第2章 日々エスト
エストな朝
毎朝AM4時〜4時半頃起床と、エストの朝は早い(鳥だし)。
寝床であるブランコから、すぐ目の前の3階(一番上の止まり木)に移動。小さく「ふみゅ〜ふみゅっ…」とつぶやく様に鳴きながら、ケージの金網を伝い餌箱の前まで降りて来て、ぷちぷちと餌を食べ始めます。夜間はマメ電球を付けているとはいえ、真っ黒お目々のハルクイン種は白目がない分夜目が利くのかな?と勝手な想像をしてしまうくらい、たとえ夜中でもケージの中を結構移動しているみたいです。

G3君は少し遅れてAM4時20分〜4時40分頃起床。会社の始業時間が早いこともあって昔から朝は早かったけど、エストに合わせて更に早起きになりました。当然ですが、私はまだ寝てます!(きっぱり)
着替え等の朝の支度をしてから、エストをケージごとリビングまで連れて行くのですが、お迎えが遅れると多尿になることもあります(何故かG3君が遅れた場合のみで、私の時はご機嫌が悪くなるだけです)。

リビングでは、まずペレットで朝食。エストはペレットをケージで食べません。ペレットは、ケージの外でお世話係が手に持った小皿から食べるものと決めてるようなのです。腹ごしらえが済むとエスト絶好調!G3君の上で「エスト・オン・ステージ」の始まりです。エスト語(ほとんど聞き取れないエスト独自の言葉?)で歌ったりしゃべったりの超ご機嫌状態。そんなエストを乗せたまま、G3君は自分の朝食を済ますのでした。
5時20分頃、一旦エストを寝室に帰します。ひとしきり騒いで満足したエストを二度寝させるのです。5時40分〜6時前頃、G3君出勤。

暗い部屋に入ると条件反射でブランコに上がるエストですが、6時過ぎ〜6時半にはブランコから降りて私が起きるのを待ってます。途中、起床を促すように「ぴう!」と鳴いたり、ケージの扉の前で待ちかまえてたり。
私は6時半〜7時前頃起床(夜更かしするので遅い)。先に自分の身支度をしてからエストを迎えに行きます。「お待たせー、エストは朝から可愛いね〜!」等と、おバカなセリフと共に鼻をくっつけ鼻キスしますが、迎えに行くのが遅いと鼻をつつかれます。待たせ過ぎて軽く唇をかまれる事も。寝坊して時間がない時は、エストを乗せて顔を洗ったりもします。水音好きなエストは、背中の上で「ピュッピュッー♪」と楽しく踊ってます。

リビングに移動すると、まずお水。「早くお水を飲まないと死んでしまう〜!」みたいにオタオタするエストをなだめつつ、蛇口からチョロチョロと細く水が出るように調整。出たての水を飲み、水入れに落ちる音を楽しみ、ついでに蛇口についた水滴もなめて、ようやく一息ついたら、私が飲むビフィーネを楽しむ番です。ビフィーネの容器を見せると目の色が変わるエスト。まずはストローの袋を外す「ストロー袋抜き」。袋を抜いてポイッと打ち捨てると、お次は私がビフィーネを飲んでる間、鼻にくっつき容器に頬擦り、うっとり幸せ〜。ビフィーネの何がこれほどエストの心を捕らえるのか?謎です。

朝食はエストを乗せたまま、又はケージに放り込んで鳴かれながら慌しく。私の場合エストを乗せていると、食べてるパンを狙われるので注意が必要ですが、昔のようにパンめがけてダイビングするような積極性はなくなったので、つい乗せたままになる事が多いです。この合間にエストのための小松菜を用意します。エストを肩に乗せて小松菜をカットしていると、必ずつまみ食いしに腕を伝って降りて来ます。切りたての部分をかじるのが好きらしく、菜差しに合わせて切ってるそばから、「そっちかじる〜」と新しい方を要求するわがままインコ・エスト。

そんなエストに付き合ってると、あっという間に時間が立ちます。焦りながらエストをケージに戻し寝室に。出掛け間際にエストをケージから出して鼻キスしながら「エストー、行って来るね。いいコにしてるんだよ。怒らないの、エストはいいコでしょ!スキスキスキ〜♪じゃ行って来ます!」とバカバカな挨拶の後、エストの「ビビッ!」という不満を含んだ鳴き声を背に受け、7時20分〜25分頃出勤。いつも駅まで走ってます。

