2019年、今年の「九州合研」は宮崎県での開催です。私は小児科医師（宮�ｱ市内の病院勤務）ですので、保育園との一番の接点と言えば、春・秋の園児健診の場ということになるでしょう。毎回の健診でいつも感じることは、保育者の皆さんが、本当によく子どもたちのことを観察しているということです。特に最近は、子どもたちのちょっとした成長のつまずきにも正面から向き合い、さらにそこから子育て環境全体に対しても問題意識を持つ方が増えているように思います。今、この原稿を書いている間も、児童虐待をめぐる大変なニュースが、毎日のように次々と報道されています。しかし、こうした大きな問題も、もとは小さな気づきの段階で未然に防げたかもしれません。
　一方、政府はねつ造されたデータを使って、景気回復を偽装しますが、庶民の感覚からはおおよそかけ離れたものです。劣悪な労働環境や、低賃金でも働かざるを得ない状況を作りながら、相変わらず「保育園落ちた」の言葉がなくなる気配はありません。10月からの消費税アップに伴い、保育料の無償化が閣議決定され本年10月から行われるようですが、詳細は未確定で反対に給食費の実費徴収が浮上しました。今後の動向に目が離せません。
　困難な状況の子どもたちに寄り添い、保育者が、親が、研究者が、そして医療者を含め多くの関係者が宮崎に集い、経験を共有し交流を通じて、豊かな保育が実践されることに期待します。