山  行  報  告 

爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳


     2007/8/19(日)〜 8/20(月) 
     メンバー:小倉文夫(CL)、金澤千恵、桂暢生
     行程 : 扇沢→種池山荘→爺ヶ岳→冷池山荘→布引岳→鹿島槍ヶ岳
          →帰路は往路と同じ→扇沢
     交通 : 車1台
      
@ 8/19(日) 扇沢唐沢駐車場(7:00)→種池山荘(10:40-11:00)→爺ヶ岳南峰
    (12:00-12:10)→中峰(12:30-12:40)→冷池山荘(13:50)→幕営地(14:05)
A 8/20 (月) 幕営地(5:30)→布引岳(6:20-6:30)→鹿島槍ヶ岳南峰(7:15-7:30)
    →北峰(8:00-8:10)→南峰(8:45-9:00)→幕営地帰着撤収(10:05-10:45)
    →爺ヶ岳(12:30)→種池山荘(13:05-13:20)→扇沢駐車場(15:45-16:05)
    →大町温泉入浴・蕎麦屋(18:00)→四万温泉(21:00)         
B 8/21(火) 帰葉

今年の「わらじ祭り」は8/18(土)にクライミングボードの整備と訓練を主に開催。1週間前から山荘周囲の草刈り、設備整頓に汗を流した渡辺悟山荘部長と金澤名誉会長に感謝。クライミングボードを初めて経験する。小倉光男さんのザイルホールドを受けて初めてよじ登ってみた。何と素晴らしいトレーニングかと感心した。両手両足の筋力アップ、背伸びによる背骨、腰のねじれ・ちじみ・歪みを正す最高のストレッチ運動ではないか。最近は鴨居のぶら下がり運動もしない日常だ。何とか易しい方の壁を上がった。金澤千恵嬢は涼しい顔して何度も挑戦していた。バランスが良いな。明日からの山行があるからまた次回挑戦しよう。多くの人がこのスポーツを知るべきだと思った。良い汗かいて夕食会となった。

@ 8/19(日) 4:30 山荘に残る人達も巻き込んで起床。千恵嬢のお陰で立派な朝食となる。前夜山荘に入り寝て朝食を食べて出発できる、この利点が僕にはとても大きい。6:00 金澤、山口、小倉(光)の3人に見送られて扇沢に向かう。扇沢橋を渡った右手の唐沢県営駐車場に駐車。40台分スペースで約20 台駐車していた。身支度をして出発。「爺ヶ岳登山口」の立派な案内が出来ていた。1時間、樹林帯を登り小さなケルンで一息。ここから種池山荘が稜線上に小さく見えた。晴れているようだ。

爺ヶ岳登山口 小さなケルン

              
  柏原新道は良く整備された歩き易い登山道だ。鏡平への小池新道に引けを取らない。太陽に照らされない時間だから助かる。小規模な岩崩れ箇所を過ぎると稜線への登りで種池山荘に出た。生ビールの登りがヒラヒラこちらに向かって手を振っている。イヤーこんにちは。僕は良いが強力の小倉氏に酔っ払ってもらってはこの先困るのでガマンするよ。20人ほどの登山客がベンチで眺望を楽しんでいる。眼下の扇沢越しに針ノ木大雪渓が細く長い。針ノ木岳は大きいな。またその左手の蓮華岳がすごく大きい山容を見せている。小屋の右手(西方)からは岩小屋沢岳から針ノ木岳への従走路が始まる。ここは利用価値の高い十字路に立つ立派な山荘だ。一服のあと、爺ヶ岳に向かう稜線は快適に少しずつ高度を上げていく。爺ヶ岳南峰、やがて中峰に到着。360度展望一人占めの大パノラマの中にいる。南方には常に針ノ木岳が山岳図の中心にある存在だ。遠く槍ヶ岳、穂高連峰が見える。一昨年苦労した鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳も見つけた。行く手左手に冷池山荘と鹿島槍ヶ岳に続く稜線の黒部側は晴れ、信州側から湧き上がる真っ白なガス、上方は見えない。午前中は晴れていたそうだ。今朝出発する時に聞いた「上は晴れ」という山口さん予報に期待する。ハイマツ地帯の道、雷鳥は雨模様にならないと出てこないので今回もお目に掛かれないだろうな。
 