残されたエストは…これから始まるひとりきりの時間をまったり過ごすべく、羽繕いでも始めてるんじゃないかなぁ。

こうして、我が家のエストな朝は過ぎていくのでした。
エストは朝から可愛いです。
マジで毎朝言ってます。バカバカ。でも本当に可愛いし(言ってろ)
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エストな夜
エストの夜は、だいたい毎日18時10分頃、G3君がドアを開け「エス〜ト!」と声をかけながら帰宅した時から始まります。
エストは、その呼びかけに「ピー!」と答える時もあれば、反応がない時もありますが、G3君が寝室に入って来て着替えをしている間、ケージの中でガン!とダッチーを小突いたり、「ショウクン!」と言ったり。
「ショウ君」とは、普段私が呼ぶG3君の愛称。普段使いなだけにエストが比較的初期に覚えた言葉でした。ただ残念ながら、エストの認識は「ショウクン」≠G3君。嬉しい時専用言葉であって、G3君を呼んでる訳ではないのです。分かっていても絶妙のタイミングで「ショウクン!」と言われると、「はいはい!」と嬉しげに答えてしまうお世話係なのですが。

ケージごとリビングに移動すると、夜もペレットで腹ごしらえから。「今日始めてのご飯なの!」みたいにすごい勢いでガツガツと食べます。朝もペレット食べたとか、ケージには餌入れにたっぷりシードが入ってるとか関係なし!食に関してのエストの記憶はいつも新鮮なのです(忘れてるともいう)。
夕食の準備など、G3君がガサガサやってる間、エストはケージで大人しく待ってる…訳なくって、物音に合わせてハイになり、唸ったり(唄ってるとは言えない鳴き声)、ダッチーを小突いたり、シードを食べたりしてます。
また今のケージ「ビフィール御殿」になってからは、ひんぱんに屋上までよじ登って「エスト・オン・ステージ」するようになりました。外出時以外はケージの扉を開けたままにしてる事が多いので、そこから器用に伝い上がって行くのです。エストは飛べないこともあって自らケージを離れるような行動にはでないけど、普通はしちゃいけない事でしょうね(; ̄ー ̄A

そうこうしてるうちに、18時半前後に私が帰宅。「ただいま〜」とドアを開けると「ピュッピュー!」とエストが答えてくれます。G3君によると、明らかに私が帰ってきた事に反応してる声だそうです。やっぱ嬉しいな〜♪

夕食タイムになると、エストは「ゆいさんタイム」に突入です。
待ちきれずにケージの外側に貼り付いて私を呼ぶときもありますが、大抵は私がテーブルの前に座った途端、ケージからすぐ横に座るG3君の腕から肩を伝い走り、私目指してまっしぐら。鼻に引っ付いて何かしゃべれと強制、食事をしようと箸を動かそうものなら「プルルルー!」と怒られます。
少しくっついたらキッチンに立って、「今日初めて飲む!」(違います)と焦るエストに出たてのお水を飲ませ、ついでに水音でご機嫌になって鼻歌を歌い、私がいいかげん食事に戻ろうとすると、今度は頭を伸ばし「見張り場所」を指すのです。それはキッチン後ろ側のカウンターにある私のパソコンスペース。高い位置からキッチンとリビング、それにG3君のパソコンスペースも見渡せる為、私にサービスを強要しつつ、G3君を見張るのにちょうど良い場所ってところでしょうか。
パソコンの前に座り、エストの要求を少し満たしてから、後はG3君と交代でエストを乗せたりケージに戻したりまた出て来たり…。
必然的にG3君が先に食事を終えると、やっと「ゆいさんタイム」の終焉となります。それまではG3君が指を差し出すと怒ってたくせに、この頃には素直にG3君の指に乗るのも不思議です。

食事の後片付けや食洗機の音は、エストの心をハイにするBGM。私たち二人を交互に堪能して、その上で唄い踊り羽繕うエストですが、時々「エストを見ろ!」とのご指導が入ります。特にG3君がTVやパソコンに集中してるのが気にらないみたいで、たまに鼻を噛まれたりすることも。
ただ、この時間あたりに噛んだり、「くるるるー!」と文句が出てくるのは、エストのおねんね時間が近づいた証拠でもあります。

