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< 課税方法が、簡易から本則になった場合は、資金繰りに注意を! >
平成15年の税制改正で簡易課税制度の適用上限が2億円以下から5千万円以下へ引き下げられた事により、従来簡易課税制度の適用を受けていた多くの事業者が、本則課税に変更になると予測されます。
本則課税の場合、消費税額の仕入税額控除の計算に関する税法上の規定で、帳簿及び請求書等の記載事項の要件がありますので、各税理士事務所等では、この記載事項の要件について注意を喚起しています。
また、経営者の方には、上記の実務上における注意のほかに、消費税の課税方法が、簡易課税から本則課税に変更になることにより、資金繰りに影響が出ることにも注意していただく必要があります。
資金繰りに影響が出る原因は、今回の消費税法の改正理由である「簡易課税制度選択による益税(消費税差益)」です。この消費税差益が本則課税により、納付する消費税額として支払うことになります。
特に、消費税差益が多かった事業者ほど影響が大きくなりますので、簡易課税から本則課税に変更になる事業者は、一度ご確認のうえ、必要であれば早めの資金繰り対策を!
消費税差益額の確認は、税抜き経理の場合、決算書の科目内訳書の雑収入の消費税精算差益(事務所により表現は多少違います。)で確認できます。税込み経理の場合は、一目で確認出来るものがないために、更に注意が必要かもしれません。
最後に、従来消費税の免税事業者であった事業者が、新たに課税事業者になる場合は、確実に申告納付の時期に資金繰りに影響が出ますので、納付予測額の月割りを定期積立するなどの納税準備を心がけることが大切です。