基 礎
1.生理学の意義
自然界に生きる全ての生物は、たいないに物質を取り込み、体の構成似必要な物質をつくったり、物質を分解して取り出したエネルギーを使って環境の変化に対応し、不要になた物質を排泄し、生活を営んでいる。
第一章 生理学の基礎
2)細胞・組織・器官・器官系・個体
□細胞の数はおよそ60兆個
□組織には、上皮組織、結合組織、
きん組織、神経組織
□器官とは、幾つかの組織が集まって、
一定の構造と機能を持つ
□器官系
1.神経系 2.感覚系 3.運動系 4.呼吸系 5.循環系 6.消化系 7.排泄系 8.内分泌系 9.生殖系
3) 生体の恒常性
ホメオスタシス
生体を構成する細胞を取り巻く細胞外液
の物理的・化学的な性質
電解質組成・ガス組成・pH・浸透圧・温度 安定している。
2.細胞
□細胞の大きさ
直径 1〜30マイクロメートル
□細胞の形状 球形、板状、星型
基本的な形状 球形
神経の形状 星型
□細胞膜・細胞質・核および核膜で構成
細胞内に細胞小器官を持っている。
□構成分子
水、蛋白質、脂質、炭水化物、核酸
↓
構成原子
水素(H)・酸素(O)・炭素(C)・窒素(N)
(2)細胞の構造と機能
□細胞質内には
小胞体、ゴルジ装置、ミトコンドリア、
リソソーム、中心体
細胞小器官
(@)細胞膜の構造と機能
□細胞膜は、細胞内と細胞外との間の物質移動や膜電位の発生に重要な働きをもつ
□蛋白質と脂質(リン脂質)よりなる
厚さ7.5nm
(2) 核
分裂して同じ細胞を複製できる細胞は全て核をもっている
□球形で、核膜におおわれている
1個または数個の核小体を含む
□固体の形質に関する全ての遺伝情報
↓
DNA(デオキシリボ核酸)
染色体
↓
22対44本の常染色体
1対2本の性染色体 計 46本
□DNAは、糖と塩基とリン酸が結合
↓
二重らせん構造
構成する塩基は4種類
アデニン(A)・グアニン(G)
チミン(T)シトシン(C)
□DNAからつくられる RNA
↓
蛋白質を合成するための
遺伝情報を伝える役割
細胞小器官
@ミトコンドリア
□ATP(アデノシン三リン酸)
細胞の様々なエネルギー源の合成
□2枚の膜からなる棒状の小器官
A小胞体
□粗面小胞体=リボゾーム(15nm)
↓
RNAを多く含み、蛋白質の合成
□滑面小胞体=リボゾームを持たない
細胞では解毒やグリコーゲンの合成・分解
Bゴルジ装置
□粗面小胞体から出る蛋白質を濃縮
細胞外に排出する働き
Cリソソーム
□加水分解酵素=不要な物質を分解処理
D中心体
細胞内に2個あり、細胞分裂に働く
□イオンチャネル
□細胞内情報伝達
3.生体の物理化学的基礎
1)物質代謝
(1)同化と異化
□同化=合成
□異化=分解
(2)解糖と呼吸
□解糖 無酸素状態
ブドウ糖(グルコースC6H12O6)
ミトコンドリアで、ブドウ糖をエネルギーに
↓
リン酸と結合して、グルコースリン酸
↓
諸酵素の働きで、ピルビン酸を経て乳酸
この過程を 解糖という
□呼吸 有酸素状態
酸素をとり入れている状態で、解糖のピ
ルビン酸までの過程をとる
ブドウ糖からCO2とH2Oまで分解
↓
細胞が酸素を取り入れ、
二酸化炭素を出すので
呼吸と呼ぶ
C6H12O6+6O2 →6H2O+6CO2+686Kcal/モル
1モルのATP=7Kcal
解糖 2分子 計 38分子
2) 体液と物質移動
(1)体液
□体重の60%
細胞内液 40%
細胞外液 20%(間質液15%
血症 5%)
(2)体液の区分と組成
□細胞内 K+ ・ 蛋白質
□細胞外 CLマイナス NAプラス
海水に似ている
(3)水分の出納バランス
□水分の摂取量 およそ 10%
体外から 2L〜3L
酸化水・・・・体内で作られる
□呼吸(水蒸気)皮膚から
尿 として・・・1.5〜2L
計 2〜3L 排泄
排泄器官・・じん臓 皮膚(汗と不感蒸散)
肺(呼吸)大腸(糞便)
(4) 物質の移動
1.拡散
濃度の高いほうから低いほうヘ移動し
均一化する
<例>空気中の酸素(高い)
血液中の酸素(低い)呼吸・拡散現象
↓
ガス交換
2.浸透
半透膜
液体成分が移動して密度を一定にする
通るときは拡散、
通らないときは 半透膜から浸透
3.能動輸送・・・・NAポンプ
↓
NAを細胞外へかきだしている
4−1 食作用
白血球が異物を食べて (リソソーム)
4−2 飲作用
食作用の一部・・・液体のもの
4−3 開口放出
細胞内の物質が、外に出ること
5. ろ過 ・・・(じん臓など)
フィルターを通して、ある物質を取り除く
一方向に行う
<例>じん臓・・・白血球、リンパを残し
不要なものを尿として