8時半〜9時頃おねむな素振りを見せ始めたら、エストをケージに入れて、G3君が寝室へエスコート。連れて行かれる間、エストは軽くダッチーを小突き、「ピュッピュー♪」と嬉しそうです。
寝る前には必ずシードを食べて、ダッチーの元に行きガンガンガン!と小突き倒し(多分お休みの挨拶)、G3君が「オヤスミ〜」と電気を消すと寝床のブランコに乗ります。暗くてもブランコに付いた鈴がチリン♪と鳴るので、その音で寝る体勢に入ったのが確認できます。

しかし、ここで安心するのはまだ早い!G3君が下手に動くと、「エストを置いてドコ行くつもり?」とブランコから降りてしまう事があるのです。目を凝らしてケージを覗くと、3階でこちらを伺うエストと目が合ったり、「ピュピュッ!」と鳴いて返事が返ってくるか確認したり、つまるところ「エストと一緒に寝ろ!」なのでしょう。お付き合いでベッドで横になってるうちに、そのまま寝てしまうこともあるG3君。ミイラ取りがミイラを地でいってるし。

騒がしくてサービスの強要もあり大変だけど、楽しいひととき。そんなエストな夜は、エストが(時々G3君も一緒に)眠りにつくと終わるのでした。
(でもお腹空いたらコソッと降りて、勝手にお夜食タイムしてるけど)
もちろん夜もカワイイのさっ!
おねむでも可愛さ溢れてます。ホントにどうしてこんなに可愛い以下略


エストな休日
土日祝の休日は、平日私たちが居ない時間を、エストがどんな風に過ごしているか、垣間見る機会でもあります。

休みの日でもエストはもちろん、G3君も起きる時間は平日と変わりありません。起きてからの行動も同じです。ただG3君が出勤しないだけ。一定の時間が来たら、やはりエストを二度寝させます。
私も平日と同じく、キッパリ!まだ寝てます。しかも、休日前は平日より余計に夜更かしするので、当然の結果、平日より長めに寝てたりします。それでも7時過ぎから、遅くても8時前までには起床。

既に二度寝からも覚めて、G3君にリビングへ連れて行ってもらっていたエストは、私に対しても一通り朝の儀式を済ませます。
その後は、朝からお世話係が二人揃っている上、一緒に居る時間が長いのが嬉しいのか、平日よりハイテンジョンが続くエスト。唄ってくっついて、場所(お世話係)を代えて羽繕い、お水に餌にまた引っ付いて…。しかし、9時頃になると、どうもお疲れの様子が見て取れるようになります。
平日なら既に二人とも居ない時間帯、いつもはゆっくりくつろいでいる頃なのでしょう。ここですかさずケージに入れて寝室へ!前後してG3君も二度寝に入る事がありますが、この辺まではエストの許容範囲です。

しかし、昼からも家に居る時は注意が必要です。
なにしろ平日のエストが、ほとんど動くことなくじっとしているだろうというのは、ケージの中の糞をチェックすれば一目瞭然。2階(止まり木2段目)左側・ダッチーの横、そこが昼間のエストの定位置で、餌もあまり食べずにそこにいる様子が伺えます。
だけど、私たちがずっと居るとなると、どうしても気になるし、じっとしてられないエスト。結果生活リズムが狂い、ご不満が生じて来るのです。

私一人の時は、「エスト、ちょっとお昼寝させてね!」と頼み込めば(既に下手)、不本意そうでも黙って寝かせてくれますが、何故かG3君に対しては厳しいです。寝室のベッドで本を読みながらくつろごうものなら、
パターン1:「居るのならエストの相手をせんかい!」と怒られる。
パターン2:「テリトリーが目の前に居たら、ずっと見張ってないといけないから、休んでられない!」と怒り出す。
どっちにしても怒って寝かせてなどくれません。自分の見える範囲に居られると困る。けど、見えなくても向こうの部屋に居る気配がするのもなんだか気になる。こうなると、気配を殺しヒッソリ過ごすか、出て行くかどちらかです。何か用があって出かける時は問題ありませんが、別に用がなくても、約2、3時間は家を空けるよう対処を迫られる私たちなのでした。

