葡萄の寿命は数十年以上有ると思いますので,しっかりとした品種選びと健全な苗を購入する必要があります。私は葡萄栽培資材・苗販売の専門業者から購入しました。土壌にあった台木を使用し素人でも栽培できる品種であることを条件に下記の「バッファロー」と「竜宝」を選んで頂き,数々の栽培技術指導を受けました。
 その後,少し自信がつきましたので最新の品種である「ゴルビー」を導入しました。しかし,「ゴルビー」は当地の気候・土壌に合わないのか,私の技量不足からか満足できる収穫が得られず,2008年末で栽培を断念し,代わりに,「ロザリオビアンコ」と「ウインク」を導入しました。
 苗木を購入される場合は,専門業者からの購入を勧めます。成長点培養によりウィルスフリー化したGMP(M.T.C)苗はホームセンターや園芸店での購入は不可能と思うし,園芸店によっては,黒色4倍体の葡萄は品種にかかわらず全て「巨峰」と表示して販売しているようにも思えます。
(2011年10月30日追記)
 バファロー
 アメリカ系2倍体品種で別名アーリースチューベン。黒色・短楕円型・中粒・中〜大房の超早生品種で,栽培が容易で家庭栽培用として適していると思います。
  • 超早生品種であり7月末から収穫できる。
  • ヤマブドウの風味があり糖度が高い(17度以上)。
  • アメリカ種の特徴として病気に強く,栽培が容易。
  • 樹勢は中庸であり古い枝からも出芽するので剪定も気楽に出来るし,棚面積が狭くても栽培が容易。
  • 収穫せずに放置すると10月中旬までは品質の劣化が少なく,約3ヶ月の長期にわたって収穫できる。
  • 欠点としては, ジベレリン処理し果粒の肥大と早熟・無核化を図るさい,無核化されにくい品種であり,いくぶん種が残る。
 96uのウインクとロザリオビアンコと共用の棚に各1本づつ植えていますが毎年600房ほど収穫できます。また,枝は細めですので剪定時に切り捨てた枝はカズラ細工の材料として重宝され,妻や近所の奥様方の趣味に役立っています。
  
 竜宝
 ゴールデンマスカットとクロシオとの交配により誕生した紅色の大粒品種です。4倍体品種の中では栽培の容易な高品質の葡萄です。山梨県竜王町(現・甲斐市)の町の宝として「竜宝」と命名されたものです。
  • 糖度が高く(18度以上)風味豊かで,果皮と果肉の分離が良く果汁が多く,食味の良さには好評を得ています。
  • 樹勢は強く狭い棚での栽培には苦労するが,病気に比較的強い。
  • 巨峰のような花ぶるい性はないが,着粒はやや粗である。
  • 8月中旬から9月末までが収穫期。
  • 多く結果させても鮮やかな紅色に着色する。
  • 欠点としては,脱粒し易いことと果肉が軟らかいため輸送時に傷み日持ちしないので店頭には殆ど並ばない。主に観光ぶどう園用として栽培され,産地でしか味わえない葡萄であり贈り先にはかえって喜ばれます。
 平成3年春に,成長点培養によりウィルスフリー化したGMP(M.T.C)の苗に植え替えました。糖度が1〜2度程向上し品質も良いようです。栽培されるならGMP(M.T.C)苗の購入を勧めます。
 91uの棚に1本だけ植えていますが,栽培開始以来約20年間にわたり何の問題もなく栽培できていて,毎年600房以上収穫できています。耐輸送性がないことの欠点は自家消費用ですので問題はなく,栽培のし易さや食味の良さから,家庭栽培用品種として特に優れていると思います。

 
 ウインク
 ルーベルマスカットと甲斐路から生まれた欧州系品種。新しい品種のようで果物屋さんの店頭ではほとんど見かけませんが,大ブレークする品種だと思います。
 2008年12月にウィルスフリー化した苗を植え付け,2010年・2011年と2年間の収穫をした感想です。
・欧州系品種とのことで,病気に弱いのではと覚悟したのですが目立った病気は見られません。雨よけの効果と思います。
・裂果はほとんど無く,あっても1房あたり1粒程度です。たとえ裂果したとしても果肉がしっかりしているためか腐敗はしないようです(竜宝は必ず腐敗する)。
・ジベレリン処理の効果は,収穫初年度(2010年)に約半数の花穂に満開後15日に処理をして無処理のものと比較しました。果粒の大きさにはほとんど差がなく,処理すれば熟期が早くなるようです。当地では台風の心配があるので2011年は全部の花穂に処理,無核化のための処理(満開時〜満開3日)はしなくても,種は少なく食す時に気にならない程度でした。したがって処理は1回で良いと思っています。
・果皮と果肉の分離は困難で皮ごと食すのですが,パリパリとした食感と糖度21度〜約22度と高いため食味の良さに好評を得ています。
・果肉がしっかりしているため,輸送性・保存性にも優れていると思われます。
・着色は,カタログのような黒色にはならず,写真のような濃いルビー色となりました。当地の気候の関係だと思いますが,この色が本来の色だと勝手に判断し満足しています。
・最大の欠点(?)は樹勢が非常に強いことです。樹型をどうするべきか悩んでいます。隣のバッファローのテリトリーを減らし,この品種の収穫拡大を図りたいと考えています。

 ロザリオビアンコ
 ロザキとマスカットオブアレキサンドリアから生まれた欧州系品種。2008年12月にウィルスフリー化した苗を植え付け,2010年・2011年と2年間の収穫をした感想です。
・欧州系品種とのことで,病気に弱いのではと覚悟したのですが目立った病気は見られませんでした。雨よけの効果と思います。
・単為結果した小さい果粒が数多く発生し,これはほとんど裂果して腐敗していました。袋掛するときに単為結果した小さい果粒は徹底して取り除いたが良いと思います。単為結果に対するフルメットの効果は確認していません。
・ジベレリン処理は,果粒の肥大と早熟のための処理をし,無核化のための処理(満開時〜満開3日)はしていませんが,種は少なく食す時に気にならない程度です。したがって処理は1回で良いと思っています。
・果皮と果肉の分離は悪いので皮ごと食します。糖度19度と高く,果皮や果肉はウインクより少し柔らかい。
・若木の為か花穂の発生が少なく,それも貧弱なものが目立ちました。多数の枝を発生させて花穂の付具合を見て,枝の整理をしょうと考えています。
・樹勢が強いことも問題のようです。樹型をどうするべきか悩んでいます。