春山山行 甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳


平成20年5月2日(金)〜5日 〈月)

コース 2日 千葉 新宿21:00特急あずさ35号 茅野駅23:24
     3日 伊那市長谷黒河内 仙流荘 戸台大橋 歌宿 北沢駒仙小屋
     4日 仙水小屋  仙水峠  駒津峰  甲斐駒ヶ岳 双児山 北沢駒仙小屋
     5日 大滝ノ頭  小仙丈ケ岳 仙丈ケ岳  北沢峠 歌宿  岳貴山荘

メンバー 小倉〈文)、高橋(英)
    
 当初、歩かなくても南アルプスが眺められる場所・二軒小屋あたりに八代さんと一緒に行こうと計画していたが、八代さんの体調が良くないということで、北沢峠を中心にした山行に変更した。今年のゴールデン・ウイークの天気は前半から晴れで安定している予報であった。ここに最初に来たのはまだ南ア・スパー林道ができる前の昭和52年9月、五井さんと黒戸尾根から甲斐駒岳そして仙丈ケ岳から早川尾根を通り御庭石鉱泉に下りる3泊4日のコースだった。その頃、仙丈ケ岳は奥深い山という印象が強かった。若きし頃、五井さんが食当で北沢峠では昼食に越後風雑煮、仙丈小屋のテント場では豆腐とサトイモの入った「のつぺ汁」を作って、重さを気にせず美味しくいただいた事が思い出される。南アルプス林道バスが走るようになって、南アルプスの中でも行き易い山域になった。

5月3日 〈土〉 曇りのちしぐれ
 夜行快速電車ムーンライトの指定席券が売り切れということで、新宿発21:00特急あずさ35号に小倉さんは乗ることになっていたので、前回と同じ茅野駅で待っていた。改札口に週末の勤め帰りのお客さんに混じって、大きなザックを背負った小倉さんが現れた。朝食のおにぎりを調達して、杖突峠から高遠町経由で村営バス停のある仙流荘に向かった。広い駐車場の片隅にテントを張って、6時5分始発のバスに乗るよう仮眠をとった。
 5時に起き、2台目の小型バスに乗り込み、戸台大橋を通り、7時歌宿に着いた。崩れた道路の工事現場、雪崩れの危険がある平右エ門沢を通り、2時間ほどで大平山荘に着いた。小屋はきれいに整備されており、谷の合間から中央アルプスが眺められた。ここから登る馬の背ヒュッテを通る薮沢新道は閉鎖されていた。ここから近道の登山道に入るため、スパッツを付けた。まもなくして、積雪が1m位ある北沢峠の長衛荘に着き、休憩を取ろうと中に入った。前回来た時と小屋の中の様子が違っていることを小屋の奥さんに話すと、10年前に経営者が変わって、今運営していると話してくれた。薪ストープで中は暖かく、他の登山者が食事をしていた。何か飲み物はと細かれ、どうせ後で缶ビールを買うつもりだったので500円の缶ビールを頼んだ。するとつまみになるような煮物、漬物をサービスだと3品も持ってきてくれた。まだ10時を回ったばかりで、まだ飲むには早いしどうしようかと迷っていたが、天気もあまり良くないし、2人とも嫌いな方じやないのでまあいいかと言う事で飲み始めた。 2本ほどで切り上げ、北沢駒仙小屋のテント場に行き、雪を踏み均しテントを道側に張った。水場は沢水を使わず、斜面に流れてくる水を使用するよう言われた。この頃になると天気が回復し、強い日差しが照りつけてきた。時間も早いので、仙水峠まで足を延ばすことにした。しかし、今日の天気は不安定で、仙水小屋あたりから雨がちらちら降ってきたため引き返した。今晩のメニュ−は牛丼である、玉ねぎ、春雨、牛肉を材料に、牛丼の素を使うと簡単に美味しくできた。地形の関係でラジオの電波が弱く、天気図は書けなかったが、明日は天気が良いと小屋の連絡板には書いてあった。

5月4日 〈日) 晴れ
 4時過ぎに起き、カニ雑炊を食べ6時に出発しキ。昨夜は星空のピーカンであったが、朝方は仙水峠方面に霧がかかっていた。1時間ほどで仙水峠に着き、駒津峰への樹林帯の急坂を登っていった。天気は晴れて、仙丈ケ岳、鳳凰三山は良く眺められるのだが、尾根の反対側は雲が湧き、霧の合間から摩利支天と甲斐駒頂上がわずかに見えただけでだったD まもなくして駒津峰に9時に到着した。六万石の分岐から夏道と冬道に分かれており、冬道が登山者で混雑していたのでトラパースする夏道の方へ向かった。摩利支天分岐から右にトラパースする沢は雪崩れるというのでほぼ直登して頂上に11時に到着した。霧の中の頂上には大勢の登山者が休んでおり、記念写真を撮ったりした。帰りは冬這を通り、駒津峰に12時30分に着いた。帰路は双児山を通って、長衛荘に下る道へ向かったD後で解かった事だが雪のある時期はこの道は通らないのだそうだ。双児山からの登山道下りは解かりづらく、赤い印を探しながら深い雪の中を下った。どうにか迷わないで3時頃長衛荘に着いた。他の登山者で賑わっている中、つまみ付きのビールを飲みながら、一日の労をねぎらった。テント場は40張ほど張られ、いつのまにか我らのテントは中心部になり、賑わっていた。さっそく夕食の八宝菜に取り掛かったが、材料の塩イかを水の中に入れ塩分を取るのだが、十分な時間がないためしょっばい八宝菜になり残ってしまった。

5月5日(月) 量りのち雨
 昨日は出発が遅くなったので、今日は3時半起床の5時出発にして、キムチ雑炊を食べ予定通り出発をした。2合目へという道標を頼りに樹林帯を登っていった。しばらくして一合日の手前で登山道に合流した。尾根道を登り、大滝ノ頭という道標のある薮沢小屋への分岐に8時半ぐらいに着いた。天気は量っていたが遠くの山まで望め、途中富士山が小太郎尾根の上に小さく眺められた。小仙丈ケ岳の手前からアイゼンとカッパを着けた。ガスも濃くなり、途中我々より早く出た登山者が戻ってきた。頂上に11時ぐらいに到着し、記念写真を撮っていると雨が当ってきた。 小倉さんと相談して、計画を変更し帰路につくことにした。それには1時30分までにテント場に_着き、歌宿4時15分売のバスに来らなければならない。この時間だとギリギリ間に合うと判断したD岳貴の小屋には金沢さん達が山スキーに入っており、小倉さんが乗って帰れるスペースがあれば、合流しようと考えた。そうと決れば下りは早い、同じ道をすたこらさっさと下った。長衛小屋から電話をかけると、車に5人乗りできるようなので、最終バスに間に合うよう急いだ。休みを一度も取らずに歩いたため、どうにか間に合い、お客は我々2人だけを乗せバスは下った。仙流荘で温泉に入り汗を流し、伊那市IC経由で小屋に向かった。                           (記=高橋(英))