竜宝1本用に91平方メートルの棚を前庭に,バッファローとウインクとロザリオビアンコの各1本用に96平方メートルの棚を後の畑に作りました。4倍体の品種では伸長が旺盛であり広い面積が必要ですが,剪定や日常の管理で何とか栽培できています。一時期,垣根作りも試みましたが,棚作りのほうが気候風土に合っていると思います。葡萄棚と言えども庭の一部と考え,日陰を利用した憩いの場としての要素も考慮して設計しています。
 以下に8m×12mのバッファローとウインクとロザリオビアンコ各1本用の棚について説明します。(2010年1月に1.7m×11m拡張)
 
  • 柱:直径約10cm・長さ250cmより長めの杉丸太,直径10.6mm建築用ボルト・ナット
  • 横の構造材:直径4.8cmの建築足場用鋼管,同直交クランプ・同自在クランプ・ストレートジョイント
  • 針金: 直径3.2mm(10番)のビニールハウス用針金(超厚亜鉛メッキ鉄線)
  • その他: 防腐剤,防蟻材,さび止め用亜鉛塗料
左:ストレートジョイント
右:自在クランプ
 
 柱には足場用鋼管が耐久性の点では優れていますが,見た目に落ち着きのある杉丸太を使いました。我が家の周りにはシロアリが多く,コールタールだけではシロアリの害を避けることが出来ません。そこで元から1mほどには防蟻剤を塗り,さらにその上からコールタールを塗布して50cmほど土に埋め込みました。その上部はクレオソートを塗り雨の害を防いでいます。これで10年以上もっています。

2010年1月追記
 少し拡張するために,ホームセンターでコールタールを探したところ見あたりません。おそらく,コールタールの発ガン性が問題になり販売を中止したのではと推察します。同様に,クレオソートも臭いや発ガン性物質を低減した環境配慮型製品に変わっていました。
 図2のような間隔で柱を立てます。柱が高すぎても後で切り取ればよいのですから気にする必要は有りません。次に,全ての柱に地上190cmの所に印を付けます。ここが棚の下面の高さになります。棚が水平でないと見た目に良くありませんので,私はトランシットを使いましたが,昔の大工さんがやっていたように水道ホースを使い「連通管の原理」で水平面を見出すのが簡単だと思います。
 棚の高さはもっと低い方が手入れが楽に出来ますが,棚下を利用することを考慮して高めにしました。棚の下にテーブルを置きお茶を飲む楽しみや,子供のブランコを設置することも出来ますし,何よりも開放感があります。
 印の所に直径12mmの穴を水平に開け(水平にあけるためのドリルの工夫),柱の直径より6cmほど長い建築用ボルトを通しておきます。
 尚,暴風対策として図2の柱a-b,d-e,f-gには写真のように筋交いを,柱g,h,i,jには斜めの支柱を取り付けました。
 当初は横の構造材に細めの杉丸太を使いましたが,杉丸太は横にして使用すると,割れ目に雨水が浸入し3年ぐらいでダメになりました。足場用の鋼管は亜鉛メッキが施されていて耐久性があり,部品も各種用意されているので組み立ても楽に出来ます。夏には鋼管が高温になりますが,障害は認められません。
 長さは1m〜5mの1mきざみの規格で販売されているようですが,継ぎ手が柱間の中間付近になるとたわむので,継ぎ手が柱の近くに来るように設計する必要があります。図2のような間隔で鋼管を配置したが問題はありません。
 鋼管を柱のボルトに乗せ柱と針金で固定します。鋼管相互の交差部は「直交クランプ」で固定しました。柱が長すぎて鋼管より上に突き出ている部分は,この後に切り取りました
 普通の軟鉄線はすぐに錆てヤスリのようになり枝を傷つけます。また,手入れや収穫の時に錆が目に入る恐れもあります。樹脂被覆鉄線は,皮膜に傷がつくとそこから錆が浸入し切れ易くなります。農業資材販売店でビニールハウス用超厚亜鉛メッキ鉄線として販売されているアメ色がかったのものが葡萄棚用と同じものだと思います。軟鉄線より硬めですが地中に埋め込んでもほとんど錆の発生はありませんし,農薬にも強いようです。重量での量り売りをされていて,この10番線を使いました。
 葡萄は毎年枝の配置変えをしますので,ツルは棚の下側に位置せねばなりません。その為に冬の剪定時に棚の上を這っているツルはすべて棚下に下ろします。そのとき針金の交差部を固定しておくと作業が困難になります。また,針金の間隔が狭いと作業に苦労しまが,間隔が狭いほど新梢の誘引は楽になります。私は40cm間隔で張っていますが,専門家の棚はもっと狭いようです。