下に戻って、コーヒーが出てきたと同時に、
では…と営業サンの話が始まりです。
やっぱりモデルルーム見たら、ハイさようならという訳にはいかないか〜(≧ｍ≦）

多分私よりずっと若い営業サンは、自分の体験談も織り交ぜて、
マンションを買った方がいい理由を語ってくれます。
さすがに分譲マンションを売っている会社ですので、
社員の住宅に関しても、家賃2万円くらいで社宅が用意されており、
望めば定年まで社宅に住み続けることも可能だったけど、
その営業サンは2万の家賃さえも、もったいなくて仕方なかったと言います。
私から見れば恵まれた住宅環境と思いますが、
持ち家を望む人達にとっては、そんなものなのでしょうか？

営業トークとは思いますが、私に対して、
「ここじゃなくても…いえ、本当はうちのを買っていただきたいですよ！
でも、たとえうちのじゃなくても、マンションを買うことをお勧めしたいです！」
と力説してくださる営業サン。

そして、今私たちが支払っている家賃の額を聞いて、
「すごいですね、ずっとその金額を払いつづけてきたんでしょう？」
と言った時は、いったい誉められているのか、呆れられているのか、
全然判断できませんでした。（でも「誉められた♪」と思ってしまうおめでたい私）
2万がもったいないと言うほどですから、気持ちは分かりますけど。

確かに、ざっと計算してみただけでも、今まで払った家賃はすごい額です。
全部足せば充分頭金になります。
でも、それは今だから言える事。
一生賃貸住まいを疑わなかった者にとって、
賃貸の家賃は当たり前で、それが頭金と結びつく事などありません。

その賃貸で私がちょっと驚いたのは、
「年をとると部屋を貸してくれる所が少なくなる」という事でした。
要約すると、年寄りになるほど死期が近くなるのだから、
貸してある部屋で死なれると困るらしいのです。
人が死んだ部屋は借り手が付きにくくなる、というんですね。
家を買っていれば、そんな心配はしないで済むという訳です。
うわー、正直な話だなぁ…でもすごくありえる！
もっとも今から思えば、これも賃貸派を落す常套句だったんでしょうけど。

そして「ローンの計算を」という段階までやってきました。
「このタイプのお部屋でしたら何階でもよろしいですか？」
どうせ計算だけだし、私は特に階数にこだわりはありません。
「はい、何階でもいいです」
本音：買う気ないし、どうでもいいや…

計算のため、しばらく奥の部屋に引っ込んだ営業サンが、
用紙を手に戻ってきた時、階数は「2階」となっていました。
このマンションの１階は機械室や駐車・駐輪のスペースがある為、
２階からの間取りとは少し違う２部屋だけで、共に庭付き。
私達の希望の部屋は、一番狭い間取りで２階からです。
すなわち、２階はこのマンションで一番安い部屋ということになります。
ですから私も、２階の計算書を出してきたのは、
「ほら、月々の支払いは、こんなに安くすむんですよ！」と
ひけらかす為に一番安いパターンを示すのだな、と思ってました。

私がそんなうがった考えをしてる客とも知らず、
営業サンは、最初に「諸費用」と書かれた用紙を見せながら、
マンションの値段の他に、これだけの費用がかかると説明してくれます。
これも初めて知った事でしたが、これだけの高い買い物だと、
本体以外に結構お金がかかるものだろうというのは予想できたので、
「ふーん、そういうものなんだねー」程度でした。

そして思ったとおり、営業サンは盛んに支払いの安さを強調してきます。
「ほら、月々の支払いは、こんなに安くすむんですよ！」
確かに管理費と修繕費を入れても今の家賃より安いけど、
よく見れば払い終わる頃には夫婦どちらも死んでるかも？の35年ローン。
また、そんな予想通りの言葉には心を動かされるものではありません。
しかし、考えの及ばなかった次の言葉に、形勢は一気に逆転しました。

「多分来週の販売開始日には、ほぼ即日完売になりそうですから…」

なんですと！？