ホームページのトップページへ!
−牛膓康則税理士事務所−
Copyrighit©2004 牛膓康則税理士事務所
所得税に関する税務情報
所得税に関する税務情報
< 政治献金をした場合の所得控除と税額控除の有利不利 >
 個人が、平成7年1月1日から平成16年12月31日までに支出した政党または政治資金団体(以下「政党等」という)に対する政治活動に関する寄附金で一定の要件に該当するものについては、所得税の計算上、選択により、所得控除の「寄附金控除」または税額控除の「政党等寄附金特別控除」の適用を受けることができます。

 ここで、どちらも控除という表現となっていることから、「どちらが有利なの?」と尋ねられることがあります。
答えは、残念ながら、「個別に計算してにみないとわからない。」と答えるしかありません。ただ、所得がある程度ある人であれば、税額控除の政党等寄附金特別控除の方が有利になるケースが多いと思われます

 所得控除の寄付金控除は、所得税率を乗ずる前の課税所得金額を計算する際に所得金額から控除するものであり、税額控除の政党等寄附金特別控除は、所得税率を乗じて計算した所得税額から控除するもので一概に比較することはできません。
 
 また、寄附の対象として、(1)政党、(2)政党の政治資金団体、(3)国会議員主催等の政策研究団体、(4)議員の後援団体、(5)立候補者の後援団体、(6)特定の候補者が考えられますが、税額控除の政党等寄附金特別控除は上記(1)、(2)に対するものに限られますので、上記(3)から(6)に該当するものがある場合には(3)から(6)に対するものについては、所得控除の寄付金控除を適用することになります。自分の行った寄附がどれになるのかは、寄附先にお問い合わせください。
なお、どちらの控除を適用するにしても、確定申告の際、政治資金規正法に則って選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金控除(税額)のための書類」の添付が必要となります。

−計算例−
(仮定) 妻と子供2人で年収約600万円の場合
      寄附金控除適用前の所得金額 250万円(総所得金額426万円)
      政党等に対する寄附金 5万円(他に寄附金控除の対象となるものはないとして)

<所得控除の寄付金控除の場合>
  所得控除額 : (1)5万円(支出額)
             (2)426万円×25%=106.5万円(限度額)
             (3)(1)と(2)の低い金額(5万円)−1万円(足切額)=4万円

  課税所得金額     250万円−4万円=246万円
  上記に対する税額   246万円×10%(税率)=24.6万円
  定率減税額       24.6万円×20%=4.92万円
  申告税額        24.6万円−4.92万円=19.68万円


<税額控除の政党等寄附金特別控除の場合>
  課税所得金額    250万円
  上記に対する税額  250万円×10%(税率)=25万円

  税額控除額 : (1)5万円(支出額)
             (2)25万円×25%=6.25万円(限度額)
             (3)(1)と(2)の低い金額(5万円)−1万円(足切額)=4万円
             (4)(3)×30%=1.2万円
     
  差引所得税額 25万円−1.2万円=23.8万円
  定率減税額   23.8万円×20%=4.76万円
  申告税額    23.8万円−4.76万円=19.04万円

以上より、上記の仮定の場合は、税額控除の政党等寄附金特別控除を適用した方が6,400円有利となります。

 支出額が控除限度額より多い場合や他に政党に対する寄附金以外の寄附金控除の対象となる寄附金がある場合には、計算が複雑になりますので、実際にどちらの控除を適用した方が良いかは、お近くの税務の専門家にご相談ください。
         
このページの最初に戻る!
「寄附金控除」「政党等寄附金控除」の内容の詳細は、国税庁のタックスアンサーをご覧ください。
税務情報の目次へ戻る!