一夜山と鬼女・紅葉伝説

【佐藤悦子さん・還暦のお祝い登山】

【2012・10・07】

 佐藤悦子嬢の還暦のお祝い登山を高橋(英)さんが計画してくれました、一夜山の山名さえも知らない会員もおられると思うのでそのいわれを紹介します。

一夜山は、鬼無里のほぼ中央に位置して、綺麗な円錐形に見えるこの山は、天武天皇のころ都をこの地に移すという噂が広がり、山に住む鬼どもは、自分の住処を荒らされてはたまらんとばかりに、村の真ん中に一夜にして山を築き妨害した、その後、天皇が安部比羅夫(あべのひらふ)に命じて、鬼を退治したので鬼無里という呼称と一夜山という名の山ができたとも伝えられています、山頂からは戸隠連峰、北アルプス、妙高山隗、雨飾山から浅間山、富士山まで、360度の展望が楽しめます。

紅葉伝説は、Lively信州(ライブリーしんしゅう)によると、鬼無里の名の由来については諸説があるようです、その中の一つに、このような一人の美しい平安乙女が京を追われ、この地で短い生涯を終えた悲しい恋の物語で地名の由来として昔から語り継がれています。

昔、この地に京の都から「呉葉(くれは)」という美しく高貴な女性が配流されてきました、里の人は都から高貴な身分の姫がいらっしゃったと崇め奉って、この地に集まり土地の産物を貢いだり加持祈祷を依頼して病を治してもらったりしたので、姫の名声はいやがうえにも高まりました,呉葉が都恋しさにその集落を「西の京」「東の京」「加茂川」「二条」「三条」など平安の都から名を取った地名をおき呉葉を慰めました、地名は今も残っています、呉葉は名を「紅葉(もみじ)」と改め、高貴な女性で民衆に仁恵を施す恩人の「貴女」として讃えられました、やがて悪者達に担がれて盗賊の首領となり荒倉山に移り住み、旅人を襲って豪勢な暮らしをするようになりました、人々は彼女を「鬼女」と呼ぶようになり、京の都まで知られるようになり、朝廷は平維茂(たいらのこれもち)に鬼女討伐を命じ、苦戦の末,紅葉を討ち果たしたといわれ、それまで水無瀬と称していたこの地は、以降、鬼の無い里、「鬼無里」と呼ばれるようになったということです。 

 

 鬼の岩窟(岩屋)

 竜虎トンネルの入口(出口)の前の広場が鬼の岩窟(岩屋)への登山口です、岩窟まで100bの標識が建てられています、紅葉が隠れ住んだ〈根城としていた〉といわれる,岩屋です、高さ2b、奥行きは15bもあるそうです。

 

岩窟脇の広場

 岩屋(岩窟)前の広場です、広さは6〜8畳位?あります、能の観世流の御参りも多いようです、記念の杭〈標識〉が多数建てられています。

 

鬼の岩窟前です

 左より今回の計画者の高橋(英)さん、贈呈された赤いベスト(チャンチャンコ)を着用の佐藤嬢、桂嬢、金澤先輩、小倉(文)さん、渡邊〈悟〉さん、小倉(光)さんです。

 

還暦の祝い登山・一夜山

一夜山の登山口

 一夜山の登山口です、デコボコの砂利道を無理して登山口まで車を入れてくれました、下山してきたパーテイは手前の舗装道路脇に駐車してありました、二十分ほど歩かなくてすみました、周りの山々の紅葉は年々遅れてきています、クヌギ、ブナ,コナラ、クリ、カラマツなどは全く紅葉の気配さえ感じられません。

 

ツキノワグマのヤマブドウ摘み?

 ツキノワグマ?が立ち上がってヤマブドウを摘んでいるようにも見えますが,それは間違いで、正真正銘の人間です、最近は採取するのが困難な場所が多いのですが、一寸無理をすれば採取できました、熟さない青い実(果実)も多かったです。

 

岩壁?

 人工の岩壁です、無残にも山肌が削りとられた跡です、奥裾花ダムの建設用に岩石が削り取られた跡です、上部には落石防止の金網が張られています。

 

山頂まで500bの標識

 山頂まで500bの標識です、車高の高い四輪駆動車が入れる限界ギリギリ?の勾配です?

 この標識を越えると一段と勾配が急になります、クヌギ、ブナ,コナラ、クリ、カラマツ、などの雑木林に入ります。

 上方に点のように見えるのは、佐藤嬢、下の二人は右から渡邊〈悟〉さん、右側が小倉(光)さんです。

 

一夜山山頂(1562b)

 360度の大展望が出来るはずなのですが、あいにくのガスで全く駄目でした、驚く無かれこの山頂から富士山が見えるのですが、今回は残念でした、鳥居も山頂の標識、鬼女伝説の碑も、方位板も全て新しいものが建てられていました。

 

山頂での記念撮影

 

 前列、左より金澤先輩、小倉(光)さん、後列、左は赤いチャンチャンコならぬベストを着て恥ずかしそうな佐藤嬢、渡邊〈悟〉さん、高橋(英)さんです。

 

登山道脇のキノコ

 美味しそうなキノコですが採取して食べる気にはなれません、一回だけは食べられるかも知れませんが、それ以上は保障できません。

〈2012.10.09・ 山口 峯雄〉