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10.ダメダメ、こんな買い方
一般庶民の感覚なら、マイホームを購入するという事は、
「人生で一番大きなお買い物」です。
マイホームを望む人なら、「そのうちいつか」「いつかはきっと」と、
色々夢や計画を抱いているはずです。

でも我が家は、特に夢も計画もありませんでした。
「家賃高い賃貸に引っ越すくらいなら、買っちゃう?」程度。
本気からは程遠い冷やかし状態で、
初めてモデルルームを見に行った当日に、
間取りと、場所と、ローンが組めるという事以外、
ほとんど考慮せずに購入へと突っ走ってしまいました。

ダメダメです。
「いけませんの、いけません」です。

大抵の購入指南サイトは、あらゆる角度からの検討と熟考を迫り、
購入記では皆、色々調べたり悩んだりしているものです。
それらを見て、私は密かに誓ったものでした。
「こちらからは絶対リンクを申し込まないでおこう!」
申し込まないというか、申し込めません。
だって、あまりに恥ずかし過ぎる…。

何がいけないって、周りの環境など何一つ確認しなかった事です。
最寄り駅はよく知っていたとはいえ、
マンションが建つ周辺は、駅から少し離れた場所です。
行ったことのない場所と言っても過言ではないくらいでした。
おまけに、誰もが気にする眺望に至っては、
内覧会で現地確認するまでのお楽しみだなんて!
言語道断、そんなのありえない呆れた体たらくです。

どうして地図ソフト等で確認しなかったのか謎ですが、
回りの環境に気が付いたのは、引越した後でした(遅)。
前の道を黒い服着た人たちがよく通るなぁ、と思ってたら、
その先には、結構大きな墓地や葬祭場があったのです。
私たちは反対方向の部屋だし、元々あまり気にならないけど、
墓地はいわゆる嫌悪施設になるのでしょうか。
少し離れているとはいえ、上層階の北側からなら見えるかも?
そして、その「前の道」は一応商店街でした。
引越すまでも、何回も通ったのにね。
確かにお店は多いと思ったけど、少し寂れてたし(言い訳)。

隣接する庭と2階建ての家、更にその向こうに建つマンション。
内覧会当日分かった(遅過ぎ)、南の窓から望む意外な風景は、
案の定、大多数の人が嫌がるだろうものでした。
しかも2階の我が家からは、隣家の中まで覗ける近さです。
それでも、住宅街にある実家のことを思い浮かべれば、
戸建同士ならこれくらいの距離は普通だし、
商業地区の割には余裕がある方と思えました。

このように、あくまでおめでたい考えが出来たのも、
マイホーム購入に執着がなさすぎて、
持ち家に対する具体的な形造りが出来ていなかった為、
すべてにおいて志が低かったせいかもしれません。
ホント、ダメダメです。

しかし。
もし、私たちが最初からマイホームを視野に入れていたら、
とうの昔に購入に走っていたはずです。
欲しいのなら、それなりに勉強や検討はしただろうけど、
「昔」(10年位前?)の分譲マンションの状況を考えれば、
間取りも場所も、ある程度は妥協せざるを得なかったでしょう。
妥協の結果の満足度は不明ですが、
エストとの出会いは確実になかった事になります。

持ち家を望まず、ずっと賃貸に住んでいたから。
エストを拾って、インコのいる幸せを知ったから。
インコと暮らす、もう少し広い部屋が欲しくなったから。
そんな時期に、理想的な間取りのマンションに出会ったから。

偶然が重なり、運命に導かれるように買ったマンションは、
稀に見る衝動買いだったくせにアタリでした。
万人にアタリとは言えないけど、私たち的にはアタリ。
きっとエストが自分の隠れ家を私たちに選ばせたたのです。
私たちにアタリな部屋になったのは、人生最大の借金の代償か?
そう考えれば、なんか納得がいくような買い方です。
すべてはエストのご加護があったから。
エストさまさまです。
(「影の世帯主」とも呼ばれています)

エストのご加護があった幸運な我が家だった訳ですが、
それでも一応は調べていた方が良かったと思うので、
エストがいない普通のご家庭では、
ちゃんと調査・検討してから購入されることをお奨めします。


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