「汽車を待つ間」



 駅で、喫煙席の乗り口を聞いていたぼくは、この辺だろうな? と思って、並んでいる人に聞きました。
   「ここは、何番乗り口ですか?」
 先頭にいた、Aご婦人が、「3番ですよ、前にいて良いですよ」
 「いえ、後ろに並びますから、ありがとうございます」
 少ししてから、二人のご婦人がやってきて、B婦人がぼくの前に並びました。
 C婦人は、「ここに並んでいるんだから、このあとよ」
 しぶしぶぼくの後に並んだB婦人は、「しんどいわねぇ、新聞か何かないかしら、座っちゃうんだけど・・・」
   汽車がホームに入ってくる時間まで、後5分のことでした。
 C婦人「・・・・・・・・・」
 汽車が着いて、折り返しのために掃除をするのですが、その間、ぼくを後ろからツンツンするB婦人。
 「もうすぐドアが開きますが、大丈夫ですか?」と、声をかけてくれるAご婦人。
 困っているかもしれない人をみて、声をかけてくれる人。
 自分のことしか考えていなくて、ちょっとでも楽をしようとする人。
 ルールは守るけど、自分のことで精一杯の人。
 ほんの10分足らずの時間でしたが、面白い時間でした。


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