早池峰山の環境 |
早池峰山の植物の特徴 |
1.早池峰山の環境
○早池峰山は岩手県の東部、北上山地の中央に位置し、北上山地の最高部(1917m)となっています。
○早池峰山連峰は、東から、剣ヶ峰、早池峰本峰、中岳、鶏頭山と続き、小田越えをはさんで、南側には薬師岳がそびえています。
○早池峰山は蛇紋岩という特殊な岩石でできています。この岩石は植物の生長を妨げるマグネシウムイオンを含み、また土壌ができにくく、しかも乾燥しやすいという、植物にとっては極めて生育しにくい性質を持っています。
○このため蛇紋岩という厳しい環境に耐えて適応した植物のみが、早池峰山に生育することができるのです。これが早池峰山独特の、他には見られない珍しい植生をつくる原因になったと考えられます。
○蛇紋岩でできた山には、他に北海道の夕張岳、アポイ岳、トッタベツ岳、本州の至仏山、谷川岳、白馬岳などがあり、早池峰山と共通の、いわゆる蛇紋岩植物が見られます。またいずれの山も固有の植物が生育していたりします。
○早池峰山は太平洋側であるために積雪が少なく、さらに北上山地の中央に位置するため、内陸性気候となって気温が低い、という特徴があります。
2.早池峰山の植物の特徴★早池峰山に特異な植物がみられる理由
@昔、日本列島が大陸とつながっていた頃、氷河期がきて、多くの植物が大陸から日本列島へと渡ってきたことが知られています。
A その後、気候が温暖化すると、今度は南方から入ってきた植物が優勢になっていきました。
B その中で、早池峰山は蛇紋岩山地であったために南方の植物があまりは入り込まず、競争が起こらなかったために、氷河期の植物が生き残ることができたと考えられます。
Cまた、積雪が少なく気温が低いことなどが影響して、早池峰山独特の植生がつくられたと思われます。
★固有種・固有変種(早池峰山にしかない植物)
ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、ナンブトウウチソウ、ミヤマヤマブキショウマ(蛇紋岩変形植物)★北上山地固有の植物
ヒメコザクラ、ヤブヒョウタンボクなど★南限種(早池峰山がその植物の産地の南限になっているもの)
アカエゾマツ、ナンブソモソモ、ナガバキタアザミ、トチナイソウ、サマニヨモギ、チシマツガザクラ、ナンブイヌナズナなど
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