私たちが外出から帰ってくる頃、エストも一休み出来て「いつでもOK!」と羽伸ばしてお待ちかねです。なんだかんだいっても、やはり私たちと長く居られる事が嬉しいご様子。後はいつもと同じ夜を過ごします。
ただ、休日は私たちと一緒に居る時間が長めなので、その分沢山遊び過ぎて、疲れが早めに出て来るみたいです。夜8時になる前から、手の上で丸まって寝てしまったり(何故わざわざ手の上で…)、眠いけどまだ遊びたい、でも眠い〜!とジレンマに苦しみ、私たちに八つ当たりしたり(人の鼻噛むくらいだったら早く寝てください…)。
エストな休日は、いつもより早めの就寝時間でオシマイ。

エストにとっての休日は、充実度が高くいけど、忙しくっておちおち休んでられないってとこでしょうか。
おねむなエストがまたかわゆい!
すぐ片足上げてくつろごうとします。
それがまた可愛いくて(しつこい)


インコはしゃべる
一般的に、インコってどんなイメージを持たれているものなのでしょう?
南国風な鳥?おしゃべりしたり物まねをする鳥?

エストと出会う前の私たちは、インコどころか鳥全般にもほとんど興味なかった為、「インコ?しゃべるかもしれない鳥?」程度の印象しかありませんでした。大型のインコ(オウム)は、あらゆるメディア等の影響からかしゃべるイメージがありましたが(実際はインコやオウムだからといっても必ずしゃべるとは限らないです)、小さなセキセイインコのエストがしゃべることなど全然期待もしていなかったのです。

なので、「エスト」と名付けた小さいインコが、ある日自らの名前をしゃべっているのに気が付いた時は、「今エストって言った?エストしゃべれるの?すごい!」と驚いたものでした。言葉を話すとは「うちのコって天才?」的バカバカな感動の嵐です。…ま、実際は、エストの覚える言葉には限りがあり、声色を使い分けたりも出来ない程度だったけど、インコ初心者にはしゃべれるというだけで、可愛さと思い入れが更にヒートアップしたのでした。

エストがよく言う言葉は、ほぼ私がよく使う言葉です。
エスト、ショウクン、イイコイイコ、エストチャン、スキスキスキ、エッチャン、チュッチューチュッチュー、チュウ!etc…

しゃべる鳥の言葉を聞けば、その家の暮らしぶりが分かると聞いたことがあります。どうでしょう、うちの暮らしぶり。
インコバカ丸出し!ですね…。

残念ながらエストの語彙はキャパシティが狭く、「チョットマッテネ!」と覚えてたのが、「チョットマッテ」→「チョット」→「チョッグニュグニュ…」と退化して、ついにはレパートリーからはじき出された例もあります。
また、「エストスト」「エストット」と活用形が出来たり、嬉しい時に出る「エスショウクン!」という合体語を作ったりもしました。
何故か猫の鳴き声が好き(野生では生きていけないよ)で、私が猫の鳴き真似すると焦って鼻にくっつきます。そこでじっくり堪能して覚えた「ミュ〜」もお得意鳴き声になりました(本物の猫にはくっつかないでね…;)
なんだか適当な節を付けて歌らしきものをつぶやいてたりもします。
「エストー、エストだ、エストちゃん!いいこイッコね、エストちゃんです♪」
「エストちゃん、好きすきスキスキ、スキー!」
かなりのナルシストです。

そして最大の謎の言葉が、ある日突然発した「ぴよぴよぴよ」。
鳴き声ではありません。どう聞いても人間が口で言った「ぴよぴよ」を言葉として言っています。それはそれで可愛いのですが、問題は私たち二人ともエストの前で「ぴよぴよ」と言ってないということ。そりゃ確かに、エストはヒヨコちゃんのように黄色くて丸っこくて可愛い(おバカ発言)けど、絶対に「ぴよぴよ」なんて言った覚えはないのです。
「目覚ましの音とか?」そんな音じゃありませんって。
「TVか何かで聞いた?」エストは何度か繰り返しで覚えるタイプだし。
「誰かがコッソリ教えたんじゃ…」←誰かって誰さ?霊とか?←オイ
かなりお気に入りの言葉らしく、エストは今でもよく「ぴよぴよぴよ…」と言ってます。本当にどうやって覚えたのー??

