< 貸借対照表による健康診断 −その2− >
貸借対照表は、
ある時点での残高(資産・負債・資本)を示す財務諸表です。
英語でバランスシートといわれており、よく
「B/S」といわれているものです。
今回は、下記の構成パターンでの例で、いくつかの診断例を紹介します。
参考文献:「わかる財務分析 できる経営助言」 (TKC出版)
下記の(図1)〜(図3)の状態を、放置したままでいると、右記の債務超過の状態になる可能性が大きくなります。
(図1)は、動脈硬化
○ 売上債権(売掛金等)の占める割合が大きい
○ 売上債権の回収努力不足 → 資金(血液)の循環不良
○ 資金繰りの悪化
(図2)は、糖尿病
○ 在庫の占める割合が大きい
○ 在庫管理の不徹底 → 不良在庫の存在
○ 徐々に資金繰りを悪化させる要因
(図3)は、心身症
○ 資金の出入りが不透明
(内容不明の
仮払金・仮受金や
役員貸付金・役員借入金の増加)
○ 場合によっては、不透明さが原因で、資金調達が困難になる場合も
○ 黒字の場合には、税務調査の対象にもされやすい
資産・負債および資本のバランス(構成割合)も、経営判断の一つの材料となります。
また、人間の病気場合と同様に、すぐに状態を良くする特効薬はありません。
日頃の健康管理(
経営計画)や地道な改善努力が重要となります。