●Qba
  クーベーア
 ●Kabinett
  カビネット
 ●Spatlese
  シュペトレーゼ
 ●Auslese
  アウスレーゼ
 ●Beerem
    auslese
  ベーレシ
    アウスレーゼ
 ●Trocken beeren
  aulese
  トロッケン
   ベーレン
    アウスレーゼ゙
 ●Eiswein
  アイスバイン゙

→上から下に行くほど糖度が高い

初めまして、森と申します。
 今回は、第一回目ですから自己紹介を少ししたいと思います。
 私は、柏で昭和三年に創業してから今日まで八十三年続く料理店の三代目です。
 しかし、後継者がいないことと私自身の体力的な理由で、今年の七月、残念ながら閉店しました。とはいえ、悠々自適な生活にはほど遠く、忙しい日々を送っています。
 さて、縁あってワインの話を書かせていただくことになりました。私の専門はフランス料理ですので、当然のことながらワインについても知識として知っていなければなりません。基礎的なことはわかっているつもりですが、ワインの専門家ではありませんので、間違っているときは指摘してください。
 私は、長年、ワインを商品として扱ってきましたので、手頃な値段で、味もそこそこなものを、多く試飲してきました。しかし、飲み慣れてきますと、もっと良いワインを飲んでみたい、いつかはブランド物のプレミアムワインも飲んでみたい、など次々と限りなく欲が出てきました。そんな時に出合ったのが、一生の内に一度飲めるか飲めないか、という彼の有名な『ロマネ・コンティ』でした。
 抜栓して始めのうちはそれほどでもなかったワインが、時間の経過とともに酸化が進み、えも言われぬすばらしい香りが部屋中に漂ってきたのです。三十分、一時間、一時間半と時間が経つとともに、味も変化して複雑な味になってきました。
 これが、ワインの真の実力を知った最初の一本でした。皆さんにも熟成した本当に飲みごろのワインに出合う時が、きっと来ると思います。そんな時の注意点ややってはいけない事、知っておいたほうが良い基本的なこと、ワイン初心者の疑問・質問、そんなことぐらいわかっているよというようなことまで、お話しさせていただきます。
 それでは、本題に入ります。
 今夜の夕食にワインを一本選びたいと、ワイン棚の前で思案することはありませんか?そんな時は…

ワインの選び方

ワインの専門店やデパートのワイン売場に行きますと、所狭しとワインが並んでいて、何を買ったら良いか迷いますよね。そこである程度の目安として「何を買ったら良いのか」、お話したいと思います。
ワインは嗜好品ですので、それぞれの好みが違い、一概には言えませんが、これからワインを飲み始めようかと思っている方には、まずドイツワインをお勧めします。甘みがあってアルコール度数も十%位と比較的低いものが多く、一口飲んですぐ「おいしい」と感じるのがドイツワインだからです。飲み慣れない方がいきなりボルドーのタンニンの強い赤ワインなどを飲みますと、その渋みと酸味がおいしく感じられず、赤ワインが嫌いになってしまうかもしれません。因みに私の家内は、「赤ワインは、薬みたいで飲めない」と言っています。
ドイツワインには、糖度を基準にしたワインの格付けがなされています。糖度が高い高級ワインのほうが甘いのかというとそうでもなく、そこは、酸味と甘味のバランスの問題となってくるので、糖度が高くても酸味が多いと、それほど甘く感じられないからです。
ドイツワインから始めるのであれば、クーベーアークラス、又はカビネットクラスから始めたらよろしいかと思います。

また、甘いのは苦手な方には、
○フランスワイン
  すっきり、さっぱり味のロワール  のミュスカデやアルザス、ライチの香のゲヴュルツトラミネーなどがお勧めです。
○チリワイン
 コノ・スル     700円〜800円
 エラスリス          1200円位
 ロス・バスコス        1300円位
 ベンテスケーロ 1500円〜2000円
○ニュージーランド 
 ソーヴィニヨン・ブラン(ぶどう名)や ピノ・ノアール(ぶどう名)で作った  ワイン。
○オーストライア
 イエローテイル  700円〜800円
 プランタジネット
         2000円〜3000円
などがお勧めです。
 次回はワインを飲む時の温度についてお話します。

  

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                              冨士見軒 森 信悟