていたのでしょう。

三栗(みつぐり) というのは栗が三つの意味ではなく、通常は一つの毬の中に三つの実が有る事からの呼称です。万葉集にはくりの歌が三首ありますが、くりの花ではなく、
二首が「三栗」 を詠み、一首が「栗」を詠んでいます。

三栗と歌ったときは、中の栗の実を抱くように両側に実があることからの掛詞のように推察されます。那賀郡(なかこほり)の曝井(さらしゐ)の歌一首、と書かれているので、
なかこほりの読みと、栗の実の中を掛けているようです。
曝井(さらしゐ)とは湧き水のことです。
そこに妻もが、はそこに愛する女性がいてくれたらいいのに、と願望を表しています。
づく
あなたがです。