もう一つ。私がかなりの頻度で言っているにもかかわらず、全然言ってくれない言葉があるのです。それは「可愛い」
エストが大好きな言葉で、「可愛い」と言うだけで幸せそうに目を細めてうっとりとなります。時には「エストを褒め称えろ!」とばかりに小突いて要求するくらいです。なのに自分では決して口に出すことがありません。もしかして「可愛い」は自分に向けて言われる賞賛の言葉であり、自らが発する言葉でないという理解の仕方でもしてるんですか?これもまた謎。

インコはしゃべる、けど、その心までは分からないのでした。
ぴよぴよエスト
「エストちゃんぴよぴよぴよ」
確かに体形はぴよだるま


エストが翔んだ日
セキセイインコであるエストは鳥ですから、当然飛ぶはずです。
しかし今エストは、ほとんど飛ぼうとはしません。ケージの扉が開いていてもその気がなければ出る事はまったくなし。出たくなれば、扉のお待ち場でお世話係を呼びつければOKと思っているようです。待ちきれないときはロッククライミングのようにケージをよじ登り、その途中の壁、又は屋上まで上がって、更に大きい声で呼び続けます。そうなると、お世話係が「エスト、危ないよ!」とか言って慌てて迎えに来る事になってるし。

思い返せば、エストはうちに来た当初から余り積極的に飛ぶ事はなかったようでした。鳥は飛ぶものといっても、インコを含む小鳥類が家の中でどれほど飛ぶものなのか見当も付かず、エストを基準に「飼い鳥はこんなものかな」程度で、私たちもほとんど気にしてなかったのです。

「もしかしてエストはあまりにも飛ばなさ過ぎ?」と気付いたのはいつ頃だったでしょう。獣医さんでの健康診断でも、翼などには異常は認められず、飛べない事はなさそうだけど、何故飛ばないのか不明のままです。

そんなエストの「飛んだ」といえる数少ない事件。
その1:廊下から階段まで飛んだ!
前の賃貸で、G3君がエストを肩に乗せたまま玄関から出て、また入ろうとしたドアの動きに驚き、数メートル先の階段から踊り場付近まで飛んだ、らしい。部屋に入ってエストが肩にいなかった事に気が付き焦ってたら、下の階の廊下にいた子供が拾ってくれてた。
その2:布きん掛けまで飛んだ!
やはり前の賃貸で、G3君の肩にいたエストがいきなり飛んで、カーブを描きながら隣の台所に飛んでいき、たどり着いた先が布きん掛けの上だった。ちゃんと重力に逆らって上に飛んだ証拠。
その3:三往復も飛んだ!
これも前の賃貸で、六畳と四畳半の隣り合わせた部屋の隅から対角線上の隅へ、置いてあった紙袋に一瞬止まりターンして飛び続けた。その弾道は1mに満たない高さではあったが、きっちり三往復して床に着地。「エストすごい、そんなに飛べるなんて!」とエストを見たら、ショックを受けたように、しばらく固まって動かなかった。
本能の赴くまま飛んではみたものの、非常に疲れてしんどかった…。何故こんな思いして飛ぶ必要があるのか?いや、必要なし!
というエストなりの結論に至ったのではないのかと(勝手な憶測)。

飛んだといっても、どこかぎこちなさのある飛び方から見て、エストは普通に飛べないのでしょう。無理に飛んで事故を起こされるよりはマシですが、今は重力に逆らうどころか、一応羽ばたきはするものの、基本(?)は自由落下。「エストはホントに鳥か?」は私の決まり文句となりました。

一番衝撃的だったのは、ある日背中から床に落ちたエストが、いつものようにバタバタして起き上がろうと…しない?ええっ!?
青ざめる私たち!!「エスト、どうしたの?」
仰向けになったままのエストに恐々触ってみたら、こっちを見ました。
「早く起こしてよ」と言わんばかりに。
なんと、お世話係が起こしてくれるのを待っていたのです!
G3君が掴んで起こしてあげると、何事もなかったように元気に動き出しました。鳥が落ちて人に起こされるのを待ってるとは、もう鳥として何かを捨てたと言わざるを得ません…。
そう、エストはインコを捨てたインコとなったのでした。

