ピ ー マ ン 栽 培 の 診 断 表 

<翻訳>                                                     更新日:2008年 8月28日


     1.全体的な状況

  @ うどん粉病、葉かび病、灰色かび病が多発する。
  A 圃場にキノコが発生している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  B 欠乏
・・・・・・・・  未熟堆肥や未熟有機物肥料の投入

     2.根・茎の状況(昼間、葉が萎凋しているかどうか? 萎凋していれば根際の茎を調べる) 

  @ 根際の茎が水浸状となって軟化している。 (青枯れ病であり、抜き取って焼却処分)
  A 根際の茎は硬く、縦に裂開した傷跡がある。
  B 根は少し黄味を帯びた白色で、細根、毛根は殆ど無く太根のみで根こぶを発生している。
  C 茎の下位、上位を問わず、縦に裂開した傷跡がある。
  D 上位の茎に沿って褐斑がある。

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B 欠乏
B 欠乏
B 欠乏
B 欠乏

     3.葉の状況

  @ 上位の葉の葉脈間に濃淡があり、太陽に向かって透かすとその濃淡が明瞭に分かる。
  A 葉の先端が黄化又は黄褐色になる。
  B 下葉から枯れあがってくる。
  C 上位の葉の周縁はカップ状に湾曲している。
  D 葉に縮みが出来て、一見バイラス症状である。
  E 葉の中心葉脈を軸として、下方に「へ」の字型に折れ曲がっている。
  F 葉に不定形の褐色の斑点が発生しており、その位置は表裏同じ位置にある。
  G 葉に点々と白色の斑点がある。
  H 葉脈と葉脈の間に帯状や点状の不定形な黄化斑点がある。
  I 葉の片側が葉脈も含め、鮮明な黄色化している。
  J 葉の周縁から葉脈も含め、内部に向かって鮮明な黄色となっている。
  K 葉脈は緑色をしているが、葉脈と葉脈の間が全面的に黄褐色化している。
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Ca欠乏
K 欠乏
Mg欠乏
Mo欠乏
Mo欠乏
B 欠乏
B 欠乏
Cu欠乏
Zn欠乏
Mn欠乏
Mn欠乏
Fe欠乏

     4.果実の状況 

  @ 果の花落部に凹んだ褐斑がある。
  A 奇形果多い。
  B 落花・落葉が多く、果のとまりが悪い。
  C 果肩部が縦に裂開している。
  D 果の所々に不定形の水浸状の褐斑がある。
  E 日持ちが悪い。
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Ca 欠乏
Ca 欠乏
B 欠乏
B 欠乏
B 欠乏
Mo欠乏


[ 対 策 ]
1. 硼素(B)欠乏

  元肥として、10a当り硼酸1kgと、Mo欠乏対策として、モリブデン酸アンモニウム20gを約20gの熱湯(80℃以上)にて、ポリバケツ内で溶
  かし、それを200g以上に希釈して、通路を含めて動噴で全面均等に散布して良く耕起する。但し、年間2回以内とする。

  微量要素(グリーンアップ)を継続して使用の場合は必要なし。

2. K欠乏

  10a当り硫酸加里20kgを追肥する。

3. Cu欠乏

  定植後、本葉10枚展開の時に3:3ボルドー液200gを10a当りとして葉面散布する。

  『 3:3ボルドー液の作り方 』
  硫酸銅(工業用)600gと消石灰(水酸化カルシウム=化学用微紛)900gを各々50gの水にて良くかき混ぜながら溶解する、

  この両方を混合すればよい。

4. 栽培中に生じたFe,Cu,Zn,Mn,Mo,B欠乏

  この場合は、微量要素(グリーンアップ)を1000倍に希釈して潅注し、また、2000倍にて葉面散布を行う。

   *土壌のPH(KCL)が6.8以上の場合は、主として葉面散布で、
   *  〃    〃    6.6〜6.8では、葉面散布と潅注で
   *  〃    〃    6.5以下では、主として潅注で行う。
                      << 10a当り、20g/月を使用する。 >>

5. Ca欠乏

  Ca過剰でも、過少でも生じる。土壌の分析をしなければ判断し処置できない。とりあえず、塩化カルシウムの0.3%液(3Kg/1000g)の
  葉面散布を4〜5日おきに3〜4回行う。

6. Mg欠乏

  硫酸苦土又は塩化苦土の0.3%液(3Kg/1000g)の葉面散布を4〜5日おきに3〜4回行う。

7.キノコの発生(NH−N過剰)

  キノコの発生は根がキノコ菌糸に侵され、草勢が著しく減退して収穫も減少する。

  キノコの発生した場合の対策は無いので・・・・

   @ 未発酵堆肥は絶対に使用しない。
   A 栽培期間中、尿素やアンモニア態窒素を多く含む肥料は使わない。(アンモニアの害)
   B 発生期間中はグリ−ンアップの葉面散布を週2回励行する程度の対策しかない。



生育段階における適温
発  芽 育  苗 定 植 後 備    考
昼間 25 〜 30℃
夜間 20℃
移植床 25 〜 30℃
昼 間  25℃
夜 間  15 〜 18℃
最 低  15℃
昼間気温     28℃
夜間気温 最低 16℃
地 温   最低 18℃
開花時は10 〜 15℃以下
35℃以上では開花率が低下
PH(HO)は5.7 〜 6.5に調整




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