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          3.カーテンの攻防

「もし、イヤだと思ったら遠慮なく断ってくださいよ。
カーテンは15年もつので、その間怨まれるのはこちらも嫌ですから」
鍵引渡しの日が迫ってきた7月の土曜日。
私一人(またしてもG3君が出勤日だった)訪ねたカーテン屋にて、
少々お年を召した店長サンは説明中、そんな事をおっしゃいました。
15年!それはスゴイ!
インテリアを変えるには、カーテンを替えるのが手っ取り早い、
という話も聞きますが、私たちは面倒くさがりです。
15年取り替えずに済むなら、きっと15年間そのままでしょう。

それはさておき、カーテン選びに入ります。
お店に吊ってあるサンプルカーテンから、
気に入ったもの、気になるものをどんどん選抜。
実際に、サンプルを部屋に吊るしてみて確認する為です。
既に、リビングはイエロー系、寝室はブルー系で、
リビングの下部ガラスブロック窓と寝室の上げ下げ窓はシェード、
他はスタンダードなカーテンと決めておりました。
しかし実物を見てもピンと来るものは、ほとんどありません。
迷った挙句、「遮光でも昔ほど裏地も黒っぽくなくていいですよ」
という店長サンの言葉に後押しされる形で、
絶対にイヤだった遮光カーテンも、何枚か選んでみました。
普通、平均して30枚位は選ぶらしいけど、意外と大変。
最後の方は、適当に選んで数合わせしていた気がします。

次の週の日曜日、鍵引渡しを終えたマンションの部屋で、
G3君も立ち会ってもらって、選考会を始めました。
まずはリビングから。店長サンがサンプルを吊るし始めた、
そのしょっぱなのカーテンに、二人共「ああ、これ、キレイ!」
黄色い花柄のデザイン自体はピンとこなかったのに、
吊るしてみると部屋がパッと明るくなって素敵じゃないですか!
残りを次々吊り下げてくれてる店長サンには悪いけど、決まりです。
ボイルカーテンは、メインが大柄なので無地がいいと薦められ、
本当は小柄の刺繍かプリントが入ったものにしたかったけど、
ここはプロの意見に従う事にしました。
(現在、撮影の背景にピッタリで重宝してます)

すんなり決まったリビングとは対照的に、寝室は悩みまくりました。
どうも気に入るものがないのです。
最後はG3君の意見を仰いで「面白い柄だし」と選んだのは、
私の避けたかった遮光生地。確かに柄はいいんです。が、
柄は好みでも遮光だったので断念したものも多かったのに、
ここに来て遮光に転びますか…。複雑な気持ちだったけど、
ボイルカーテンを念願の刺繍入りにしたし、一応納得しました。

後はお値段なのですが、ほぼ50%オフに安心して、
まったく金額を見ずに好みで突っ走った結果、
絶対予算オーバー確実と、私の勘は囁きかけて来ます…。
なにしろカーテンメーカーさえ、本編「29.買うぞインテリア」を書く為、
初めてカーテンのタグを確認して知ったくらいでしたし。
果たして、その夜電話でお店の人から告げられてた金額は、
言葉に詰まりそうになるほど予算オーバーしてました。
「そ、それでいいです」一度はOKを出したけど、一晩考えた末、
「やっぱり暗くなる遮光はいや〜!!」
「どうせ予算オーバーになるのなら、徹底的に好みに走ろう!」
予算オーバーになるのなら、なんとかして安いものにしよう、
とは、決してならないのが不思議です。
そんな私の申し出に、店長サンは冒頭の言葉通り、
「正直に言ってくれてよかったです。選び直してください」
と、変更にも快く承諾してくれました。

週半ば、会社帰りの小雨降る中。
前日にくじいたのか、痛む足でビッコを引きながら、
カーテンを選び直す為、再度お店に向かう私。
こうなったら意地というか、戦いみたいなもんです。
「負けるもんか!きっと気に入った柄にしてやる〜!」
そんな私の気合を感じてか、店長サンも吊りサンプルだけでなく、
カタログからも生地を取り寄せて協力してくださいました。
もう一度寝室に吊ってみて、さらに迷いつつ決めたのは、
ドレープとボイルのプリントがお揃いのもの。
ボイルに総プリントが珍しく、そのせいか、
普通はドレープに比べ、ボイルは安いのが相場というのに、
これは両方とも値段が変わりません。
マズイ。益々予算オーバー確実です。
でもここで引いてなるものか!負けないぞ!
ついでに、上げ下げ窓の網戸が横開きのプリーツ型だったし、
予定のシェードから普通のスタイルに変更して、審判を待ちました。

確かに私は負けませんでした。
でも、お値段も負けてはくれなくて、前回をさらに上回っちゃいました。
ベッドと照明とカーテンは私が予算を組んでいましたが、
ベッドは予定通り、照明は少し安く済んだけど、カーテンが倍超え。
到底足りる訳ありません。

どうする、ア○フル〜♪

…に頼らなくても、心強い援軍があらわれました。
引越し料金が予定よりかなり安かったのと、
当てにしてなかった賃貸の敷金がかなり戻ってきたのとで、
G3君が資金援助を申し出てくれたのです。
おかげで、おつり(?)が出てくるほどになりました。
勝った!私は勝ったのです!!(そうなのか?)

資金問題も無事クリアし、入居前日。
リビングのカーテンは、この日取り付けられましたが、
発注が遅れた寝室のカーテンはさすがに間に合わず、
出来るまでの間、代わりのカーテンを付けてもらいました。
「すみませんね、これがウチにある一番長いカーテンだけど…」
寝室はカーテンボックスが天井についている為、
その辺のカーテンでは短すぎて、床から30cmほど足らないのです。
カッコは悪いけど、カーテンの役割は果たしてます。
この際、文句など言ってられません。(タダだし)

そうして、入居1週間後、ついに寝室のカーテンが来ました。
「脚立の3段目まで上がって取り付けるのは初めてです」と店長サン。
うちには2段の脚立しかないのに、自分で外す時大丈夫かなぁ。
また、店長サンはサービスだと言って、
壁に時計や絵を掛けるようにフックを付けてくれました。
カーテンのフックなども、失くしたら無料で届けてくれるそうです。

思いの外苦労したカーテン選び。
その苦労は今、トラウマとなって私を苦しめています。
「ああっ!こんなに窓が多いとカーテン代がかさむ〜!」
「和室は障子戸だから、カーテン代がかからないのがいいよね〜」
私のささやかな趣味、新聞チラシの間取りチェックが、
すっかり歪んだ見方になってしまったのでした。

リビングのカーテン(シェード)と照明(フルッソ) 寝室のカーテン
左:リビング。シェード+カーテン&照明。一目惚れのこれらを見てるだけで幸せ気分♪
  お揃いのクッションは、たまたまカーテン会社のフェア中でプレゼントされたもの。
右:寝室。カーテンから漏れる外光、青空が透けるボイル。これぞ求めていたカーテン!
  ボイル全面プリントは柄がうるさすぎるかと心配だったけど、そうでもなかったです。


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