エストは昔、確かに飛んだ事がありました。しかしその飛んだ日は、「もう飛ばない」とエストが決めた日だったのかもしれません。
そんな飛ばないエストに慣れてしまった今の私たちは、何処に行くか分からない、普通の飛ぶインコが怖い気がしてます…。
インコを捨てたインコ、エスト
そうかー。そうだよね。
エストはインコを捨てたんだもんね。


鼻フェチインコの作り方
「鼻キス」。
これは我が家用語で、人間の鼻にエストをくっつける事を意味します。
エストが手に乗ると、まずは鼻キスでご挨拶。しばらくそのままくっついていることを御所望で、他の事に気を取られ鼻から離すと、くちばしで手をツン!とつつき(すなわち「お鼻くっつけてよ!」の意)、急かされます。
鼻キス中、低く「クルル〜」とご不満の声が漏れてきたら「黙ってないで、しゃべるか唄うかせんかい!」という催促です。エスト賞賛の言葉を繰り返したり、適当な歌を唄ったり。時には一方がエストと鼻キスしながら夫婦で会話という、はたから見たら非常に間抜けな場面も、エストからすれば鼻にくっついて二人の言葉を堪能出来る幸せな時間、みたいです。

どうしてエストはこんなに鼻にくっつく事が好きなインコになったのか?

元はといえば、インコ同士が寄り添ってくちばしをくっつけてる写真をどこかで見かけた私が「そうか、インコはくっつくと安心するんだ!」と思い込んでしまったという、ちょっとした勘違いからでした。
それは確かボタンインコかコザクラかのラブバードだったのでしょうが、そこは初心者の悲しさ。インコなら皆同じと思い込んだのです。
人間にはくちばしがないので、代わりなるものといえば真っ先に口でしょうが、私がエストにくっつけ始めたのは鼻でした。人獣共通感染症を防ぐ等の深い考えがあった訳もなく、単に一番くっつけやすかったから。

あともうひとつ。エストを連れて私の実家に帰った時、エストの鼻好きのことを教えてないのに、手に乗ったエストを真っ先に鼻に近づけて挨拶してくれたのです。エストも人見知りはしますが、“鼻見知り”はせずに、喜んでで受け入れてました。さすが鼻フェチインコです。
実家では私が幼稚園のころ十姉妹を飼っていたこともあったので、記憶はないけど私の頭の何処かに「鼻で挨拶」が刻み込まれてたのかも?

さて、鼻キスを始めた当初、エストの反応は私が想像していたのとは違い、「え、なに?」と、不思議そうでした。あれ?鼻をくっつけると安心じゃなかったのかな?でも嫌がる風でもなかったので「ま、いいか」と大らかな気持ち(アバウトともいう)で続けることにしたのです。
こうしてエストを手に乗せたら、まず鼻にくっつけて色々話し掛け、唄い、鼻先でエストのくちばしを撫でてあげるのを繰り返す日々が続きました。

やがて段々エストも鼻にくっつくことに慣れて、くっつくのが当たり前になって来た頃。手乗り中のエストのくちばしが偶然私の腕に触れ、それに私が反応して「ん?なぁに、エスト」と鼻にくっつけた事があったのでしょう。
ここから「くちばしで手をツンすれば鼻にくっつける」とエストにインプットされたようなのです。後のエストリモコン(*)の始まりでもありました。
(*エストリモコン:エストがお世話係をリモコンで操作するように動かす技)

こうして、お世話係を意のままに動かす技まで身に付け、エストは立派な鼻フェチインコに育ちました。鼻キス中は、すなわちお世話係を独占しているという事でもあります。エスト至福の時間です。鼻キスしながら片足上げてフクフクと丸まるエスト。ああ、お鼻さえくっつけていれば幸せ…
もちろん他の要求も忘れませんが。
エサを一口食べて鼻キス。意味→「よし、そこにいるよね?」
お水を飲んで鼻キス。意味→「ちゃんとエストのこと見てる?」
かなーり、俺サマなインコとも言えなくもない…。

鼻キス中に毛繕いならぬ鼻繕いしてくれたり(ちょっとこそばゆい)、猫が頭をこすり付けるが如く、鼻に頭をこすり付けてこられた日には、
「エストは本当は猫だったんだよね!でも猫だと私たちに巡りあえなかったからインコになってやって来たんだねー!」とバカバカ妄想炸裂、怪しい電波発言が飛び出すほどメロメロになっちゃいますよ、エストちゃん!