種池山荘と爺ヶ岳 爺ヶ岳中峰にて 鹿島槍ヶ岳はガスの中

   
  結構下って冷乗越に到達。ここは赤岩尾根に入る分岐地点。むかし金澤名誉会長と歩いた辛い下りを思い出すと膝がうずく。段差が大きい岩道だから一歩一歩がヨイコラショだった。これを登る人物が岳貴にいるのだから頼もしい。10分で冷池山荘に到着。立派な小屋。五竜岳方面への縦走者の拠点。幕営地は10分登った所。幕営代(500円/人)、水(150円/l)、缶ビール(700円/500ml缶)、トイレは水洗で清潔で気持ち良く思わずチップ箱を探すほど。まず10分程上にある幕営地に。西の立山連峰に低く覆い被さっていた黒雲が雷鳴とともに近づいている。急ぎ設営を終った途端に大粒の雨が来た。僕は千恵嬢との山行は初めて、今日のビールは格別の味、やはりビールにはいろんな味がある事を確信した。文夫さんは可哀相だけど1人でチビチビ愛酒を抱えていたが今夜は相棒が不在でペースが上がらない様だ。雨は激しくなさそうで早めに寝袋に入る。夜中、星空に変わっていた。

B 8/20(月)4時過ぎ起床。おじやリゾット+モチで朝食。 軽装で鹿島槍ヶ岳を目指す。布引岳までは雨上がりの朝日に光るお花畑と肺に吸い込まれる高質のオゾン。突然黒部側の谷から湧きあがるガスをスクリーンにブロッケン現象だ。朝日に照らされた自分のシルエットが映し出され両手が動くのが映る。後方の立山・剣岳連峰にも一斉に朝日が当り始めた。

 

朝日が眩しい 布引岳へ向かう 立山・剣岳連峰

            
 鹿島槍ヶ岳の双子峰のガスが消えた。南峰の登りは急だが短く2ピッチで登れ た。10人位の登山者がいた。そこから手が届きそうな北峰の頂上には既に20人位の登山者が見えた。日本百名山。360度の大展望だ。富士山が今日は低く見えるナー。昨日まで爺ヶ岳から見た北アルプス針ノ木岳、槍ヶ岳方面が更に一層全部見える。行く手を振り返れば五竜岳、白馬岳まで全部見える。要するに日本アルプス北端から南端まで見えた。しばし至福の時を過ごして北峰に向かう。

布引岳から鹿島槍ヶ岳南峰と北峰

      鹿島槍ヶ岳南峰


爺が岳、針ノ木岳、槍・穂高連峰 立山・剣岳連峰

   

五竜岳、後方に白馬岳 北峰と東尾根
北峰頂上にて 北峰から南峰を見る

 北峰の直下には痩せた尾根道にへばり付いて建っているキレット小屋が見えた。難所だ。北峰から見る南峰は険しく見える。実際は30分で登れたが雨だと緊張が必要だろう。南峰に戻りもう一度大展望を目に焼き付けた。千恵嬢が分けてくれたミカンの味は格別だった。ビールの味なんて大した事ないな。下りの足は軽く1時間で幕営地に戻った。もう鹿島槍ヶ岳はガスの中だった。2時間の晴れ間を山の神は与えてくれた。撤収を終えて山荘で登山靴ペンダントを買って爺ヶ岳の登りに掛かる。太陽が照りつけ暑さを覚悟したが、幸いにも黒部川からの冷風が心地よく吹き爺ヶ岳に到着。サルの軍団が我々の前を横切った様で今年はこの近辺まで登って来ているそうだ。ガイド付きのベテラン登山パーティー5,6組と行き交う。皆さん格好良い服装と道具だな。種池山荘で一服してすぐ下山する。午後の太陽に照らされ湿度も高く想定外の暑い道であった。黙々と下った。八代さん、渡辺さん早く回復して一緒に歩いて下さい。淋しいです。やっとこさケルンまで来たが汗が噴出す。終着点には半ば熱中症で到着した。扇沢の沢水が取れなくて困ったが、駐車場所に流れているU字坑の水に手を入れたら何と凍るように冷たい。飲めないが両足を浸け、手ぬぐいで頭と首、顔を冷やす。正気が戻ってきた。イヤー助けてくれるものがいろんな所にあるなー。今回も文夫さんに共同装備を一手にお願いしたが感謝するのみだ。
  大町温泉で入浴した後、近くの居酒屋「いこい」のとろろ蕎麦が絶品であった。6時過ぎ、千葉に向かって出発しようとした所で、群馬県の四万温泉に来ている僕の家族からヘルプを求められ急遽そちらに向かう事にした。上田経由、真田村鳥居峠の雷と豪雨は凄まじく路面から上がる蒸気で前が全く見えないが、スズキ車はぶっ飛ばした。竹葉館の温泉に汗を流して改めて山行終了に乾杯。されどビールだ。愉快な山行を共にしてくれた岳貴の仲間に感謝。
 “♪ガッキ―のナーカマは誇らしく、イヤッホッホー!“ 2007/8 桂暢生 記