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< キャッシュフロー計算書 (C/F) −その6− >
前回まで5回にわたり、「T.営業活動によるキャッシュフロー」について、簡単に説明しました。
今回は、次の大区分の「U.投資活動によるキャッシュフロー」です。
「U.投資活動によるキャッシュフロー」では、
有価証券・有形固定資産などの投資資産について、その投資活動によるお金の増減を示します。
この区分では、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)では、
単純に(場合によっては全然)読み取ることができない投資活動によるお金の動きを表示します。
過去に購入した帳簿価額700万円の有価証券を、
1,000万円で売却した場合(売買手数料は無視します。)を考えてみましょう。
この場合、損益計算書では、1,000万円−700万円=300万円が、
有価証券売却益として計上されます。
しかし、有価証券売却益300万円という情報だけでは、いくらで売却したか判りません。
帳簿価額1,700万円の有価証券を、2,000万円で売却した場合でも、
有価証券売却益は300万円です。
売却した有価証券は過去に購入していますので今期のお金の動きに影響しませんが、
売却額が1,000万円か、それとも2,000万円かは、その会社のお金の余裕度がぜんぜん違うこととなり、
その会社の今後の活動にも影響してきます。
(取引先としては、取引相手の資金繰り内容が気になることが多いと思います。)
逆に固定資産・有価証券を購入した場合も、
貸借対照表や損益計算書では購入によるお金の動きは単純には、読み取れないため、
この区分で調整します。
このようなお金の動きを調整し表示するものが「U.投資活動によるキャッシュフロー」です。
貸付金の支出や回収による増減もこの区分で調整されます。
(借入金の増減については次のVの区分で調整します。)
「U.投資活動によるキャッシュフロー」の次の大区分は「V.財務活動によるキャッシュフロー」となります。
<次号に続く>