ただ、鼻キスさせてくれるのは、エストの頭部分限定でなんす。羽繕いしてる背中に鼻をくっつけようものなら、「ビビッ!(なにするのさ!)」と怒られます。ちぇっ、いいじゃん。減るもんじゃあるまいし。←セクハラ発言

またこの鼻キスは、私にもうひとつの効果(?)をもたらす事になるのです。それはインコの匂い、インコ臭という名の甘い香りの誘惑でした。
しあわせ鼻キス
エストの幸せ、鼻キス中。
(↑は鼻下に潜り込みバージョン)


芳しきインコの香り
エストを鼻にくっつける「鼻キス」は、思わぬ副産物を生み出しました。
鼻キス時には、必然的且つ合法的にエストの頭部が私の鼻に当たります。すると匂いを嗅ぐ器官を持ち合わせている鼻が、自動的にエストの匂いを感知しはじめたのです。

最初のうちは「種餌の匂いかな」程度の弱々しい匂いと思われました。
やがて「藁の匂いの様な…?」「日なたの匂いみたいな…」「香ばしい匂いだよね」「もしかして、いい匂いかも」段々匂いを強く感じるようになってくるのに時間はかかりませんでした。

エストの香り。
それは例えるなら、アルプスの少女ハイジが、アルムの山小屋でベッドに選んだふかふか干し草の匂い。(←何故ハイジ限定)
香ばしくて、どこか懐かしい、とてもいい香り…
鼻キスを交わしながら、エストの匂いを楽しんでいる自分に気付いた時、私は軽いショックを受けました。
「これって匂いフェチじゃないですかー?」

自他とも認める猫好きで過ごした長い年月でも、猫の匂いに関して何か感じた事は一度としてなかったのに?猫好きにも猫の特定部位の匂いを嗅いでうっとりする人々がいることは知ってました。でも「ふぅん、そんなのもあるんだ?」くらいで、ピンとこなかったというのに、インコに目覚めてからこんな短期間で、インコの匂いまでに目覚めてしまったとは!!

とはいえ、別に問題はないですよね?
鼻キス中、幸せ満喫で体温上昇、くちばしも足もぬくぬくになるエスト。ぬくぬくを感じつつ、体温上昇に比例して緩やかに立ち上るエストのに匂いを満喫する私。エストは鼻フェチ。私はインコ臭フェチ。ってことは…
一挙両得、一石二鳥、共存共栄で、問題あるどころか逆に素晴らしい関係じゃありませんか!
調べてみれば、猫好きでも匂いフェチがいたように、インコでもその匂いにやられてる人々が沢山いることも分かり、私だけが格別特殊という訳でないと安心もしました。そうだよねー!こんなにいい香りなんだもの!一度目覚めたら病み付きですよねー!

惜しむらくは、G3君がインコ臭の良さに目覚めなかったことです。匂いの感じ方は個人によって差がありますから、仕方ありませんが。それでもエストが水浴びした後など、「エスト、インコくさー!」と言ってるので、彼なりにインコ臭を楽しんでいるともいえなくもないかな?
もうひとつ。触られるのを嫌うエストと同調できるのは鼻キス中だけで、他の場面では大人しく匂いを嗅がせてくれないのです。従って私が嗅げる部分はエストの頭部限定。後は嫌がるエストを捕まえて無理矢理身体中を鼻でまさぐりながら匂いを嗅ぎまくるという、我ながらどう贔屓目に見ても「セクハラ」「変態」の文字しか浮かばない行為に及んでしまうのでした。
↑エストからしたら、もうほとんど犯罪者…;

聞くところによると、インコ臭にも個体差があるというので、花鳥園やペットイベントに行っては、こっそり顔を近づけて色んなインコの匂いを嗅ごうと試みる大変怪しいヒトになってます。
ああ、そんなにしてまでも、求めて病まない止まないインコ臭。
今日も傍から見れば危険人物の如く、スーハースーハー、クンクン。インコアロマテラピーに溺れる私です。
ああ芳しきインコ臭
私の幸せ、鼻キス中。
インコ臭を堪能してます。
to be continued