飯豊山

【2012・9・22〜9・24】

9・22・川入〜三国小屋

 いつの例会であったのかは忘れてしまったが、一番行きたい山はどこですかと聞かれたので東北の飯豊山ですと話しました、すると月報・カラビナに九月の山行として計画されていました、渡邊〈悟〉さん、小倉〈文夫〉さんが計画してくれたのです、恐らく二人だけの山行であれば一泊二日での登頂が可能であったであろう、私の為に二泊三日の山行になってしまった、以後、飯豊山に川入りから登る山行図書を何回か読み、自分なりに理解をしたつもりであったが、この山の参考図書は、さっと書き印してあるので登ってみて初めて気がつきました、想像以上にきつかったということです。

 早朝に御沢野営場に着き、二時間ほどの仮眠後、歩き始めました、横峰小屋跡までの長坂と呼ばれる尾根登りになります、ブナ林の中の急登です、古くから本山詣でのメーンコースで、下・中・上・十五里、笹平と休憩には良い場所がある、道はここから先、所々深くえぐられていて、身がその中に没するほどです、雨の日は流水溝のような状態になる、私達は下山日にこの流水溝の中をジャブジャブと下った。

 横峰小屋の跡の先で、地蔵山へのショートカットコース(小白布沢コース)と合わせる、このショートカットコースは普段は鎖錠されていて入れない。

 分岐には標識がある、道標の指示通りに左に進むと、水場に着く、登山用の地図には峰秀水と印されている、盛夏でも枯れることがないとのことである、冷たく美味しい水である。

 水場から一旦登り返し、しばらく平坦状の道を行きます、樹林帯を抜け出ると剣ガ峰の岩稜の取り付きです、地図上では僅かな距離であるが登ってみて(降ってみて)気がつきました、強風時や、降雨時に、七十近い者が単独で登る山で無いということです、幸いにも私は両パートナーの適切なリードで強風雨の中を無事に下ることが出来ました。

 私にとっては二十代初めの春山の北鎌尾根から穂高岳への縦走より難しかった、雨で岩が濡れていただけではない、年令のせいかな?

 ようやく岩稜を終えると、右側に水場へマークがある、三国小屋の水場でトラロープがフィックスされています、急な崖状を登りきると三国岳(1644m)の山頂に立つ三国小屋です、今日の宿泊の予定地です。

 今夜は二人ずれと小屋の管理人、管理人の仲間、飯豊山のガイド協会員とその仲間四人、それに私達の三人でした、小屋は最近建て替えられたようで新しく中も綺麗で気持ちが良かったです。

 ただ欲を言えば、水場が急な崖状の箇所を下らなければいけません、小屋の中のトイレも綺麗で悪臭などはしません、簡易水洗トイレです、切合(キリアワセ)小屋も、本山小屋もトイレの作りは同じようです。

 参考図書には山頂からは大日岳や飯豊本山の眺望が良いと説明されていますが、今日は駄目でした。

 小屋の使用料金は協力金という名目で2,000円/人を徴収されました、923日までは管理人がいます。

 

9・23・三国小屋 ⇔ 飯豊山

 昨夜半から降り始めた雨は相変わらず降り続いています、昨日よりも風が強いようです、雨具を着けて、三国小屋を後にして一旦下り、七森・展望台に登り返します、途中にクサリ場,梯子があります、登りきると展望台です、展望は強風雨で全く駄目でした。

 七森から種蒔山に向います、大きな起伏がない歩きやすい道です、右に大杉コースへの分岐を過ぎると切合小屋(キリアワセコヤ)に着きます、この季節は管理人が入っていて、休憩はザック小屋の外、雨具を着用して小屋の中には入れません、私達は外で立って休憩をして先に歩を進めました、小屋の外の温度計は八度Cでした、風が当たらない所の温度です。

 小屋からは草履塚の登りになります、急登です、左右は初夏であればお花が満開であろうに、残念ながらその気配は肌で感じるだけです、登りきれば,飯豊本山、大日岳の大パノラマが展開するはずなのに、全く駄目、道は一旦、姥権現のある鞍部まで下りになります、お地蔵様が一体祀られています、赤いおべべを着ています、今日の無事を祈願して歩き始めました。

 いよいよ、御秘所の岩稜です雨に濡れていて嫌らしい、登りです、強風雨の中の降りは少しばかり心配、御秘所を登りきると、飯豊山神社への登り、御前(オマエ)坂と呼ばれています、道の左右には、枯れたヒナウスユキソウが見られます、岩礫帯のジグザグの登りで嫌なところです、登りきれば一ノ王子です、奥に本山小屋と飯豊山神社がある。

 飯豊山神社から、飯豊山への登りが以外に苦しかった、地図では二十分ほどの僅かな時間であるが、下から見ると、あそこが頂上かと思うと、又現れてくる、頂を三つ程間違えた、またかと言う感じであった、強風雨の中で眺望は全くなしであった。

 頂上には木柱の頂上を示す標識と、小さな祠が祀られてありました。

 一等三角点にタッチして、記念撮影をして下った。

 

9・24・三国小屋 ⇒ 川入

 昨夜は大分強い風が吹いたようです、屋根を打つ雨音も一段と強くなったようだ、雨の中の下山か、そんなことを考えている内に眠りに着いたようです。

目が覚めると、悟さんは既に起きていて朝食の準備をして呉れていた、相変わらず濃いガスと、強風、霧雨であった、癒欝な下山である、朝食中に一段と風雨が強くなったようだ、一人では危なくて下れない天候。

剣ガ峰の岩稜の下りが心配、昨日の行動で雨具は勿論、靴までグショグショです、燃え上がらない気分で出発準備完了、重い腰を渋々あげる、今日一番の難所、剣ガ峰の岩稜を、パートナーのリードにより無事に通過、以外に時間が掛かった。

 後は、一目散に下るだけ? 身を没する深い流水溝の中をジャブジャブ下る、耐風姿勢をとりながらの雨中の山行は久しぶりであった、キャンプ場に着くと、皮肉にも霧雨になり、時折青空が顔を出した。

悟さん、文夫さんのリードに感謝します、ありがとう。

 

 帰りに飯豊温泉で入浴をしました、入浴料金は500円です、大盛蕎麦も1,000円で僅かにお釣りがあります、量も多くお腹一杯になりました、美味しかったです。

 

〈2012.09.30・ 山口 峯雄〉